Chie Aikawa

日英ソーシャル系通訳、GiFTダイバーシティ・ファシリテーター。大好きなのは語学、旅、…

Chie Aikawa

日英ソーシャル系通訳、GiFTダイバーシティ・ファシリテーター。大好きなのは語学、旅、食べること。 2023年9月にドイツの大学院を無事卒業し、教育学修士に。TOEIC 990点満点達成者、ゲーテ・ドイツ語検定試験C1。かじりかけの語学多数。キャッチコピーは「魂の通訳」

最近の記事

AI翻訳と人力翻訳

私が言葉を訳すことと、機械に翻訳してもらうのと。何が違うんだろう。 最近の翻訳は本当にすごい。DEEPL とか、Chat GPTとか、その両方を組み合わせるとか。論文やレポートなどのフォーマット化してある書き物なんかは、概要をつかむのが目的であれば、問題なく理解できます。 DeepL社はケルンに本社を置くこともあってか、ドイツ語英語間は特にスムーズ。ドイツ人の大学院の同級生に見てもらった時も、「ほぼ完璧に訳せている」と言っていました。 文法的にも両語は兄弟もしくは姉妹みた

    • のびのびとツッコミの間

      夏休み、ひっそりと日本に一時帰国していました。 (家族の体調を鑑みて、予定をいっぱいに入れないように、あえて大々的にお知らせすることなく、「ひっそり」と帰っていました。ご挨拶できなかったみなさま、大変失礼いたしました。) この一年、病気とか円安とか円安とか円安とかで我慢していた消費活動が暴発したように、いろいろやりすぎてしまいました。 まるでダイエットのリバウンド。 それはさておき、やはり一年ぶりの帰国だと、いろいろ違いが目に付きますね。 今回感じたのは「公共の場での禁

      • 学校も働く人も、とにかくよく休むドイツ!

        ドイツは日本と似ていると言われます。双方とも規模の大きい国で、重工業が盛ん。気質も真面目で勤勉、時間を守ることに重きを置く、とか。 住んでいても、ああ似ているなあと思うこともあり。かたや全然違うなあと思うこともあり。(*個人の感想です) 確かに学生時代に住んでいたベルギーやデンマークとものすごくざっくり比べると、共通点は多いのかと感じます。 (ベルギーは人口一千万ちょっとと規模も小さめの国で、多言語国家であまり統一性や愛国心がないです。デンマークは600万人弱で、北欧のフ

        • シュタイナー系大学院のカリキュラム

          修士課程での私の専攻は、先にも書いた通り「教育・社会・セラピー的職業分野における実践研究」。個々が自分の専門分野での知見に基づいて卒業論文をまとめるのが、このコースのゴールでした。 では、そこまで至るまでのカリキュラムは、どうだったのでしょうか? 卒業証書についてきた記述書(EUで統一の書式がある)によると、 「8日間の集中講義9回、4日間の集中講義3回、週末講義16回に加え、週に約15時間の自主勉強を必須とする自律的学習のコースである」 と書いてあります。 しかし、あ

        AI翻訳と人力翻訳

          言葉はツールでしかないのか

          大学院とは一旦離れて、本業の通訳・翻訳に関するテーマなどひとつ。 外国語教育の周辺で、言葉はツールでしかない、という話を聞いたり、読んだりすることがあります。 これにはかねてから引っかかっていたので、ちょっと真面目に考えてみました。 「英語はツールでしかない」   よく耳にするフレーズですね。 どこが気になるのか探ってみると、「でしか」の部分だと思います。 言葉は確かにコミュニケーションにおけるツールです。 大切な道具のひとつではあります。 ただし、「ツールでしかない

          言葉はツールでしかないのか

          学歴社会って

          日本は学歴社会といいますが、ドイツもそうです。ただし、見られるのはどんな良い大学を出たかというよりは、どの学位を持っているか。 詳しく言うと、大卒なのか、院卒なのか、博士号を持っているのか。 就職や転職の際に最終学歴をじっくりと見られます。そして、先方が必須とする学位がないと検討もしてもらえないようです。このしばりは日本より厳しいのではないか、というのが私の体感です。 大学院で出会った多くのクラスメイトも、院を卒業する約束で今のポジションについていたり、修士を取らないと

          学歴社会って

          自分のテンポで進んでいくこと

          2024年おめでとうございます。 昨年は修論提出、無事大学院卒業(パチパチパチ)に続いて秋から年末まで自分を含めて家族の病気が続き、完全なアンチクライマックスでした orz めげずに今年もぼちぼち書いていきます。 どうぞよろしくお願いいたします。 遅れた新年ネタ?として、学びのテンポについて少々。 ドイツの学校には留年があります。それも小学校の1年生から。 留年、とはいわず、「学年を繰り返す」という言い方をします。 何年生であっても、勉強が追いついていない生徒は1年丸

          自分のテンポで進んでいくこと

          社会人大学院で出会った同級生たち

          私が入学したのはアラヌス芸術社会大学院の修士プログラム。ドイツでは修士はたいてい2年で取れるのですが、このプログラムは週末と年に2-3回の集中スクーリングからなる社会人向けのコースなので、3年かかります。 専攻の正式名称は「教育・社会・セラピー的職業分野における実践研究」。長い。 ちなみにドイツ語だともっと長くて、Praxisforschung in pädagogischen, sozialen und therapeutischen Berufsfeldern笑。早口

          社会人大学院で出会った同級生たち

          入学までが大変!だった大学院

          なかなか入学しませんね汗 終わってしまえば何ということのない、だけどその時はなかなか時間と手間がかかった入学申請について。 どこの大学院もたいてい同じとは思いますが、主な必要書類は語学力の証明(うちの大学ではゲーテのC1レベル)、高校の卒業証書、大学の卒業証書と成績証明(トランスクリプト)、志望動機書、でした。 ドイツ語C1は合格ギリギリラインだったけど受かりたてだったので問題なし。 やっかいだったのは、高校の卒業証書です。日本語で書かれているのをドイツ政府認定の翻訳

          入学までが大変!だった大学院

          大学院進学の決め手

          以前の記事にもちょこっと書きましたが、大学院進学の決め手のひとつには、アラヌス芸術社会大学がシュタイナー教育をベースにした学校という背景がありました。 私は30年以上前、まだ受験戦争華やかな頃に、日本のオルタナティブ教育のはしりのような高校に行っていました。校則もテストもなくて、先生と生徒が対等に話す関係性の学校です。 当然「普通」の受験勉強もなくて、卒業生には留学する子が異常に多かったです。私もその一例ですね。 ヨーロッパに留学した卒業生がするシュタイナー教育のワーク

          大学院進学の決め手

          修士論文提出しましたーーー!

          6月初めからようやく本格的な執筆を開始した修論、8月終わりに無事提出しました。※データ収集と分析は春先からやってました。念の為補足。 その間に(とっても素敵な)スイス出張やら(とっても大変な)一時帰国やらいろいろあって、さらに日本からタチの悪い風邪を持ってきてしまい、最後はメタメタでしたが… 全チャプターを奇跡的に書き終え、期限以内に出せたのです! わーい。パチパチパチ。 ご協力くださった方々、本当にありがとうございました。 といっても、ドイツの大学院でしかも社会人コ

          修士論文提出しましたーーー!

          海外移住と大学院進学

          大学院に進学してよかったことはもちろん、たくさんあります。  私の場合は特に、海外に移住して比較的早い段階で大学院に行ったということが大きなファクターでした。 所属する場所ができた 自分の留学や就職で海外に出たのでない場合、居場所を確保するのが一仕事です。私の場合は夫の現地就職に伴っての渡独だったので、特に 私のために用意されている場所はありませんでした。 最初の1年はそれこそ統合コースと語学学校に通っていたので、まあそこそこやることはありました。あとは子どもが現地に

          海外移住と大学院進学

          大学院、行くの?行かないの?

          大学院に行きたいと、かねてから思っていました。思えばいつからだろう? 学部を卒業するときにも考えはしました。ただ、大学に行くまでに3年ほどギャップイヤーを取っていて周りより大分年上に感じていたので、まずは仕事を持って独立したかった。なので直接進学はせず。  ちなみにこの大学はベルギーで、卒業後は今の夫と一緒に住むためにドイツに渡っています。就職してないじゃないか笑 その次は日本に帰って通訳の仕事を始めて少し経った頃。フリーで落ち着いてきて、実際に大学院の見学にも行きまし

          大学院、行くの?行かないの?

          こんにちは、あいかわちえです。

          誕生日を記念にNoteを始めることにしました。 ドイツに住んで4年。これまでの人生では珍しく主に家庭の人をしていました。それに時々仕事したり、社会人大学院に通ったり。 日々の生活や旅の中で面白いと思ったネタを共有していこうと思います。 ちえってだれ? 本業は日英ソーシャル系通訳です。Interprete for changeをモットーに、対話の場とか、ワークショップ、講演でスーパーサブとして飛んでいって日本語や英語でささやいたり話したりしています。NPOとか社会起業とか

          こんにちは、あいかわちえです。