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短歌

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2024年2月の記事一覧

短歌単作七首「虚無虚無の実」

短歌単作七首「虚無虚無の実」

身も蓋もない話だよ人生は
「絶望するな」だが生き急げ

深海に沈んだ日でも青空を
見つけるように生きていこうね

夢何処、人生(みち)に迷って手をあげた
我をこのまま運べタクシー

何事もなかったようにも生きていく
ことはできるよ?できる、だけどさ

くだらない全部が全部くだらないの中に
譲れぬ確かなものが

ひとひらの言葉をポッケで握ってる
今日を生き抜くお守りとして

虚無虚無の実でも食べたか

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バレンタイン短歌「恋する惑星」

バレンタイン短歌「恋する惑星」

君は「すき」っていう時いつも目が泳ぐ、
泳いでないで溺れさせてよ

地球儀の柄で包んだチョコ捧ぐ
人類全てを愛で満たして

惑星の星々柄のチョコ並べ
銀河すべてを❤️で満たした

SAY YES 言えって早く生き急げ
期限があるんだ 恋、夢、ぜんぶ

恋の季節するもしないも二人次第
この惑星に風は吹いてる

短歌連首「sign」

短歌連首「sign」

試しに手 振ってみたんだ
悲しみにこんにちはって、こっち来るなよ

くちびるに閉じ込めていた嘘があり
振り返るとき歌に変わった

ささくれを抜いてみたけど
思い出は痛いまんまで滲んだだけだ

君が夢に出てきてくれど愚かにも
僕は見破るタトゥーの位置で

その水が濁っていても飲めたのは
君という名の沼だったから

君の良さに気付かぬ俺も阿保だろし、
俺に惚れない君は馬鹿だよ

心でも身体でもなく君の

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雪の短歌 「警報級の光の粒だ」

雪の短歌 「警報級の光の粒だ」

まばたきの瞬間まつ毛の先っぽに
触れてたような光の結露

この身体でお拭きなさいとワイパーの
隙間に積もる雪のハンカチ

雪の降らない島に生まれた僕が
空を仰げば触れる光

あなたにも見せてあげたい白だけど
街のすべてを染めて隠した

大都会、白く染め行く立春の
警報級の光の粒だ