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#小説
掌編小説 岐阜とベルちゃん
何回も失敗し、やっと召喚した悪魔ベルゼブブは薄黄色の体に真っ赤な複眼を持っていた。
晶子は想像していたのとは違うタイプの悪魔が現れたことに少し驚いたが、悪魔界にも都合があるのかもしれないと折角召喚したベルゼブブもどきを肯定的に見ようとした。
(これはアルビノ種なのかもしれない、悪魔のアルビノっているのかな。)
じっと体を見つめられていることに気付いたベルゼブブは「何見とんのじゃ。そこの女子。
掌編小説 ハリボーゴールドベア
昨日さ、ハリボーの熊のグミが98円(税抜)で売ってたからさ買って帰ったの
とことこ大勢で歩いてくるからさ
参ったなと思って、だってうち狭いから
あいつら食っちゃろって思ったけど朝起きたら一匹もいないのよ、逃げ出してたわけよ
だからハリボーの熊をみかけましたらお気をつけくださいって回覧板まわしたよ
小説 カフェインpart12
木下の話をきいて頭の中にパッと浮かんだのはそんな短い物語だった。つまんねぇー、こんなくそくだらないありふれた話、何の賞にもひっかかんないぜ。カフェインそうだろ?もっとへんてこで奇妙な話を読者は望んでいる。あんたとしても納得しないだろう。
カフェイン、小説書くのって難しいんだね。面白いものさらさら書けるもんだと誤解してた。わたしってば平凡な脳味噌しか持っていないよ。
五年前すでにカフェインは病気を発
小説 働かなきゃいけない日本で勤まる職業はないと思ったひとのためのバイエル
勤労は日本人の義務であるらしい。
不思議だ。
なぜ働かなきゃいけないのだろう。
お金、生き甲斐、さまざま理由はあるけれど働けない人種はいる、と思う。
大きな声では言えないが、僕もその一員だ。すべてが怖い、住んでいる団地の排水溝が老朽化したコンセントが。
仏壇の線香の炎が我が家のごみに引火し、隣家の山田さん宅まで燃やし尽くしてしまうのではないかと怖い。
不安で家から出られない。よって働きに出られない