眠れる紅狼と眠れぬ蒼狼 #9
翌日、目が覚めた時にはすでに萌吹の姿は無かったが、それから1週間程経った夕方に姿を見せた。前回と同じく扉をガンガン叩いて。
「そんなめちゃくちゃやんなくても出るって……」
「わりぃ、結構待たせたと思って、急いで来たんだよ。とりあえず、水かなんか、くれねぇか?」
よっぽど走ってきたのか息の上がった様子の萌吹を見て、ちょうど咲夜も出かけてるし、と散葉は家に招き入れた。
「で、まずお前の状況だが。」
出したコップの水を一気に飲み干し、一息ついた萌吹が切り出す。
「とりあえず命に別