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番外編 恋愛3

浪人中も支えとなりメールに付き合ってくれた野球部の彼。メールで告白して振られた後に私は東京で一般試験が控えていたのだが成人を迎えたこともありどちらからか飲みに行きたいねと軽く話が出てなんと彼が承諾してくれたのだ。

学校でも話したことないのに2人きりでご飯!?私は試験よりそっちのことで頭も落ち着きもなくしていた。試験の前日まで不安な気持ちを彼に話しては励ましていただいて試験終了後お土産を買って地元福岡へ。帰ってくるその日に会うことになっていたため私は少しでも良く見せようと初めて本格的な化粧をドラッグストアの店員に聞いて購入する。

バチバチにするのも引かれるからわからないくらい、キレイな肌に見せれるように、唇は常に甘いリップで…妄想を膨らませついにご対面。高校のときより細くなった眉、伸びた髪の毛。いつも遠目で見てた彼との会話。人見知りな上にどう接すればよいかわからない。
そこからは緊張であまり覚えてないが彼はフレンドリーに話しかけてくれた。それまでお付き合いやデートというものをしてこなかった私にとっては全てが新鮮で胸が常に高鳴っていた。居酒屋へ向かい注文。私は結構好き嫌いが多く食べれないものもあり彼がたこわさを頼んだ際、彼が食べたいのであればとなにもいわなかった。たこわさが席に来た際、私がワサビ苦手と伝えると
「言ってくれたらよかったのに…」と言われてしまいしまったぁぁぁやらかしたと思ったのを今でも覚えてる。なにが正解でなにが間違えてるのかわからないのに。

色んな話をした。高校時代のこと、今のこと、将来やりたいこと。私は少しだけ背伸びをしてワインを頼み嗜んだ。元々好きなのもあるが少しでも酔わないと話せないし仮に間違いがあってもお酒に逃げれると悪い方の私がでてしまったから。

時間はあっという間に過ぎお会計に。私は元より支払うつもりでいたが彼が全額払ってしまいお金も受け取ってくれなかった。
悪い方にばかり考えてしまう自分がいた。彼が告白を断わったからお詫びとして奢ってくれたのかなとか。そんなの彼の意志でなんだか虚しすぎると。そんなつもりじゃない。振ったから奢ってとかじゃない。

「もっと人に甘えていいんだよ」

思えばその時から言われている言葉かもしれない。彼はなにかを見抜いていたのかな。
そんなこんなで私は電車で帰るため帰りの電車を確認。まだ終電まで時間がある。
彼も話したりなかったのか優しさなのかスタバに付き合ってくれた。そういうとこだよ。
そこは私が強引に支払った。変な見栄とプライド、結局私も虚しくなりたくないという独りよがりな考えからかもしれない。

やりたいことに熱く語る彼に、私はなんだか嬉しくなる。目標や夢がある人は輝いて見えるから。そして電車の時間。彼は歩いてすぐのとこだったようで正直うちに来る?なんて言葉を期待したりもしたがあっさりと手を振られ見送られた。まぁそんなものか。

その後彼とは少しメールしていたがある時エラーで返ってきた。ガラケーからスマホになる時代でもあったし海外留学したことも知っていたため。
でも深追いはもうしなかった。この素敵な思い出に留めて置きたかったから。当時冴えない髪伸ばした格好はまだ男の子な私に会ってくれてありがとう。今会ったら驚くかな?SNSで彼は見かけたことあるけどこちらからは送らない。でもいつか彼が少しでもドキッとするくらい変わりたいとその時思ったの。

そして今の私がいる。だからありがとう。
この話をすると私は美談として話すが聞く人によってはそう感じない人もいた。振って可哀想だから会うみたいで失礼じゃないという子もいたが私は会えて嬉しかったしこの人を好きになれてよかったと心から思った。

そんな彼を今の彼に出会うまでずっと引きずっていた。

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