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Multiply "場"と"時"をつなぐスマートたち⑥

こんにちは。
本日、ご紹介させて頂くのはメルボルンにて2020年に行われた参加型ダンスイベント「Multiply」です。

Multiplyはダンスアート集団「ステファニーレイクカンパニー」と、20世紀の社会派運動の高まりがあった時代にアーティストたちが集まり、アートパフォーマンスを行ったことから、今も民族主義(Cultural Democracy)観点からアートで表現活動やフェスティバルを行っている「メルボルンフリンジ」による協働で行われました。

*スマートって何?と定義が気になる方はこちらへ。

Multiply


ショートビデオhttps://www.facebook.com/melbfringe/videos/1076069483308043/

Multiplyは前回の Dance Locale と同様にロックダウン下での公共空間におけるダンスアートになります。
Dance Localeがランドスケープや都市、文化の壮大さをプロのアーティスト集団によって表現することに注力したのに対し、Multiplyは社会的孤立の真っ只中である人たちが織り成す芸術的反応に注力しました。
他にどちらにも共通する点としては、ドローンを使って撮影していること、既存の楽曲を使用するのではなく、この取り組みの為に作曲を依頼しコレクティブアートとして世に送り出しています。

参加型ダンスと先ほどご紹介させて頂きましたが、文字通り参加者が恣意的に応募しダンスに加わっています。
応募要件は、2020年11月21日(土)に会場のプララーンスクエアに来れる人。先着順で400人で募集締め切りというもの。
ダンス経験の有無は問われず、メルボルンフリンジらしいパブリックとの関わり方。

また、この取り組みは30分のドキュメンタリーとして2021年に映画館で放映する形と最終形としてとっている。残念ながら映画をみれていないので構成や感想は述べられませんが、メルボルンフリンジの現CEO Simon Abrahamsによると、ダンスはおよそ20分のものであり、孤立が際立つ時における、非接触型のインタラクションを通して、人々がどう他の人と親密さを抱き、場所の感覚を研ぎ澄ましていくのかが鍵とのことです。

彼は一部の参加者から、「映画という媒体を通して描かれた私たちの体験は、私氏たちが主体的にその場で味わったものを表しきれていない。」と投げかけられたと話していて、その言葉がまさに「参加するということ」の重要性を裏付けていると私は解釈しました。

写真からもみてとれるように2mのソーシャルディスタンスを保てる指定位置から場所の移動をすることなく、その場で身体的表現を変えていくことでダンスが創られております。こういうダンスだと抵抗感なく参加できるし、楽しんでいる姿が、とてもいいですね。

あとがき

いかがでしたか?
本筋とはずれるのですが、プララーンスクエアも賛否両論存在する準公共空間で色々とお話ができる場所ではあるので、ご興味ある方はコメント下さい。

また、ステファニーレイクのダンス作品自体はYoutubeにいくつかあったので、よかったら見てみて下さい。

本日も最後までお付き合い下さり、ありがとうございました!

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