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朝活1000回主催 人目に頼ったら毎朝勉強できるようになった話
今回は、西森が個人的に開催している朝のもくもく会について記事にして欲しいという声があったので、振り返りながらまとめています。
1.やる気と体がリンクしない問題
唐突ですが、みなさん、朝起きるの得意ですか?
私の知る限りですが、クリエイターは夜型で朝はゆっくりしている人が多い印象です。
自分もかつてはハードワークな環境だったこともあり、平日の朝はギリギリ、休日ともなると意識を取り戻したのが夕方、なんてことも結構ありました。
それで、よく寝れた!次の週も頑張れそう!となっていたなら全然良いと思うんです。
ただ、意識だけは無駄に高く、「次の休みでこれをマスターする!」「翌週までに仕事のための下調べするぞ」など、やることリストを掲げた状態でふとんに入り、気がついたら夕焼けが綺麗な時間になっていたりすると、
「今日も何も生み出さなかった……」となって、HPは回復しているものの精神が削れている、というなんとも不健康な状態に陥っていました。
起きた瞬間からSAN値がピンチ——。
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この話は、いろいろなイベントでデザイナーの方と会話した時も、共感を得ることが多かったです。
自分で決めた目標に対し、予定通り進めること、ルーティーンに取り込むことさえできれば…
これは1人で解決するのは中々難しかったりしました。
2.なんで朝活を主催するようになったか
「自由すぎる不安」
そんな時に、フルリモート、フルフレックスのカイエンに勤めることになりました。終電で帰ってくるような不摂生が続いていた自分にとっては、仕事への向き合い方と生活を見直す良い機会に思えました。
ただ、コアタイムもない、誰からも監視されない状態でまともな時間に起きてきちんと活動できるのか?人間のアウトラインを保っていられるのか?
不安になり、どうしたら規則的な時間に起きて活動できるか考えた時に、
「人との約束は破れない」「人目があれば多少無理めでも見栄を張って頑張る」という己の特性を利用することにしました。
そんな流れで、カイエンに入社する直前、2021年の12月から、毎朝勉強会を主催する、ということを勢いとノリで始めました。
3.人目に頼った仕組みを作る、で朝起きられた
朝活を主催するにおいて、以下の方針を決めました。
・可能な限り毎朝続けてみる
・「自分自身が朝起きて勉強を頑張るために行う」という当初の目的からブレないようにすること
・運用コストと精神的負荷を少なくすること
・ジャンルを絞らず誰でも参加可能にすること
そして、イベントを主催したこともなかったので、まず「やり方をググる」ところから始め、以下の方法で行うことにしました。
1.平日7~8時、休日8~9時半で開催
・当時、この時間に行なわれている朝活が少なかった
・休日も7~8時でも良かったのですが、休みの朝のまどろみ時間の多幸感を少し残したかったため、若干遅く設定
2.もくもく会にする
・イベントを主催したこともない人間が上手く話せる訳がないが、「もくもく会」ならできそう
・一般的なイベントのように発表や交流を強制しない方が参加ハードルが低いはず
※もくもく会とは、勉強や読書などを目的に集まった人が、雑談を控えて集中して作業する会、です。
3.connpassでイベントを登録する
・無料でイベントを立てられる
・自分と同じようなIT界隈のユーザーが多そう
・個人開催のハードル低めなイベントも多かった
4.オンラインで開催
・コロナ禍というだけでなく、毎朝行うならオンライン一択
・meetを経て、メンバーを把握&管理しやすいDiscordで開催する形に
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こんな手探りで初日を迎えたところ、意外にも数名参加してくれました。
参加者の方は、自分と同じように「朝から起きて勉強したいのに、ひとりだと続かない」そんな動機で入ってくれる人がほとんどでした。そして、中には連続で参加してくれる方も出てきました。
「やる気だけはあって、実行できる環境を模索している人が他にもいる」そんな読みが当たったことと、社外で一緒に頑張っている人がいる環境は、空回り感がなく心強いこと、これは予想以上でした。
また、正直しんどくて続かないかな、と思っていたのですが、毎日朝活を行うことで勉強が「頑張ること」から「生活の一部」になったことも嬉しい誤算でした。
4.どんなことを勉強してどんな成果があったのか?
では、朝早く起きて勉強時間を確保したことで、どんなことができたのか?
自分自身の例としては以下になります。
【自分自身の取り組み】
・UIデザインの勉強
既存のデザインシステムを分解したり、参考サービスを調べたり
・アクセシビリティの勉強
JIS X 8341-3の読み込みや、色彩検定UC級の取得
・モーションデザインの勉強
自作を作りながらAfter Effectsに慣れていった
・UXの勉強
HCD人間中心設計の資格取得を目標としながら学習
・仕事の事前調査
新規案件にあたる際に、事前にクライアントの業界について調べるなど
・イベント登壇用スライドを作る
登壇する機会も増やしたので事前準備に充てた
案件で必要になったから勉強したこともあれば、事前に必要そうな機運を感じて勉強し始めたことが、たまたま仕事で役立つ機会があって喜ばれた、ということもありました。
また、試験日から逆算して資格の勉強を進められ、取得につながりました。
今までと同じように朝をただ寝潰していたらこれら全てできなかった、
と思うと、やってて良かった公文式!という気分です。
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他の参加者の方や取り組み内容も、予想以上に多種多様でした。
【他の参加者の取り組み】
◾️参加者の職種
・Webデザイナー
・グラフィックデザイナー
・UXデザイナー
・ネットワークエンジニア
・QAエンジニア
・フロントエンドエンジニア
・バックエンドエンジニア
・データエンジニア
・情シス
・プロジェクトマネージャー
・ディレクター
・翻訳家
・フリーランスのエンジニア、デザイナー
・IT業界への就職を目指す大学生
・Web業界への転職を目指す方
・漫画家
◾️取り組み内容
・プログラミングの勉強
・基本情報、AWSやLPIC等の資格の勉強
・アプリやWebサービスの開発、運用
・Duolingoなどで英語の勉強
・デザインのためのベンチマーク調査
・技術書などの積読解消
・ポートフォリオ作り
・大学の課題
・筋トレ
・ランニング、ウォーキング、散歩
・猫やうさぎなどペットの世話
・イラストを描く
・漫画を描く
・絵本を描く
・将棋を指す
・数学
・つくり置きやお弁当を作る
・ヨガや瞑想
・ピアノやドラムなどの楽器の練習
・就職活動
・朝風呂
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そして、参加者の方からも
・資格を取得できた
・就職先が決まった
・イベント前に作品が完成した
などなど、嬉しい報告をちょくちょく頂きます。
「人目があって仕組みに取り込まれたら、やりたいことをもっとできるはず……!」
という仮説が自分以外の人にも当てはまり、成果が出ることは続けることの励みにもなりました。
5.その他予想外だったこと
・朝起きるのがしんどくなくなった
あれだけ朝起きるのが難しかった自分も、最近は7時前に自動で目が覚めるようになりました。
以下が効果あったように思います。
-朝活による入眠、起床時間の固定
-鉄分や乳酸菌のサプリを摂る
-少しでも日光を浴びる
・参加者が思ったより多かった
初回は3、4名からでしたが、現在は毎日平均して、10~15名は参加してくれています。
リピーター9割、新規の方1割と連続参加の人が多いです。
※初回登録後は直接Discordに来ている人がほとんどなので、connpass上の参加者数と乖離があります。
・さらに上を目指す参加者も出てきた
朝活は平日7時からですが、なんと4時台など「超早朝」から毎日参加する方も出てきました
また、連続00日参加!と、連続参加を目標にする方も。
そんな上級者が増えたおかげか、毎日やりたい勉強に取り組む、という行為がいい意味で当たり前の雰囲気になっていきました。
・参加者同士での情報交換
雑談ができるチャンネルを作っていたのですが、スキル的な情報交換、相談事など、参加者同士で活用いただくことも多かったです。
中でも印象的なのが、参加者同士でリファラル採用が成功していた例です。
毎日顔を出す場所があるということが、こんなコミュニケーションに繋がるのはうれしい誤算でした。
・続いた
当初は数ヶ月くらいで止めているのではと考えていました。
現在、3年目に入り開催は1000回を超えました。
だれも集まらないと確実に心が折れていたので、これはただただ他の参加者の方に感謝です。
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1000回記念のFigmaですごろく会や、猫カフェでオフラインもくもく会など、折りを見てもくもく会以外のイベントも開催しました。
6.まとめ
・仕組み化できれば、続く
・横並びで頑張っている人がいると心強いし「当たり前」になってしんどくない
・達成できたことが重なると、自己肯定感が上がってメンタルがヘルシーになる
デザイナーやエンジニアの仕事以外の時間の使い方は人それぞれだし、それで良いと思いますが、もっとこうなりたい、という目標があるときに、仕事の時間内だけで達成するのはなかなか難しかったり。
とはいえ、ナチュラルボーンに毎日仕事外で努力できる人ばかりではないですし、
強制されても続かないです。
自分のモチベーションだけに頼らず、人目に頼り、仕組み化し、毎朝ご飯を食べるのと同じ感覚で積み上げられるようになると、インプットが増えるだけでなく自己肯定感も大きく上がりました。
結果として自分は、今までのデザイナー人生の中で今が一番楽しくデザインに向き合えています。
生活習慣を変えることが、仕事への向き合い方に本当に大きく影響したので、誰かの参考になれば嬉しいです。
この記事を書いた人:NISHIMORI
デザイナー(グラフィック/WEB/UI/UX)
ほぼ毎朝connpassでもくもく会を主催しています。
https://morimori.connpass.com/
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