鴻池 和彦/㈱cinepos代表

円谷プロダクション入社に始まり11年間は映像製作者として。そこから11年間は下関で実家の特定郵便局長を務めた。3度目の人生リスタート、2016年に㈱cineposを起業して今日。 ‘感情移入’をキーワードに映像製作を基盤としながらも映画配給上映等、様々な展開を画策し続けている。

鴻池 和彦/㈱cinepos代表

円谷プロダクション入社に始まり11年間は映像製作者として。そこから11年間は下関で実家の特定郵便局長を務めた。3度目の人生リスタート、2016年に㈱cineposを起業して今日。 ‘感情移入’をキーワードに映像製作を基盤としながらも映画配給上映等、様々な展開を画策し続けている。

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    クリエイティブの原点

    私は映像製作を生業にしているのですが、その根底には様々な媒体から影響を受けたものがベースにあります。 概ね10代から20代前半までの多感で、情報収集に敏感、直情的になんらかの刺激を受けたものによる媒体群からがすべてかもしれません。 例えば、日本史。 日本史への興味は尽きなく、実際小学3年生から学校の図書館に頻繁に出入りした記憶があり、習熟別にあった日本史の百科辞典を良く読んでいました。 興味をもったきっかけはNHKの大河ドラマだったのです。作品は『草燃える』。源氏の栄枯盛衰

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      • 古き新しきもの

        ‘レトロスペクティブ’ 様々な媒体やジャンルにおいて回顧する楽しみ、ひいては温故知新へと可能性をみたりと案外、知的訴求には根本的な面だと気付かされます。 よくことあるごとに使う私の好きなフレーズに‘賢者は歴史に学び愚者は経験に学ぶ’ 旧ドイツの宰相・ビスマルクの言葉があります。 そうした実用的思考と単純に古いものに心癒やされる人間の生理的な欲求も実は‘レトロスペクティブ’に潜む、或るカタチではないかと思います。 若い人たちには新鮮で、中堅層にはどこか答え合わせのような原点を識

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        • 追悼 ジャン=リュック・ゴダール

          “ゴダール”その名を言葉として認識したのは1984年、中学2年生の時でした。 きっかけは同級生からダビングしてもらった南佳孝のアルバム『冒険王』のA面5曲目『PEACE』の詞のフレーズにあります。 ゴダールの映画って 難しくて嫌い カフェ・オレを見つめて 不機嫌顔 アルバム『冒険王』は全曲の作詞が松本隆の手によるものであり、特に『PEACE』については自らの実体験を織り交ぜながら構成されています。 1960年代の学生運動華やかかりし時代の光と影、ある種のノスタルジーが込め

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          • 無関心都市

            ‘声なき声’について、考えてみたいと思います。この表現には様々な見解もありますので、私見としての提起とします。 意見を言わない、意思表明をしない、しかし自身の考えは持っている。ある種の信念はあるが、協調を優先する… 非常に大まかな概算指標ではありますが、成人男女の意思を最も反映できる機会とも言える国政選挙の投票率を見るに、直近20年間の平均投票率は凡そ50%です。先に挙げた傾向の人々が投票において全て無関心の層に該当するとは言えませんが、少なくとも約5千万人の声なき声=サイ

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            説明し過ぎない優しさ

            先日、人気イラストレーターの唐仁原教久氏がお亡くなりになりました。 私の好きな唐仁原氏の作品をご紹介します。 『俺はその夜多くのことを学んだ 』(幻冬舎文庫)/三谷 幸喜【文】/唐仁原 教久【絵】  1998年に発刊された上記の作品は三谷氏のストーリーテリングの巧さをまさにイラストの力が増幅し、世界観に深い印象を与える表現の方法論、クリエイティブの奥行きを堪能させられました。 『南極のペンギン』(集英社文庫)/高倉 健【著】/唐仁原 教久【画】 2003年発刊。名優・高倉

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            映画に求めるものとは

            日本人の映画の捉え方を端的に表しているエピソードをご紹介します。 現在はNetflixやアマゾンプライムビデオ等でのネット配信での視聴が自宅映画鑑賞における概ねの主流ですが、レンタルビデオ全盛時代が約35年間位、映画の2次利用としてのプラットフォームの大きな主体的役割を果たしていました。 その牽引企業はTSUTAYAを運営するカルチュア・コンビニエンス・クラブでした。ライブラリーの充実度は町のレンタルショップとは段違いのクオリティに、上京したての頃訪れた新宿店やガーデンプレイ

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            今、あなたは…或るプロ野球選手烈伝

            ノンフィクション作家の海老沢泰久氏による1992年文藝春秋刊の『ヴェテラン』という著作を読了したのですが、1970年代後半から90年代にかけて活躍したプロ野球スター選手の中でも個性が際立つ6名を取り上げ、彼らの悲喜こもごもを描いたドキュメントになります。 彼らの全盛時は私自身が凡そ10代時分でしたので、当時の空気感を思い出させてくれる要素もあり、実際昨今の動画配信メディアにおけるプロスポーツ選手の新旧問わずの思い出交歓を視聴する機会も重なり、この本はある種の答え合わせの感も

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            仇討とテロル

            封建時代からの名残りとも言える、法的に存在しない仇討という、私はもはや日本の文化に組み込まれていておかしくないとすら解釈できる昨今の時局を俯瞰するに、報道とリテラシーの距離はかなりの長さだと実感しています。 仇討とは親兄弟が何らかの事情で憤死した際、武士階層に限って報復を認める慣わしが明治時代に法務制度の責任者だった江藤新平によって廃止されるまで、実に700年近く存在していた事になります。 物事の道理とは上位にあるもののみの制度や慣習であっても、知らずと自然に下位層にも流

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            心地よいリズム

            先日、現在も劇場にて公開中の映画『リング・ワンダリング』金子雅和監督と「映画にはリズムがある」という会話で盛り上がったのですが、まず映画文法的リズムについてご説明します。 カット割りやカットの長さ、加えてカット尻というカットの切れ目をどこに定めるか、そして編集で繋げてシーンになり、そのシーンには音楽は必要か不必要か…といった一連作業から出来上がった映像には様々な選択から形へと連なる工程があり、この工程で織りなされた映像表現の見え方をリズムと解釈されます。 リズムは作品によって

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            一人の人間を

            映画『まあだだよ』は巨匠・黒澤明監督の遺作ですが、黒澤映画『どですかでん』以来のキャスティングで、映画・テレビに数多くの名作にその名を留める名優、松村達雄氏が当時78歳で主演の内田百聞役で起用されました。 撮影中、演技指導に熱の入る黒澤監督が松村氏には「オマエ、何年役者やってんだ!」と罵倒するエピソードを伝え聞きます。大俳優、キャリア何十年であろうと容赦ない叱責は映画作りに妥協のない黒澤監督らしいエピソードだと、逆に黒澤監督へのリスペクトな評価に昇華されているとも捉えられます

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            滑稽なひとたち

            人間の感情と動作について、考えてみたいと思います。 最近では自己承認欲求という言葉があるように‘無視されない’とか‘あなたはそういう人なんですね’とある種の客観的認識を伴った存在意義を覚えることが、人として生きる縁になっているのではと思える様相を呈しているように映るのです。 そこで人によっては‘威張る’‘羨望の目で見られたい’といった優越意識にありたいと思うケースもあるのでしょう。 ここで考えてみたいのは‘個人と多くの他’についてです。これは誰しもに当てあまる社会の構成から

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            私見・日本のビートルズ

            ヤフーニュースの掲載で知ったのですが、人気バラエティ番組でのある設問が話題となっております。 ビートルズへの理解が前提である筈にも関わらず、番組回答者とアンケート回答者の無知蒙昧なスタンスに少々呆れるばかりです。 そこで、真面目に私見ではありますが、この設問への回答を検証してみたいと思います。 ①基本は四人組であること。 ②ブリティッシュなポップとロックの系譜を汲んだ色合いが望ましい ③メンバーがソロとしても力量を持っている ④社会性や文化発信、加えてクリエイティヴィテ

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            無題として

            2022年7月8日。 虚しさが身体の芯を覆います。 あまりにも時代が逆行している違和感に心の均衡が取れなくなっているのです。 言葉を綴ることの虚飾めいた行為にすら思える、‘私は考える’的な文章にも拒絶反応があります。もしかすると本稿も類するかもしれません。 隣り合ってお話しを聴かせてもらった経験がある方なら、一様に思う畏怖感や尊大な感じは一欠片もない、等身大の人柄に驚きもあり、人を受け入れていく空気感に気づくはずです。 特に前職の郵便局時代、事務所と私の職場が同じ町内と

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            誰もにある純粋

            婚活、終活、涙活、腸活等…○活といった、何かをするための活動を略した、意識向上を自ら促していく、合理性の共有みたいなムーブメントが現在進行形であります。 これはインターネットの汎用による、個から始まる緩やかな共同体が水面の波紋のように拡がりやすい構造に、マスメディアが乗ったことで、個人の概念が一般化されたのだと私には映ります。 目的をもって活動することは合理的です。例えば健康面を配慮し排便を滞らせないための腸の動きを活性化するために、適切な食事や運動を実行していく‘腸活’。

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            作品の向き合い方

            特撮愛好の友人諸氏と連れ立って『シン・ウルトラマン』を鑑賞しました。 と言っても本文のテーマは作品についてではなく、鑑賞方法についての見解を考えていきたいと思います。 映画館と言えば‘ポップコーンとコーラ’みたいな概念は当然アメリカ輸入の仕様なのでしょう。 そして映画館運営においてもサイドメニューの売上もそれなりの効果が見込まれる為、多種類の飲食系サービスの提供は欠かせません。 そこで見解が分かれる鑑賞中飲食の是非についてです。 『シン・ウルトラマン』は現在、興収40億円に迫

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            寄り添える‘時代と感情’

            大学時代、連れ立っていた友人との或るミュージッククリップについての会話です。 日本の女性シンガーのものですが、衣裳含めロックなアプローチで激しいシャウトと歌詞的には自身の思いを赤裸々に時代環境への疑問等ぶち撒けるスタイルで、海外からの影響を考えるとよくあるタイプかもしれません。 私が観ながらしっくりいかなかったのは、女性シンガーがヴィジュアル的にかなりの美形に類している為、何処か自分自身を壊すことを軸としているように映ったのです。 「何でこういう感じに作ったんだろう」 「悩

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