【読書】303 の文献から判明したパンデミック 13 のひみつ
出版情報
タイトル:303 の文献から判明したパンデミック 13 のひみつ
著者:ロバート・F・ケネディ・ジュニア(著)
翻訳:桜野真由美
解説:林千勝
出版社 : 経営科学出版 (2024/6/30)
単行本(ソフトカバー) : 200ページ
大統領選のキーパーソン
著者のロバート・F・ケネディ・ジュニア(以下ロバートK Jrと略す)は、2024年大統領選のキーパーソンだ。現在(2024年9月上旬)は共和党トランプ大統領候補と協力関係を結び「激戦州では立候補しない」と宣言した。ケネディ家といえば米国名門で、先祖代々民主党党員なのだ。そう、暗殺された彼の伯父で35代米大統領ジョン・F・ケネディも、事故死した父ロバート・ケネディも。だからこれは一族の主流派や民主党本流から見たら裏切り行為なのだが、彼からすれば最初に裏切ったのは民主党の方だった。2023年4月には出馬を表明し大統領指名選を戦っていた。人気も高くバイデンを凌ぐとも言われるほどだったが、警備を強化してほしいという彼の要求をバイデン政権は拒否。そのほかにも民主党との軋轢があったものと思われ、2023年10月には無所属での出馬を表明。そして今回のトランプとの選挙協力となったのだった。Xでは、同じくトランプに選挙協力を申し出たイーロン・マスクと共に3人で踊りまくるミームが再生数を稼いでいる。
著者ロバートK Jr&前作は
ロバートK Jrは日本では何より、前作『The Real Anthony Fauci 人類を裏切った男』の著者として知られることになったのではないだろうか?医産複合体やCDCを40年も牛耳っていたアンソニー・ファウチ、そしてマイクロソフト創業者ビル・ゲイツらの鬼畜とも思える所業、そしてコロナ・パンデミックとコロナワクチンのデタラメとしか言いようのない状況を暴いた本だ。多数の論文を参考文献とした上中下3巻にもおよぶ力作だ。私も感想記事を書いた。
中学生にもわかるように
本著作ではその前作に比べて、グッとボリュームダウンし、平易な文章で、要点だけをわかりやすく抽出し、「中学生にもわかるように」というコンセプトで描かれたのではないか、と思わせるような出来栄えである。
まだワクチンの実態を知らない人に、理解してもらいやすいようにグラフなども多用されている。例えば、大切な人へのプレゼントなどにも活用できそう(表紙もかわいいし)。とっつきやすいのではないだろうか?
議論をしましょう
だがこれは、今まで仲間であった左翼リベラル(そして医産複合体を含むグローバリスト勢力)への呼びかけでもある。『科学的根拠に基づく議論をしましょう』と。
本書で挙げた13の問い(とその答え)。この問答に参加しましょうと呼びかけているのである。つまり、まともに答えて(応えて)いないのだ。科学者と称する人々が。
日本で言えば、『日本の人口増加を目指す男』藤江氏と武見厚労大臣の記者会見における問答のように。「これだけ健康被害が出ているんですよ!」という問いかけに「審議会からはそういう情報が上がっておりません」とただただスルーに徹している(ここでいう審議会とは新型コロナウイルス感染症対策分科会のことである)。そういうことが、米国でも、またWHOでも行われているようなのだ。それは拝金主義という単一の価値観が隅々まで浸透してしまった姿でもある(と私は思う)。
だから、まず私たちが、『科学的根拠』に基づいた話ができるように。本書を手に取る価値はあると思うのだ。
さらに深読みをしてしまうと…製薬会社やワクチンで利益を得ている団体は、本書を訴えることもできるはずである。『事実誤認である』と。だが、『The Real Anthony Fauci 人類を裏切った男』も本書も、訴えられてはいない。理由は不明ではあるが、推測をいくつか。ひとつは多くの専門的な参考文献を引用し、本書が根拠を示していること。もうひとつは、議論をしたくないのだ。議論になってほしくないのである。そうすると結果はどうあれ自らのデタラメぶりが多くの人々に露呈してしまうことがわかっているから。…そのように勘繰ってしまいたくなる…。
紙の本の重要性
WHOも日本政府もパンデミックやワクチンに関する言論検閲を強化したがっている。以前にも述べたが、昨今閣議決定されたインフルエンザ等対策政府行動計画には偽誤情報の常時監視が盛り込まれており、プラットフォーマーなどに必要な要請や協力を行えることになっている。
もちろん本当に誤情報偽情報の監視をするならばよいが、現在YouTubeなどであからさまに行われている言論統制や検閲、またXの投稿への重箱の隅をつつくような「コミュニティノート」の追加。この現状を鑑みるに医産複合体が推進したいワクチンに疑問を呈するような言論を封じ込めたいという意図がありありと見えてしまう。もしかしたら比較的自由な言論空間であるこのnoteにも魔の手が迫る可能性がなきにしもあらず、なのだ。
その時に重要なのはネット上のみでない、リアルな人間関係と、紙媒体の情報である。本書はその重要な『紙媒体の情報』のひとつだと言えるだろう。
惜しむらくは「日本でイベルメクチンが…」
ただ、はっきりと事実誤認と思われる箇所がある。それは「日本…は、国民にイベルメクチン…を提供してパンデミックを終わらせた」p58と、しているところだ。その文言についての参考文献を見てみるとひとつは2020年、もうひとつは2021年のものだった。
イベルメクチンには治療効果があることがはっきりとデータとして出ており、日本の有識者たち(イベルメクチン開発者でノーベル賞受賞者の大村智氏や国会議員ら含む)も最大限努力したのだが、厚生労働省の忖度により(多分米国への)、日本政府は2021年半ばにイベルメクチンは国内でのコロナ治療薬の選択肢から除外された(『イベルメクチン ; 新型コロナ治療の救世主になり得るのか』)。
つまり「その後の経緯」を追わないまま、本書が執筆されている。
しかし、多くの人の議論の根拠にするのであれば、少なくとも『訳者註』などの形で日本に関わる重要な部分だけでも「その後の経緯」を付け加える努力をすべきだったのではないだろうか?本書の全体の価値を少なからず毀損してしまっているように思う。
上記の瑕疵があるとしても、また多少のデータの古さはあるにしても(しかし概ね2022年まではデータを追えているようである)、科学的議論の基盤をみなが持つことは重要だ。その点において本書の意義は大きいように思われる。
13のひみつ
本書で提起されている13の問いをあげていこう。はてなマークがついていない『ひみつ』も、「ほんとう?」を補えば『問い』なのだ。その回答全体が本書なのである。
ひみつのうちのいくつか
内容はぜひ本書にて確認していただきたい。いくつかのひみつについてここで見ていこう。ここに記載したのは一部のひみつであり、その各ひみつの一部の情報だ。ぜひ本書によってその全体を知っていただけたら、と思う。
1;COVID-19のワクチンは本当に数百万人の命を救い、パンデミックを終わらせたのか?
下記グラフを見れば一目瞭然だろう。
上記グラフは各国の集団ワクチン接種後のCOVID-19による死者数だ。注射💉マークがワクチン接種開始時期を表している。ここには4カ国のみ掲載したが、本書には24カ国分掲載してある。どの国もそれまで落ち着いていた、あるいは減少傾向にあった死者数が集団接種開始とともに増加に転じている。
下記は日本のグラフである。藤江グラフと呼ばれている。日本ではワクチン接種は2021年5月下旬に始まった。半年ほどは小さなピークはあるものの確かに死者数は減っているように見える。しかし接種回数を経るごとに死者数は目に見えて増大している。厚生労働省はこの実態を知らせたくなかったのだろう。途中で公表をやめてしまった。こういう情報こそ、ワクチンを打つか打たないか決定するのに必要な情報なのに。こんなに何度もワクチンを打ち続けている国はないようだ。
4;ワクチン接種者はよりウイルスに感染しやすくなる
2020年3月、ファウチ博士はメタ社のマーク・ザッカーバーグのインタビューに応じた。今もYouTubeにその様子が残っている。3万回以上視聴されイイねは200を下回っている。つまり世間はそういう評価を下した動画ではあるが、ファウチ博士は正しくそして重要なことを述べている。
上記引用では、ザッカーバーグとのインタビューと別の論文との知見を合わせて説明している。インタビューの時点では「可能性の警告」であったが、実際に警告通りのことが起きてしまった!
じゃあ、それを振り返ろうよ!!ワクチンの有効性をきちんと総括しようよ!!!…と思うのはきっと私だけではないと思うのだが、みなさんはいかがだろうか?
7;集団ワクチン接種のあと、世界的に死亡者が増加した
日本では藤江氏が盛んに「日本人の謎の大量死」すなわち「超過死亡」について話題にし、武見厚労大臣に何回もこの原因について「調査しないのですか?」と訊ねている。また国立感染症研究所の一般公開時に脇田所長とした対話の中でも藤江氏は「超過死亡」について訊ねている。しかしこちらもスルーであった。「超過死亡」とは下記グラフの推定値から実測値が超過している部分のことである。2022年と2023年と2年続けて10万人を超えている。不謹慎な例えではあるが、原爆がひとつ落とされたのに等しい死者数なのだ。これをスルーし、原因を調べようとしない。日本政府、武見厚労大臣はどうかしているし、責任は大きい。
では、米国ではどうだろうか?
「保険会社は、それまで健康だったワクチン接種者が原因不明で亡くなる件数(死因を問わず)が2021年に大幅に増えたと報告している」p87という。そのほとんどが若年層である、と。
つまり、米国でもワクチン接種が始まってから「米国人の謎の大量死」が起きているのだ。
また、「COVID-19が体力のない人や高齢者、特に終末期に近い多くの人を殺したのに対して、ワクチンは若くて健康な人を殺している」p89と著者はいう。未成年者、ましてや子どもに接種するなんて、どうかしているとしか、言いようがない。詳細はぜひ本書を手に取って見てほしい。
8;製薬会社とCDCは、主要メディアの協力を得て、重篤な疾患と死亡の報告データを隠蔽した
最近メタのCEOザッカーバーグ氏は「新型コロナウイルス関連のコンテンツを検閲するようバイデン政権から圧力をかけられた」と告白した。ではワクチン関連は?どうなのだろう?
YouTubeではコロナやワクチンに関しては検閲が入り、みな隠語を使って情報を伝えている。Xは比較的自由とはいえ何かといえば「コミュニティーノート」が付加される。
民主主義が正常に機能するために言論の自由は欠かせない。だが、その常識がコロナ以降通用しなくなっている。
本書では
と述べている。CDCは米国疾病予防管理センターの略である。またFDAはアメリカ食品医薬局の略である。つまり医産複合体が形成されており、それらがマスコミに圧力をかけているのだ。
著者は「これまで保証されていた透明性はもはや存在しないのだ!」と叫んでいる。
私たち日本人も、民主主義のお手本と思っていた米国のこの為体ぶりに呆れつつ、我が邦も決して褒められたものではない。むしろ輪をかけて、マスコミ、政治家、官僚の隠蔽体質に怒りを通り越して、やはり呆れるしかない状況なのだ。だが、ついにNHKがワクチンによる健康被害を1時間にわたって放送した、という。少しずつではあるが、改善の兆しも、ある。
9;政策に対する批判への検閲と規制を許してもいいのか?
もちろん、健康に関する検閲なんて許してはいけない。ましてやすでに健康被害がこれほど出ているのである。情報が正しくなければ、正しく判断することなど、できない。
先にNHKが健康被害を報じたと、述べたが、これは実際に健康被害にあわれた人々が、その苦しみの中で、裁判に訴える、という決断をし、記者会見などをしたことが大きく影響したのではないだろうか?文字通り命懸けの訴えである。私たちは同じ社会を、そして同じ時を生きているものとして、そのことを無駄にしてはいけないように感じている。
本書では「(ガーディアン、ワシントン・ポスト、ニューヨーク・タイムズなどの)企業は、ワクチン接種を激励する何千本もの記事を快く掲載する一方で、ワクチンに対する批評…を積極的に検閲してきたが、自らの信用を汚す賄賂のことは開示していない」。つまりスポンサー企業については悪くいえないのである。そして「(マスコミは)いつになったら、科学的事実が必ずしも…アンソニー・ファウチの利己的な見解と一致するわけではない、という事実と向き合うのだろうか?」と締めくくっている。
さらに13個目のひみつまで、本書は続く…。
日本の状況も徐々にではあるが変わりつつある…
ワクチンによる健康被害をまったく報じてこなかった日本のマスコミ。しかし少しずつではあるが、変化もある。NHKは1時間もかけて健康被害について報道した(健康被害救済制度がいかに使いづらいかを告発する、という形で)。圧巻は2000通にもおよぶ視聴者から番組へのメッセージだ。NHKはそれ以前に、ワクチン被害者たちをあたかもコロナで健康を害したかのように報道した『前科』がある。それに比べれば隔世の感がある。
また武見厚労大臣。フリーのジャーナリストとして活躍中の『日本の人口増加を目指す男』藤江氏によれば少し反応に変化があるという。だがまだ具体的な行動の変化があるわけではない。さらに日本版CDCは新たなアジア支配と日本の税金をアジアへばら撒くための仕組みなのでは、という陰謀論めいた話もある。
私たち自身が自分たちで必要な情報を取りにいくこと。しかも上質な。そういう情報戦の時代に、どうやらすでに入っているようなのである。本書はそういう時代に相応しい一冊なのではないだろうか?
本書の限界は…
以上、本書の利点を主に述べてきたが、もちろん本書にも限界がある。それは基本的に「米国向け」に書かれていること。さらに「米国のリベラル向け」=「米国の左翼向け」に書かれていることだろうか?
日本人にとって説得力を持って迫ってくるのは、何度も本記事で引き合いに出させていただいていて恐縮だが、『日本の人口増加を目指す男』藤江成光氏の藤江グラフだろう。なんといっても日本の厚生労働省の発表するデータを元に、あるいは地方自治体に情報開示請求をして得られたデータを元に各種グラフを作成している。彼のグラフは専門家も引用している信頼のおける、そして説得力のあるグラフなのだ。本書を読んで興味を持った方は、ぜひ藤江氏のXやYouTubeなどを視聴するなどしてほしい。
「米国のリベラル向け」=「米国の左翼向け」の部分は、日本でまだこういった情報を知らない人であればどうか?という観点から、ご自身が伝えたい方向けにアレンジしていくのがよいだろう。
限界はあるとしても、本書は米国や世界の現状を知る上でも参考になり、また日本に住む人にとっても参考になる。良書である。
引用内、引用外に関わらず、太字、並字の区別は、本稿作者がつけました。
文中数字については、引用内、引用外に関わらず、漢数字、ローマ数字は、その時々で読みやすいと判断した方を本稿作者の判断で使用しています。
おまけ:さらに見識を広げたり知識を深めたい方のために
ちょっと検索して気持ちに引っかかったものを載せてみます。
私もまだ読んでいない本もありますが、もしお役に立つようであればご参考までに。
宮沢孝幸氏の本
宮沢氏(にゃんこ先生)は言論の自由を踏み躙られ、研究の自由を奪われた。応援したい。
藤江成光氏の本
イベルメクチン
ワクチン解毒
私は読んでいないのだが、こういう本もある、ということで。
警察官ゆりのアメリカ生活
本書の著者ロバートK Jrが、どれほど売電政権から嫌がらせを受けているか、日本人にわかりやすく解説している。
ザッカーバーグとファウチ博士の対談
23分ごろから、「ワクチンは最初は効いても後から悪化することがある。そういうことはHIVのワクチンで経験済みである。半年から1年経たないとワクチンの本当の効果はわからない」という意味のことをファウチ博士は説明しているようだ。
国立感染症研究所の脇田所長との対話の感想
藤江氏による感想。
NHK,武見厚労大臣の変化
藤江氏の目を通して。
【もう隠しきれない】昨日のNHKあさイチ、これは戦略勝ちだと思う。👇
日本国内での大規模集会
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