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IMA路子ちゃんのnote「良い先生の探し方」の、
以下のことについて、改めて考えてみたい。

「初心者を教えます。プロを目指す人は教えません。」
そういう先生はできれば避けた方が良いです。
初心者を教える、ということの大きな責任を
自覚できていない先生である可能性が高いです。
MICHIKO ILIEVA 良い先生の探し方

初心者は教えるけど受験生はちょっと…
そういう先生が意外と多いことは、
少し不思議に思っていた。

同業のピアノの先生たちに、
「レベルの高い子や受験生を教えていてすごいね、
私は小さい子しか無理だわ」
と言われたことが何度もある。

私の中で、
初心者=簡単なことを教える
プロを目指す=難しいことを教える
という感覚は、自分の中にはない。

路子ちゃんの言うように、
初心者や子どものレッスンだからこそ、
難しくもあり、
重要だと思っている。

アヒルが最初に見たものを
お母さんだと認識するのと似ていて、
最初に習ったことは、
その子の細胞となる。
身体や思考が発達する前の細胞だから、
その後の成長に大きく影響する。
その期間の指導は、相当な責任が伴うはず。

音楽の学びはカメのように一歩一歩、
じっくり、根気も必要だ。
気分や感情に流されやすく、
集中力もそれほどもたない子どものレッスンは
そんなに簡単なことではない。

子どもとコミュニケーションを取るのも
一筋縄ではいかない。
つたない言葉の中からその子の言いたいことを
読み取らなければならない。
個人差も大きい。
こちらの話す言葉も、
かんたん、かつ、理解してもらえる言葉を
選ぶ必要がある。
ときには、注目を引くために、
面白おかしく、おどけて見せたりもする。
初心者や子どもだからこその
工夫が必要だ。

プロを目指す学生さんであれば、
年齢的にもしっかりしてきて、
自分の意志もはっきりしている。
結局、本人次第のところも大きい。

コミュニケーションは取れるし、
当然学ぶ意欲もあるから、
レッスンもスムーズにいく。
ある程度、経験、知識も持ってくれているから、
1から10まで説明しなくとも、
こちらの言わんとすることを
汲み取ってくれる。

たしかに、専門的な指導には、
音楽的により深い知識やスキルが必要かもしれないが、
それは幼い子や初心者に対してだって、
当然必要だ。

初心者や子ども、
音大に行きたい受験生、
すでに指導者として活躍している方。
どんな生徒さんであろうが、
基礎は同じだし、
開く引き出しの「種類」や「量」を変えている。
ただそれだけ。

この先、もっと真剣に音楽を学びたい、
音楽の道へ進みたい、
となる可能性だってある。
音楽の道へ進まなくとも、
基礎力があり、上達できれば、
幸せに音楽をやっていける。

そのためにも、
未来を見越した引き出し
持っておく必要がある。

無料でYou tubeで自分で学べる時代に、
わざわざ「人」に習いにきてくれている。

見つけた引き出しは、
どんな生徒さんであれ、
共有していきたい。

正直な音楽をみつけていきたい。
音楽好きな一人として、
指導者として、
いつだって新しい引き出しを見つけ、
学び続けている人でありたい。

良い指導者はいつでも学び続けています。
研究し続けています。
学ぶことをやめた人は、成長することをやめた人です。
生徒を良く変えることのできる先生は、
自らも変わり続ける姿勢を持っている先生です。
                         ミチコ・イリエヴァ
MICHIKO ILIEVA 良い先生の探し方


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