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【教育相談】問題行動に関する教育相談の結果、支援に繋がった事例

■児童紹介

 区内の小学校に通うBさんの事例です。
 Bさんは保育園や小学校における集団生活を全く問題なく過ごしており、先生方からも非常にいい子であると認識されていました。
 しかし小学校入学後、家庭では困りごとが目立つようになりました。それとともに細かいこだわりが出始めたり癇癪を起こすようになりました。また保護者は、Bさんの年相応ではない幼い話し方も非常に気になっていました。
このため、教育相談とスクールカウンセラーを同時に利用することとなりました。

■保護者の認識

 保護者は当初、Bさんの問題行動は他の子どもへの嫉妬や不公平感によるものだと考えていました。なぜならBさんの周囲でさくらキッズ通級(情緒障害等の特別支援教室)に通っている子がおり、その子が幼い時より大人たちや親から配慮を受けているのを間近で見てきたためです。
 また、成長するにつれ周囲の大人達から注目されない自分への苛立ちを口にするようになりました。
 このため保護者は、自身のBさんへの接し方も含め教育相談やスクールカウンセラーを通じてアドバイスを受けようと考えました。

■教育相談で明らかになったこと

 教育相談とスクールカウンセラーの面談の結果、どちらからも滑舌の悪さと衝動性を指摘されました。特に滑舌の問題に関しては緊急性が高くできるだけ早い対応が必要と判断されたため、Bさんは次の学期から急遽「言語障害通級指導学級(ことばの教室)」を利用することになりました。
 そこでことばの教室を利用するための発達検査を受けたところ、検査結果の各指標の値にはばらつきがあり、かつ全体的には非常に高い値であったことが明らかになりました。
 Bさんは頭では多くのことを理解できていても、滑舌の悪さなどもあり周囲に思ったように伝えられないことや特有の衝動性から癇癪を起しやすいのかもしれないと考えられました。

■環境整備の結果と繋がった支援

 その後、Bさんは無事に次の学期からことばの教室に通えることになりました。
 また、定期的な教育相談とスクールカウンセラー面談を継続させていくなかで、大人達や親が自分のために話を聞いてくれ環境を整備してくれていることを理解し徐々に問題行動は消えていきました。
 癇癪については、そのきっかけとなりやすいゲームをすべて消して刺激を少なくしたり、休日は必ず半日以上は外で遊んでエネルギーを発散させる等の環境整備を行いました。その結果、以前のような激しい癇癪を示す頻度は減少していきました。
 問題行動は落ち着きつつありますが、今後も継続して教育相談とスクールカウンセラー面談を続けていくとともに、あわせて興味や得意を伸ばすための取り組みに力を入れていく予定です。