しえるの思考記録

見たもの好きなもの考えたこと。

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最近の記事

キリエのうた 感想

思い描いた通りに生きられたことなんてないけれど、愛だけは持ち続けていた 映画「キリエのうた」を公開初日に観てきました。 人間らしさが詰まった、魅力的で苦しい映画でした。 私は素敵な映画を観た時、「軽い気持ちで観られたくないから人に勧めたくない」と思う場合と「たくさんの人に観て欲しい」と思う場合があります。 今回は後者だったので、なるべくネタバレは少なめで感想を綴っていこうと思います。 (まったくネタバレなしは無理だと思うので既に観に行くつもりの人は自衛してください。)

    • 君たちはどう生きるか 感想

      以下ネタバレを含みますのでご注意ください。 映画「君たちはどう生きるか」を観てきました。 様々な人の考察の中で、宮崎駿監督の半自叙伝ではないか、アニメ業界の現実について隠喩しているのではないか、といった裏に隠された意味について語られています。 しかし私は、お恥ずかしながらあまりジブリ作品のことを知らないですし、映画館で観たのは今作が初めてです。 金曜ロードショーで放送されているのをいくつか観たことがある、程度でもちろん宮崎駿監督の経歴など知りません。 そんな私が、ストレート

      • オタク手記②〜推しの条件〜

        美容院に行ってきました。 どうしてもこのイベントの前に…!と思ったら日時の選択肢がなく、初めて平日の夜に行くことになりました。 お客さんは私ともう1人だけで美容師さんも限られており、弾んでいない会話が店内に響きます。 気まずい空気から逃げ出したく、目の前に置かれたタブレットに手を伸ばしました。 推しの書く文章 美容院にありがちな、雑誌しか読めないタブレット。 雑誌を読む習慣のない私はカテゴリー欄をうろうろするばかりでしたが、あることを思い出しました。 「推しがエッセイを

        • オタク手記①〜会えるオタクの限界とプライド〜

          私はとあるアイドルのオタクをしています。 地上とも地下とも言い難く、"会えるアイドル"という表現をしておきます。 推し始めて早4年、これはオタクであることを手放しで「最高!」とも言えなくなったある日の話です。 そもそもオタクの定義って? みなさんは"オタク"という言葉を聞いてどんな人を思い浮かべますか? 熱狂的に応援する人?CDをたくさん買う人?ライブに通う人? 以前よりもネガティブなイメージがなくなりつつある"オタク"ですが、様々な捉え方ができると思います。 ここでは

        キリエのうた 感想

          怪物 感想

          怪物は、誰か1人を表す言葉なのでしょうか。 私は田舎で育ちました。 田舎と言っても住宅街があって、子どもがそこそこ住んでいるような、片田舎です。 田舎ではサイレンが聞こえると人が外に出てくるし、噂はすぐに広まります。 実家に帰れば「○○くんは今××で働いてるんだって」「○○ちゃんのお母さんと××で会ったよ」「○○さん家の犬が亡くなったらしい」そんなご近所話を聞かされます。 自分の変化は望まないけど、他所の変化は娯楽。 そんな世界が私は苦手でした。 この映画は、そんな

          新年度に思うこと

          春が来て思う。自分はもう若くないのだと。 社会人4年目の春。新入社員を迎えるのは3回目。 1回目はまだ良かった。自分に後輩ができることに胸の高鳴りを感じていた。 それが今となってはどうだろう。 新入社員が採れたて新鮮野菜なら、私はかろうじて野菜室には入れてもらえているもののしなびて外側はもう食べる気がしない。瑞々しさはなく、生食は無理かもしれない。 根を生やしたまま成長できたのならいいけれど、いつからこうなってしまったのだろう。 かと言って後ろを向いているとは思わない。

          新年度に思うこと

          月の満ち欠け 鑑賞

          純愛と狂愛は紙一重だ。 1人の男ともう1度会うため2度も生まれ変わりをしてしまう女の執着と、上手く愛せず2度も愛した女を死なせてしまった男の執着とは一体何が違ったのだろうか? 1人の相手に対して一生だけでは抱えきれない想いを抱いたことは同じなのに。 どちらも同じように執着を孕んだ愛だったとしても、相手に求められていれば一途な純粋な愛として受け止められ、相手に求められないものであったなら狂った愛へと変わってしまう。 正しく愛することは難しい。 生まれ変わりを繰り返す瑠璃が

          月の満ち欠け 鑑賞

          すずめの戸締り

          以下ネタバレを含みますので、未鑑賞の方はご注意ください。 あの大震災を扱ったフィクションものを初めて観た。 決して忘れてはいけないことだけど、どこか腫れ物のように扱われてきた。 報道やドキュメンタリーで目にすることは多々あれど、物語の中に組み込むことは茶化しているように捉えられてもいけないし、かなり神経を使っただろう。 皆に伝わるという利点はあれど、実際に起こったことを扱うには相当の覚悟が必要だったはずだ。 12年という歳月が、4歳の少女が高校生に育つ程の歳月が、エンタ

          今、出来る、精一杯。

          舞台「今、出来る、精一杯。」の映像上映を渋谷ユーロライブにて観劇してきました。 記憶に新しいうちに感じたことをぶわぁぁあああっと書きます。 人は誰もが世界の中心で、自分の正義が正しいと信じて生きている。 印象的な台詞の1つに 「生きにくいのはあなた(安藤くん)だけじゃない」 という言葉があった。 みんなある種の生きづらさを抱えていて、上手くできないを積み重ねながら生きている。 簡単には言えない過去の苦しみや、上手く生きてる風を装うための嘘がある。 なんとか取り繕って、

          今、出来る、精一杯。

          流浪の月

          自分のいる世界が綺麗だと疑わない人が苦手だ。 帰る場所があたたかいと信じている人が苦手だ。 親は子どもを愛するものだと思い込んでいる人が苦手だ。 その人にどんな背景があるのかも想像せずに、表面だけを見て自分の見たことのあるものに当てはめて決めつける。 そんな人ばかりの昨今。 綺麗なものばかりが祭り上げられ、綺麗に見えないものは可哀想だと上から哀れまれる。 そんな世界に生きづらさを抱えている人はきっとたくさんいるけれど、みんな隠すのが上手だ。 余計なことを言われるか

          xxxHOLiC

          生きるの下手くそな自分も愛してる。しえるです。 公開初日にxxxHOLiCを観てきたのでその話をします。 舞台挨拶ライビュつき1回と通常回1回観てきました。 自己犠牲の上に成り立つ平和は幸福と言えるのか。 期待通りの美しいビジュアルもとても良かったのですが、込められたメッセージ性の強さに驚きました。 これを観終えた時、綺麗とかかっこいいとかしか出てこないような死んだ感受性で生きていたくない。それこそ思考停止だ、と思いました。 美しいものを描き、撮る人がこの世で生き続け

          4月8日 あまぞん。

          今日は何もかもタイミングを間違える日だったしえるです。 そういう日もありますよね。 先日、Amazonで注文をした商品の郵便受けに配達完了通知が来たのでポストを確認したのですが、 いや、なくね??? 玄関先にもガスメーターのところにもなく、うーんこれはどうしたものか… 今まで幾度となくAmazonさん使わせてもらってますが、こんなこと1度もなかったのでとりあえず夜まで待ってみることに。 通知が先に来ちゃう時もありますからね。 数時間経過………… うん、ないな。

          4月8日 あまぞん。

          4月7日 わいふぁい

          ヒートテックの辞めどきがわからないなぁ、と悩んでいるしえるです。 さて、今日は最近の悩み、WiFiの話です。 昨今のWiFi(ポケットWiFiとか工事がいらないやつとか)は2年契約が基本で、3年目以降は値段がグッと上がるんですよね。 現在契約しているものがもうすぐ2年を迎えるので解約して新しいところを探さなければならないのですが、どこにすればいいのか全然わからない。 (いつ引っ越すかわからないから回線は引きたくない) まとめ記事は数多く存在するのですが、あれは提携し

          4月7日 わいふぁい

          4月5日-6日 大怪獣のあとしまつの話

          やっと信じられる春がやってきましたね。 もう寒くはならなさそうです。 ごきげんよう、しえるです。 今日は賛否両論あった映画「大怪獣のあとしまつ」の話をします。 観たのが2ヶ月ほど前なので記憶が定かではない点もあるので悪しからず…。 (以下ネタバレを含みます) さて、端的に言うと “人間の陰謀と利権渦巻くヒューマンコメディ” という感じでした。 特撮ではないですね。 あくまでメインはヒューマンストーリーだと感じました。 その人間模様がとてもリアル! 大怪

          4月5日-6日 大怪獣のあとしまつの話

          4月4日 さっちゃんのセクシーカレー

          こんばんは、しえるです。 先日久しぶりに、シャッフル再生で流れてきて大森靖子さんの「さっちゃんのセクシーカレー」を聞きました。 リリース当時は高校生で、今聞くと印象がだいぶ違っていました。 当時は “こんな田舎でぼくより強いひとに はじめて会って嬉しかったよ” という歌詞が大好きで、1人の友人を思い浮かべて聞いていました。 がむしゃらに生きていた田舎の高校生時代、自分より達観した考えを持って未来を見つめるその友人が、強さと優しさで包み込んでくれるその人が憧れでした

          4月4日 さっちゃんのセクシーカレー

          4月1日 春疾風

          新年度始まりましたね、笑って過ごせましたか? こんばんは、しえるです。 先日、何気なくラジオを聞いていたのですが、嵐の夏疾風のメロディーが流れてきて、 「つい最近春が来たばかりだし、さすがに早過ぎないか?」 「でも高校野球のイメージか…春の選抜やってたもんな…」 なんて思いながら聞いていました。 しかし、途中でゆずの声だと気づき(作詞作曲は北川悠仁さんらしい)、 「あ、セルフカバーバージョンなんだ初めて聞いたなぁ」 と思っていました。 すると肝心のサビで“春