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エッセイ集

16
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#詩

汚れてしまえ

汚れてしまえ

どんなに幸せにしても
君の白目はまっしろなの
それが美しくて
憎くて
憧れで
君のからだから引きちぎって
今日に掲げて
未来へ駆け抜けていきたい
そうすればこの目も汚れてぼく色になる
キラキラな未来も
汚れてしまえ

茶埜子尋子

ポエムの主人公になりたい、って話

ポエムの主人公になりたい、って話

ながれ星に乗って旅をしたり

(首元がリボンできゅっとなってるワンピース着て)

都会が見渡せる窓にブランコみたいに腰掛けて夜にかえる光をみつめたり

(傍らには珈琲、カラフルな部屋のソファーに茶トラの猫が眠ってて)

古いピアノがある教会で17時になったらトロイメライを弾くおじさんに出会って毎日通うようになったり

(イメージはイギリスの田舎町の鄙びた教会、少しずつ教えてもらって弾けるようになっ

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メガネ革命

メガネ革命

ふと思った
って言うか、
言葉になった
っていうか

色眼鏡を付けた方が綺麗にみえるって

夏に母の実家に帰って、
いとこ達と遊びに出かけた時のこと

2台か3台で行って、
わたしは兄貴の車に乗ったんだ
助手席

はい、って

Ray-Banの青色のサングラス

えーかっけー、こんなの持ってんだ
しゃれてるね

やろ

兄貴は別の黒いサングラスをかけた

ちょっとイケイケになれる気がして
うきうき

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透明が好き

透明が好き

好きな色はなに?って
聞かれたら
透明が好きってこたえたい
そんな余裕のある
自分でいたいだけ

いや、ちがうの
本当はもっとちゃんと考えてたけど、
書こうとしたら、止まっちゃった

できるなら、
色も
意味も
形もこえて
透明が好きになりたい

見えないものも
大事にしたいし、
きっとそっちの方が
世界は広い

月日の流れ

気持ちの流れ

枯葉 舗道 自転車

目に留まる色んなものにも
透明

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1月19日金曜日の話

1月19日金曜日の話

今日の晩御飯は水炊き
私がお皿を拭いている横で
祖母が一生懸命にお肉やら野菜やら
一生懸命にぶった斬っている
81歳、祖母、
わたし同じ歳なったらって考えると
骨付きの鶏肉ぶった斬るなんてできない、

てゆーか誰が食べるのよ、そんな量、、

祖父、祖母、父、母、わたし、妹
人数は足りてるけど、

みんな歳、とったよ、、

わたしの小さい頃から変わらない
晩御飯の量
食卓いっぱいに料理が並ぶのが

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過呼吸の音、生きているよ

過呼吸の音、生きているよ

不健康な黒い内蔵の中みたいだった
人間の恨みつらみの僻み妬みの禁足地に
足を踏み入れてしまった
汚い色して蠢いてる
汚れた言葉で遊んでる
酸素も足りない、
涙も足りない、
心もすべて足りなかった
手のひらでも掬えないくらいの
空気を肺いっぱいに吸い込もうとする
今のことだけに精一杯で
出すものも出せずに
無数の星をみる
渦にのまれていく
爆音のなかで死んでいく
新しい心音
体はすでに黒曜石と化して

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青いやさしい看板

青いやさしい看板

今なら誰かの言葉で簡単に
死ねる気がする
意味のない爽やかな言葉でさえ
藁人形に刺す釘のように
深く黒い鋭いもののように感じる
そんな自分が嫌だよ
分かってるけど
分かってるの
吹き出す気持ちは止まらないし
あの時の一瞬の出来事がこびりついている
錆びて腐って血の味がする
ああ、自分の気持ちだけで
死ねるな
ひとみを涙で覆いつくしながら
真っ直ぐな一本道を
ぐしゃぐしゃと走るんだ
そうしてほんとに

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光へ

光へ

誰にも知られないまま沈んでいた
うまく生きているように沈んでいた
のに
友が言うんだ
君の友達であることが誇らしいんだ
言葉ではうまく伝えられないけれど、と
うまく生きている自信はあったのに
わたしは生きている心地がしなかった
その言葉でわたしが一人死んだ
亡霊が死んだんだ
息苦しくなった
溺れている死んでしまう
必死にもがいて無我夢中で
光の射す方へもがいた
わたしの痺れた腕を引っぱりあげて

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