読書人間📚『女たちよ!』伊丹十三
『女たちよ!』 伊丹十三(1933年〜1997年.64歳没)
昭和43年(1968年)文藝春秋より刊行
昭和50年(1975年)文春文庫に収録
伊丹十三の、食、車、服、音楽、趣味. . .消費生活。それらを、
別れた妻
そうして
まだ見ぬ妻たちへ
送る願望のエッセイ。
流石、伊丹十三さん。そのこだわりが鬱陶しいくらい書きつけてあります。清々しいですね。どれも一流、高級を知った男のお願い。そのお願いは易しくありません。
"ナイフとフォーク🍴はシルバーでなく金。
運転に興味がない為、運転技術はどうでも良いから気品ある美しい人に運転してもらいたい。そこは男だ女だと言わず大らかにいきたい" お金と自信があるからこそ、数々の要望。
もちろん女性にも裕福である事を求めていらっしゃいます。その時代で自立し、且つ稼ぎも多い条件。大変〜!(でもそれだけ兼ね備えた女性の心を射止める魅力が男性にもないといけませんが)。多才なだけに女たちへの要望もヒマラヤ級です。
今の時代ならバリバリの男尊女卑なるお申し付けも、時代が生んだ文学として読むと面白いです。
逆に「男たちよ!」と、女尊男卑と言われようが求める事を書きつらねた女性作家の本もあったら読みたいです。
▪️『死に至る病』
教訓。
"モテる"と言う物差し。
ザッと要約、
"若い時にこういう物の考え方に慣れてしまうことは実に危い。人生、人を愛することのできない人間ができあがってしまう。ずっと受け身の人間だ。三日間も一人で閉じこもってごらんな。自分がどのくらい人に愛されたいと思っているかわかるだろう。幸せというものが、自分で掴まえるでもなく、人が与えてくれるものであると考えている。そして幸せが破れた時、あいつの幸せの与え方が悪かったのだと女の子と逢ってるさ中にも、もう次の女へと電話する事を考えている。
だから、プレイボーイに憧れるな、男として自信のないやつが、女を数でこなす事によって、自分が男であることを自分に証明しようとしているに過ぎぬのだ"
あゝ、今更だけど頭に入れておきます。
確かにモテたい男性とは気を使うばかりで長く保ちませんでした . . . はー. . . なるほどー。
▪️『ひとつ ふたつ みっつ』
一番、面白かったのは、最後の教訓的こばなし。
伊丹十三さん、やっぱり厳しい〜!結局、願望から逸れると排除するのかー!!
この本の装丁画の意味がわかりました。
それから更に最後、配偶者に求める事項を箇条書きされていますが、実際に夫婦になった宮本信子さんはどうだったのでしょう。素敵な女性なので案外細かい事は気にされなかったのでは?
伊丹十三、願望の妻は、夢のまた夢に終わらず。
カバー装画 伊丹十三(著者自装)
カバー印刷 錦織印刷
デザイン 新潮社装幀室
新潮文庫
解説 池澤夏樹(2005)
🌝声、発声、機能を考える
ボイス・ボーカルレッスン/東京都
音楽療法(医療行為は行わない)の観点からオーラルフレイル、口腔機能、老化防止を意識した呼吸法、発声のレッスンも行います。
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