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【選挙ウォッチャー】 参院選2019・神奈川県選挙区レポート。

オープニングから、さっそくこんなことを書くのはどうかと思いますが、参院選・神奈川県選挙区はカロリーがめちゃくちゃ高いです。いつかは必ずお届けしなければならないわけですし、どうせ頑張って完成させなければならないわけですから、1月13日まで選挙の取材がお休みのタイミングでゴリゴリに書き進めていくしかありません。神奈川県の定数は4ですが、泡沫候補ばかりではあるものの14人も立候補しているので、人数の上では大激戦であると言えます。ただ、一人ずつを見ていくと、現職の島村大さん、牧山弘恵さん、佐々木さやかさん、松沢成文さんは強敵です。新人で戦えそうなポテンシャルを持っているのは共産党の浅賀由香さんぐらいであり、自民、立憲、公明は組織票がしっかりしているので、実質的には「維新vs共産」の戦いだと言ってもいいかもしれません。

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乃木 涼介   54 新 国民民主党
佐々木 さやか 38 現 公明党
相原 倫子   58 新 社民党
壹岐 愛子   33 新 幸福実現党
澁谷 貢    82 新 無所属
森下 正勝   75 新 無所属
圷 孝行    69 新 労働者党
牧山 ひろえ  54 現 立憲民主党
林 大祐    43 新 NHKから国民を守る党
加藤 友行   55 新 安楽死制度を考える会
島村 大    58 現 自民党
浅賀 由香   39 新 共産党
松沢 成文   61 現 日本維新の会
榎本 太志   41 新 オリーブの木

この神奈川県選挙区は、かなり体を張って取材をしています。幸福実現党の取材の時には「ビバ!エル・カンターレ!」みたいな感じで、信者と間違えられながら取材をしましたし、ポストN国になりつつある「オリーブの木」も取材しています。現地に行かなければ伝わらない情報をふんだんに取り揃えておりますので、かなり面白いレポートになっているのではないかと思います。


■ ポストN国「オリーブの木」の候補

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今年の参院選から登場した「オリーブの木」は、元衆議院議員の小林興起さん、元レバノン大使の天木直人さんらが中心となって集まった政治団体の集合体でした。ところが、小林興起さんや天木直人さんは代表を辞退し、出馬を取りやめ、黒川敦彦さんが新代表となって参院選に挑戦しました。どのような経緯があって黒川敦彦さんが新代表を務めるようになったのかという話は誰も語っていないので、完全にベールに包まれているのですが、いずれ誰かが話をしてくれることでしょう。さて、「オリーブの木」の選挙戦略は非常にダサく、見ていて痛々しいものがありました。神奈川県選挙区から立候補した榎本太志さんは、駅前に椅子とテーブルを用意し、これを「オリーブカフェ」と称して、通りすがりの一般ピープルを座らせ、拡声器で対談しながら、その様子をネットで中継するという選挙戦略を取っていました。「いくら世の中に対していろんな不満を持っていたって、オマエなんかに相談しねぇよ!」という話ではあるのですが、榎本太志さんは一般ピープルの悩みを聞いて「私にお任せください」のスタイルではなく、世の中に特有の陰謀論を織り交ぜながら講釈を垂れるスタイルで、「どうしたら経済が回ると思いますか?」などと質問し、通りすがりの一般人が「こうすればいいんじゃないですかね」と意見を述べると、カブせるように「違います!」と言ってしまう男でした。

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そりゃ一般人なんだから、時にトンチンカンな答えを言ってしまうこともあるかもしれません。だとしても、頭ごなしに「違います!」から入ったら議論になりません。「そういう意見もあるかもしれないけど、私はこういうことがやりたいんです」と、自分の政策を納得してもらった方がよっぽど価値があると思うのですが、他人を否定して自分の意見を述べるスタイル。こういう奴は議員に向いていません。こんな地獄絵図でしかない「オリーブカフェ」なんていう企画をかまし、蓋を開けてみれば、NHKから国民を守る党はもちろん、75歳の無所属の爺さん、幸福実現党、安楽死制度を考える会よりも票が取れないって、どんだけスベった選挙戦略をすれば、そんなことになるのでしょうか。

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これだけ致命的にセンスがないので、しばらく「オリーブの木」が大きくなることはないと見ているのですが、それでも地方議員を生み出す可能性は十分にあります。NHKから国民を守る党というクソのせいで、ろくすっぽ街のために働く気のないニートでも、ワンチャン議員になれるかもしれないことが証明されつつあるからです。各地でNHKから国民を守る党をマネしてアホが続々と立候補してしまう現象は、これまでにお届けした奥多摩町議選小美玉市議選を見ていただければわかると思います。これから「オリーブの木」が続々と地方議員を生み出し、ポストN国になる可能性は十分ある。だから、今後も「オリーブの木」は監視していかなければならないと思っています。ちなみに、もしNHKから国民を守る党が信者も気付くぐらいのオワコンになったら、このN国信者たちはどこに行くのか。僕は「オリーブの木」に行くと思っています。多くの政治評論家が「れいわ新選組」「NHKから国民を守る党」の親和性の高さを語っているのですが、僕は「れいわ新選組」より「オリーブの木」の方が親和性が高いと思っています。というのも、N国信者たちにとって「れいわ新選組」はストイックなのでハードルが高いと思うのです。ストイックに何かをできるメンタルがあればN国信者になっていることなんてないからです。オリーブの木を支持する一定数が増えた時には、これはこれで面倒臭いことになると思うので、黒川敦彦代表がどのような一手を打ってくるのかは、しっかりチェックしていきましょう。


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