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全員発表には列指名が便利 ワクワク文字練習② ノーマル編(後)

今回は、ワクワク文字練習 ノーマル編の後半。(『ノーマル編(前)』はコチラ。)

前半の個々人が練習帳に『き』を書く時間が「静」の時間なら、後半の自分が見つけた「『き』で始まる言葉」を発表する時間は「動」の時間。上手くすれば盛り上がる。でも、ここにも危険がある。

なぜなら、発表するこの時間は、どうやっても順番待ちが生じる。ここでダラダラしたら即アウト。

待てないAタイプは「まだ?」「もっと言わせて!」
集中型Bタイプは順番待ちで早くも夢想の世界に突入。
発言が苦手なCタイプなら「はやく、この時間終わらないかなぁ……」
『タイプ別 こんな時、こんな子が悪魔に狙われる』


こうして悪魔があちこちに出没する事態となる。発表の時間は、超危険地帯なのだ!

授業って、危険地帯しか無いんですか?

そうだね~。日々が悪魔との戦いだよ。

ここは、悪魔払いの技を駆使して、キッチリやることがラクする秘訣。(『悪魔払い 2つの極意』)

じゃあ、どんな技で、全員を発表に集中させる?

1、列指名を使って全員に発表させる。
2、子どもたちが発表した言葉(単語)を全て教師が黒板に書く。
3、全員の発表が終わった後に、再度、発言したい子を指名する。


この3つを使って、子どもたち全員を授業に集中させる。

なぜこの3つなのか。順に説明。

1、列指名を使って全員に発表させる。

列指名は、列を定めて、順に発表させる方法だ。特に珍しいものでは無い。でもね、これも教師になってから知ったよ。大学では教わらなかったな。

列指名は、次の①②の点で優れている。

①待ち時間を極力短くできる→全員に発言の時間を保証できる。

列指名は、子どもに挙手させない。教師が指名しない。「はい」「はい」と手を挙げる時間、「まなぶくん、どうぞ」という指名の時間を無くすことができる。

例えば「廊下側の一列起立。前から順番にどうぞ。」と言って列指名する。発表した子から着席させる。一列終わったら「隣の列、起立」でいい。

列指名なら、一気に全員に発表させることができる。「なんだよ。考えさせといて何もなしかよ」という不満は出てこない。これ、大切。

②順番が見える。子どもたちは納得して待てる。

起立→発表→着席の流れが目に見える。「あとどれくらい待てばいいか」が目に見える。歩行者信号で「あとどれくらい」という残り時間が表示されるアレと同じ。待てないAタイプでも、目に見える短時間は待てる。納得する。「もうすぐオレだ」とトッテオキの発表を用意をして待っている。

待ち時間が短く、順番が目に見える列指名は、待つのが苦手なAタイプを退屈させない。(『タイプ別 悪魔から子どもたちを守る方法』)

しかし、列指名だけでは足りない。
短時間でドンドン発表すると、聞いている側はドンドン忘れる。「ソレ、さっき出たよね?」と曖昧になってくる。そうでなくても忘れっぽいヤツはいる! 途端に興味を失うヤツがいる! 緩んだら悪魔が来るんだってば!

だから1の列指名と、次の2をセットに使う。

2、子どもたちが発表した言葉(単語)を全て教師が黒板に書く。

ドンドン発表するのにあわせて、教師は黒板にバンバン書く。

黒板に書いてある。既に発表された言葉が見える。これ、重要。

発表された言葉全部を聞いて覚えておくなんて、順番が後になる子には大きな負担。書いてさえあれば、それで全てOK。(注1)

そうすれば「言われちゃった言葉」が確認できる。逆に「まだ言われてないぞ」も分かる。順番が回ってくるまでに「ヤバい! 他に無いかな」と考えることができる。もちろん「全部言われたギブアップだ」もできる。

加えて言うと「出ました8文字、最高記録!」「小学1年生にしては渋い!」など、子どもの発表に教師が瞬時に反応すれば、黒板に書く時間を稼ぐと同時に子どもたちを飽きさせない技となる。

発表時間の楽しさ倍増は、教師の腕次第!

これとは別に、大勢の中には、発表が苦痛な子がいる。吃音や構音障害で発表に苦手を感じている、間違えるのが不安で緊張しやすいなど、理由は様々だ。

でも「『き』で始まる言葉」のように単純な課題で、何を言うか自分で決めて用意できればハードルが下がる。短い数音の言葉なら声にしやすい。

また、緊張しやすい子どもたちのためにも、教師は明るく「来た! 『きんてつせん』まさゆきくん得意の電車シリーズ!」などと言いながら授業を楽しくする。いや、実際、楽しいんだよ、コレが。(注2)

最後に、タイプABを更に活躍させ、授業を面白くするのが、3つめ。

3、全員の発表が終わった後に、再度発言したい子を指名する。

「どうしても発表したい言葉がある人はいますか」「どうしても気になることがある人はいますか」

このような活動を準備しておけば、発表を終わった子たちも、黒板を見ながら授業に集中することができる。
「アレをまだ誰も言わないな」と友達の発表を最後まで集中して聞くことができる。「アレってもしかして」と黒板を見て考えることができる。(注3)

これで子どもたちは最後まで授業に集中する。
子どもたちたちに悪魔が近づく隙はない。

さぁ51音、まだまだ続く!
悪魔の魔の手から逃れて見せるぞぉ!
次回、イケイケ準備編


(注1)子どもたちが発表した言葉を全て黒板に書くのは【悪魔払いの技B】だ。
【悪魔払いの技B】いつまでに、なにを、どうすればいいのかハッキリさせる。
黒板を見て、順番を待つ子どもたちは、発表する言葉を考えて決めることができる。
実は、黒板にどう書くかにもコツがある。それも次回に説明。

(注2)簡単な言葉(単語)を発表させるという技は【悪魔払いの技C】だ。
そして、発表しやすい環境作りも含めて【悪魔払いの技C】と言える。
【悪魔払いの技C】課題ができるように、道具や課題の質(内容)や量を工夫する。

(注3)この3の時間を作ることが【悪魔払いの技A】だ。教師に「考えなさい)と言われずとも最後まで「他に面白いの何かないかな」と考えるようになる。
【悪魔払いの技A】課題が終わったら、終了時刻まで取り組む別の課題を与える。

【参考】《 言葉探しの禁止ワード 》
●人名、地名はダメ:木村太郎、木村次郎「ほんとにいるよ」と言われても困るんだよね。木更津・北池袋くらいの地名は知ってるけど、そこ突入すると一部のBタイプがヤバい。日本中の駅名が次々に並んじゃう。
●つなぎ言葉はダメ:キュウリのキュウちゃん、キムラやのパン。こーゆーの無しね。
●お下品はダメ:予め禁止しておかないとAタイプが連呼するようになる。予めのストップが大切。

何度か発表させていると他のお約束も出て来るけれど、それもまたイケイケ編以降で説明します。

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