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良い先生の探し方

どうやったら良い先生に出会えるの?

これは音楽の道を真剣に歩みたいと思っている人なら、誰しもが抱える疑問だと思います。私も大学院を卒業してからの2年間、今の先生と出会うまで、なにをどうしていいかわからない時期がありました。

音楽というのは人から学ぶものです。たった一人の先生に出会うだけで、音楽人生が劇的に好転することがあります。

大学や研修所などに属したとしても、それはそれで経歴としては残るかもしれませんが、それだけでは自分が大きく変わることにはなりません。

人は人に出会っていくことでしか変われません。

どうすれば、音楽家としてのレベルを引き上げてくれる先生に出会えるのか?どういう先生に出会っていくのが良いのか?先生選びで気をつけたいこと、間違いやすいことを書いていきます。

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初心者こそ、先生選びは慎重に!

まだ初心者だからそこまで慎重にならなくても良い。そんな風に思う人もいるかもしれません。けれども、習い始めに覚えたことは、その後の音楽人生に良くも悪くも大きな影響を及ぼします。その後の道を決定づけるほどに、大事な時期であると言えます。

ここで正しい基礎を身につけることができなければ、そこから先で学ぶことは全く意味がなくなってしまいます。土台がなければその上に家は建ちません。

基礎を学ぶということは、決して簡単なことではありません。慣れないことにフラストレーションを感じることもあります。けれども、ここでしっかりと基礎を身につけることができれば、そこから先の道はうんとスムーズになります。

基礎は音楽のすべてです。基礎がその先の音楽人生をつくっていくのです。

初心者を教えます。プロを目指す人は教えません。という先生もいますが、そういう先生はできれば避けた方が良いです。初心者を教える、ということの大きな責任を自覚できていない先生である可能性が高いです。良い先生であれば、初心者を教えます、とはあえて言いません。

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合う合わないは重要ではない!

厳しい先生は嫌だ。優しく楽しく教えてくれる先生が良い。それらは、音楽を本当に学びたいのであれば重要なことではありません。重要なのは、その先生が実際に教えてくれる先生かどうかです。

自分が良く変わっているかどうか。
演奏技術が上達しているかどうか。
今までと違う世界を見せてくれる先生かどうか。
音楽家としてのレベルを引き上げてくれる先生かどうか。
あまり良く変わっていないと感じるならば、それはなにが原因なのか。

これらのことは、常に自分に問いかけてみる必要があります。場合によっては、早めにその先生から離れた方が良いこともあります。生徒の自信を失わせる先生や、権威を使って生徒を従わせるような先生からは、いうまでもなく離れた方が良いです。

先生は神様ではありません。先生に遠慮したり、先生との確執を恐れて自分の貴重な時間を無駄にすることほど、残念なことはありません。音楽を学ぶという本来の目的を見失わないことです。

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有名な指導者、大学の先生が良い指導者とは限らない。

有名であることと、良い指導者であることは別の話です。実際に、良い音楽家を育て上げる指導者たちの中には、有名でもなければ、音楽大学で教えていない人も多くいます。

私が大学院を卒業したあと、その先のステージへ進むための先生を探していたとき、ニューヨークで有名な大学教授たちのレッスンをたくさん受けました。けれども1年以上が過ぎても、この人だ!という先生には出会えませんでした。

それからしばらくしてフランコ先生に出会いました。そこで分かったことは、いくら知識が豊富でも、その知識を指導に使えるかはまた別の話なんだ、ということです。たとえ同じようなことを言っていたとしても、生徒を一瞬で変えてしまえる先生と、ただ知識を話しているだけの先生がいます。大学の先生には、知識の豊富な先生が多くいますが、それと、教えられる先生かどうかは別の話だということです。知識に惑わされず、本当に教えてくれる先生かを判断することは大事なことです。

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どんな先生が良い先生?

良い演奏家であること。
良い先生であるためには、その先生が良い演奏家であることはとても大事です。歌の場合は、自分が実際に実演できなければ、それを教えることもできません。実演できないということは、聞き分けられる耳を持っていないということだからです。先生は聴くのが一番の仕事です。

大きな変化を体験したことのある人。
良い先生の多くは大きな変化を体験していたりします。それはつまり、音楽家としての転換期を乗り越え、ステージを上げながら進んできた人たちです。比較的順調に音楽家として成功をした人よりも、挫折やうまくいかない時期を経て、たくさんの気づきや学びを獲得した経験のある先生の方が、そのプロセスの歩み方を知っている分、良い指導者であることも多いです。

常に学び続けている人。
良い指導者はいつでも学び続けています。研究し続けています。学ぶことをやめた人は、成長することをやめた人です。生徒を良く変えることのできる先生は、自らも変わり続ける姿勢を持っている先生です。

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人間付き合いのできる先生

日本には上下関係がはっきりと存在し、先生と生徒の間にも距離があります。これは音楽を学ぶ上では実は弊害でもあります。人と深く関わることなく、音楽を学ぶことはできません。音楽を学ぶということは、音楽家としての生き方、考え方、あり方にまでも関わることだからです。

それは依存することとは違います。むしろその逆で、本当に教えてくれる人の元で学ぶと、自分の中に力が湧いてくるのが分かります。自分に力を取り戻し、自分の足で歩んでいけるように指導してくれる先生こそが、本当に良い先生と言えるのだと思います。

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先生選びは、決して妥協してはいけません。そして、自分が本当に望めば、時間はかかっても、必ず良い先生に出会えると思います。あきらめないことです。

最後まで読んでくださってありがとうございます。


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