可愛らしい古伊万里たち!@戸栗美術館
こんにちは、ちあきんぎょです。
少し前になりますが、東京・松濤にある戸栗美術館で開催している「古伊万里幻獣大全展」へ行ってきました。
戸栗美術館は、実業家の戸栗亨氏が蒐集した伊万里・鍋島などの肥前磁器、中国・朝鮮の陶磁器を主に保存・展示しています。
戸栗氏は、もともと古民具や小道具を集めていたのですが、知り合った下條啓一氏らの勧めで陶磁器に傾注するようになったのだとか。
今回の目的
今回のわたしの目的は、古伊万里を見ること!(当然!)
古美術商のお取引先さんから、古伊万里コレクターの瀬川竹生氏のコレクションについて教えていただき、『「図変り」大皿の世界 伊万里 染付の美』という本を頂戴しました。
わざとらしい付箋たちは置いておいて、、
まぁ、なんて素敵・・・と、惚れてしまったので、身近で見ることのできる戸栗美術館へお邪魔させていただきました。
わたしが「いいな」と思った陶磁器などのご紹介です!
※ 使用している画像は、注記がない限り戸栗美術館編集発行の「古伊万里幻獣大全展パネル資料集」のものです
展覧会概要
伊万里のモチーフとしてしばしば描かれた幻獣がテーマ。
可愛らしくて、キャッチーですよね。
四神なんかも登場するので、アニメやゲームが好きな方はテンションの上がる展示会です(わたしも含め)。
虎(寅)
創設者の戸栗亨氏は寅年の生まれだそうで、虎が描かれたものを意識的に集めたそうです。
戸栗美術館のロゴマークは、「染付 竹虎文 捻花皿」に描かれた虎がモチーフとなっています。
古代中国では虎は魔除けの力を持つとされてきました。
日本では主人を守る勇猛な動物として扱われました。
竹林に棲むとされることから、竹虎文として描かれることが多いようです。
口径53.6cmの大皿です。
なんと、瀬川氏のコレクションの中にも同じ絵柄の古伊万里がありました。大きさもほとんど同じ。同時期に、同じ窯が作ったのでしょうか?
獅子
獅子は、ライオンを元に創造された瑞獣です。
力強いイメージから辟邪の動物とされました。
絵画、工芸品では、獅子は牡丹と組み合わされて描かれることが多いようです。
この置物は力強いイメージはどこへやら。困り眉毛がとっても愛らしい。笑
鳳凰
鳳は雄、凰は雌を指し、雌雄が揃って飛び、鳴き声を発することが天下泰平の瑞祥とされました。
子どものころ、よく花札をして遊んでいました。
12月生まれなので、花札の12月札「桐に鳳凰」が好きで、鳳凰はわたしにとって特別感のある存在です。
さすがに天下泰平を願うほど大それた人間ではないですが、夫婦円満が永く続いたらいいなと思います。笑
亀と鶴
鶴は千年、亀は万年。長寿を祈る吉祥文様です。
(亀の画像がなくてごめんなさい)
こちらの古伊万里も、瀬川氏とほぼ同じ大皿がありました。
絵柄はまったく同じ。大きさが少々違うようでした。
鯉
鯉の滝登りはその後、龍になる立身出世の縁起物です。
わが家には可愛い金魚たちがいます。
金魚と鯉はそう遠くない親戚だと思いますので、鯉の柄が描かれた大きな壺を見た瞬間、マスクの下でにんまりしてしまいました。笑
戸栗修氏
戸栗美術館の第二代目の館長さんです。
運営元の公益財団法人戸栗美術館の代表理事も務めています。
陶磁器に造詣のある方で、修氏が蒐集した作品もあるようです。
先代亡き後も関心を持ちながら美術館を引き継ぐのは素晴らしいな、と思います。
最後に。
渋谷区松濤の高級住宅街の中に、静かにも堂々と構える美術館でした。
小ぶりではありましたが、伊万里焼についての説明展示が丁寧にされていて、毎月学芸員さんがテーマを決めた展示(学芸の小部屋)があるなど、随所に温かさを感じました。
大きな窓から眺めることのできるお庭も情緒があり、ゆったりとした時間を過ごさせていただきました。
近辺には、Bunkamuraミュージアムや松濤美術館があります。
渋谷の喧騒を抜けた先のアートの時間をぜひ味わってみてください。
「古伊万里 幻獣大全展」は3月21日(月・祝)までです!
リンク集
最後までご覧くださり、ありがとうございます。
わが家の金魚の様子をYouTubeでお届けしていますので、もしよければ見てみてください。(宣伝)