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🤱【あなたの為を思って】という罠〜催眠術

前回⤵️

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前回、私を治す為に母がいろいろなことに手を出したと書いた。
母は私に対して「正常な子ども」という独自の基準を当てはめたかったのだと思う。
私は見事にそこから外れていた、ということなのだろう。
でも、どうして?
妹は泣いてもよくて、私は我慢しなくちゃいけないの?
弟の怪我には絆創膏を貼るのに、私は我慢しなくちゃいけないの?


物心ついたときから、人中(鼻の下の窪み)辺りを指で横方向に摩ると、気持ちが落ち着いた。
触れるか触れないかくらいに軽く摩るので、傷がついたり出来物ができたり赤くなったりすることはない。
やらずにはいられない訳ではなく、やると気持ちが良いからやっていた。


たまに喉を鳴らしていた。
喉の奥から鼻に向けて空気を抜く感じかな?
咳払いというほどではないけれど、自分以外には「んふ」と聞こえていたようだ。
癖といえば癖だけど、どちらも「やっている」という意識はあったし、指摘されれば止めることができた。

母からは「ほらっ、又やってる」「気持ち悪い」「やめなさい」と頻回に怒られた。
「やりたいからやっている」ということが、何度訴えても母には伝わらない。
怒られると余計にやりたくなることが、母には解らない。

「注意された」でも「叱られた」でもなく意識的に「怒られた」と書いている。
母は躾のつもりだっただろうけれど、突然頭の上から降ってくる尖った声は「怒られた」以外の何ものでもなかった。


妹は指吸いがなかなかやめられず、親指には吸いだこができていた。
起きているときも眠っているときも吸っていて「カルピスの味がする」と言っていた。
「末っ子で甘えん坊で我儘で言い聞かせても仕方ない」から、母にとって「治す」対象ではなかったようだ。


母が私たち3人を連れて電車を乗り換えて向かった先は、斜視の男の人がいる会議室のような部屋だった。
習い事のときもそうだったが、母は何処に何をしに行くかを事前に教えてくれない。
斜視のおじさんから話しかけられても視線が合わず、顔のどこを見ればいいのか判らなくて緊張した。


横並びに間隔を空けて置いたパイプ椅子に座らされた私たちは、目を瞑りおじさんの声だけを聞くように言われた。
「はい、体が前後に揺れ〜る揺れ〜る……」
おじさんの声を一所懸命に聞いても、私の体は揺れない。
薄目で隣の弟を観ると、ゆらゆらしている。
ここで揺れないと帰りに母から怒られると思い、慌てて少し揺れてみた。


おじさんの所に行ったのは1回だけ。
何故だか私は、弟のために行ったと思い込んでいた。
家では5円玉に紐を通したものを、母が私の目の前で揺らして、じっと見るように言った。
見たところで体は揺れもしないし、何も起こらないのだけど。


大人どころか子持ちになってから母に言われた。
「ちゃりれれちゃんは小さいとき、本当に大変だったのよ。
チック症まで出て、治すのにいろんなところへ連れて行ってあげたわ」
指を人中の辺りにもっていくのも喉を鳴らすのも、無意識に勝手に出る症状じゃない。
母が怖くて、やると落ち着くから意識してやっていたのに……
チック症を治すために、催眠療法に連れて行かれていたことを初めて知った。



オマケ、少し前のXの引用リポスト
こんなに素敵な勘違いをしてくれたら
ぜーーーーーーーーーーーーーーーったいに
顔出しなんかできないよねぇ〜
これはスクショなので「さらに表示」を
クリック、タップしても続きは読めません




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