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ゴマモンガラ ちょぼ先生の自己満おさかな図鑑 vol.67

ダイバーが最も恐れているおさかなである「ゴマモンガラ」のご紹介です。

・標準和名 
 ゴマモンガラ

・漢字
 胡麻紋殻

・学名
 Balistoides viridescens

・分類(仲間分け)
 フグ目モンガラカワハギ科モンガラカワハギ属

・大きさ
 体長60cmを超えるほどの大型種。でも水族館などで見かける個体は、手のひらサイズくらいである。大型のゴマモンガラはもはや化け物である。
 体型はカワハギやウマズラハギのような形をしている。名は体を表すといったところか。
 体色が黄色と黒の奇抜なカラーリングでザ・南方系のおさかなであることが容易に想像できる。口元の模様が、黒い唇があるように見える。これを見るたびに「喪黒福造」を連想するのだが、共感してくれる人はいるだろうか。
 デカいしゃもじみたいなサイズ感である。

・生息地と知名度(認知度)
 神奈川県三浦半島以南の太平洋岸は幼魚が多く、大型種は琉球列島、小笠原諸島の浅いサンゴ礁に生息する。熱帯海域の方がより大型になるようである。
 NHKの「ダーウィンが来た!」に本種が取り上げられたこともあるが、いかんせんマニアックなので知名度は低いと思われる。
知名度を例えるなら、三重県松阪市にある「エスカルゴ牧場」くらいである。

・ちょぼ's コメント
 繁殖期になると、海底の砂地にすり鉢状の巣を作り、卵を保護し、縄張りをつくる。その時に縄張りに侵入すると、侵入者が自分よりも大型であろうがなんであろうと攻撃する。しかも執念深く追ってきて、どこまでもどこまでも追いかける。そしてウニをも噛み砕く鋭い歯で噛みつくのである。
どんな者でも攻撃すると書いたが、それは人間も例外ではない。

 ダイバーが最も恐れているおさかなは、実はこのゴマモンガラなのである。
 迂闊に縄張りに入ってしまった日には、もうそれは恐ろしい結末が待っているので、子育て中のゴマモンガラを見かけたら「とにかく逃げろ!」がダイバーの間では鉄則なのである。
「とにかく逃げろ」、なんかダビスタの騎手への指示みたいだが、もうそれしか方法はないのである。噛まれてウェットスーツが破れてしまったという例まであるくらいだ。

というか人間が何もしていないし、ただ近付いただけなのに、襲ってくる海の生き物はホント珍しい。ゴマモンガラぐらいしか思い付かない。人を襲う海の生き物でみなさんが真っ先に思い付くのは、ホオジロザメだろうが、海に浮かんでいるサーファーがアザラシに見えて捕食してしまった例はあるが、そもそも人間を襲ってしまえ!みたいなことはない。
映画「ジョーズ」は、サメにとって風評被害である。訴えていいくらいのレベルである。

 手のひらサイズのゴマモンガラでさえ、人が近付くと噛み付いてくる。自分の体長と比較して数百倍はあるというのにだ。これを人間に置き換えると、ゴジラに対して裸一貫で喧嘩を売るようなものである。いやはや凄いおさかなであると実感させられる。それだけ子育てに必死ということだろう、母は強しといったところか。

 ネット情報によると、食べると美味らしい。見た目で判断してはいけない良い例である。でも同じモンガラカワハギ科の「メガネハギ」を食べたことがあるが、めっちゃまずかったけどなー笑。
モンガラカワハギ科の中で、ゴマモンガラのように大型化する種は、美味しいのだろうか?
 競り値が安い割りに味がいいことから、おかずにすることが多いなど、うみんちゅ(沖縄の言葉で、漁師などの海に関わる人を指す)からの評価も高いとのこと。

 巨大なゴマモンガラはめっちゃくちゃ引くやろうなぁと想像できる。モンガラカワハギ科のおさかなは、泳ぎが得意そうな形をしていないし、海底付近でじっとしているイメージであるが、けっこう引くおさかなが多い印象である。
 どこにそんなパワーがあるの?といつも思わされる。ダイビングして襲われたら、勝ち目はないので、釣りでいつかガチンコ対決をしてみたいものだ。

※画像はweb魚図鑑から引用

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