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メランコリック(2020)

134- #メランコリック(2020)


#人生こんなはずじゃなかった

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東大卒だが、うだつの上がらぬ生活を送っていた和彦は、
たまたま訪れた銭湯で高校の同級生・百合と出会った
のをきっかけに、その銭湯で働くこととなるも、
閉店後の深夜、風呂場を「人を殺す場所」
として貸し出していることを知り…

300万円という超低予算映画としてはかなりリアル。
主演#皆川暢二 がプロデューサー、
相方松本の#磯崎義知 が構成・演出。
平日は仕事があった監督#田中征爾 と
3人で週末中心に撮りきったとか。
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【設定で出オチ終わりしない名作】


銭湯で死体処理やってるっていうトンデモ設定の映画。
面白い設定で興味持ったものの、
そこで出オチ終わりしない名作でした!


和彦が色々首をつっこみすぎてしまい、
うわー…
って思ってると
結構ノリ気っていうところからズルズル引き込まれますw

ホラーっていうより、
20代前半の仕事観映画みたいな感じにも見える。
あまり専門性なかった自分が、
特定のミッション任せられて、
同期と競争するみたいな。

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アクションシーンもあったりするが、
カメラ台数が少ないからか
殺陣が若干ゆっくめに見えるのは不思議な撮り方。

間とか後半のやり取りも少しギャグテイストが入っていて
全然サスペンスメインって感じでないのが不思議な感じですねーw


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【面白く描かれてるシーンが沢山】


食卓のシーンも象徴的で、一見仲の良い家庭ですが、
どこか興味ありそうでない感じのやり取りが続くものの、
(揚げ物とかばっかりw)
だんだんと、無口な和彦の口数が増えていくという変化を通じて
その成長が見て取れるのは面白いです。


そういった意味でもホラーとかってよりは、
ハートウォーミングなドラマ
的要素のが強い作品な気がします。
中心にあるのはバイオレンスなテーマなんですが、
それが日常みたいな流れ方しているんで、
上記でいった仕事とか人間関係とかに
置き換えてみることもできる点も
見どころなのかもしれません。
(普通に仕事あるあるダナーみたいな部分も多々。)



あとは大人から見た子どもへの恐怖みたいな話だったり、
同窓会での雰囲気だったり、
結構色んな切り口が入っているのも
味わい深い一因となってる気がします。
(彼女のベッド、一人暮らしにしては広すぎだろうw)

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特にラストシーンがいい感じで、
裸をさらけ出す脱衣所という場で
心も裸になって、
みんなでやり取りするのはいい〆ですよね!
彼女ともうまくケリついてるし!
(松本筆頭に死亡フラグビンビンでしたよね?w)


最後に同窓生がちゃんと支援側で回収されてくのも
ちゃんと作られてるなー
とより一層感じさせれられる部分でした。


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【更に見逃せないポイントも…】
 

元々和彦も松本もどこかおかしな感じだったけど、
居酒屋での前夜を境に
人間っぽさがどんどん増していくのも良いポイントです。

それぞれの幸せの形について語るシーンも必見で、
価値観や育ってきた環境が違うから
幸せも異なるという主張は、
東大ニートだがプライド高かったり、
相手も気遣える風の殺し屋だったり
といった2人のキャラをうまく活かしたメッセージとなっており、
案外この辺りから終盤にかけての流れが
最大の見どころなんでしょうね。

コンビ仲が深まっていく様子も感じ素敵なシーンでした。




ケチャップを血に見立てるのを殺し屋相手にやるか?とか、
ヤクザのバックが黙ってるわけないだろ!とか、
なんか音がブツブツ切れてる?とか
色々気になる点もなくはないですが
そこまで違和感も大きくなく、
『人にとって何が大切なのか』
という点にフォーカスしているのは
この映画最大の魅力かと思います!

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と、色々褒めちぎってココまで来てしまいましたが、
細部までしっかり作られた邦画を観たい方、
#カメラを止めるな  に引き込まれた方、
本作必見かと思うので、是非ご覧ください―!


#シネクス発掘度7  / 10


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