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ミランヨンデラ
2024年9月20日 00:05
表紙は一人の青年の写真。神経質な感じはあるが、頭の良さそうなしっかりした顔である。この青年がなぜにして「誰にも愛されなかった」とまで言い切られているのか。気になって読んでみた。私と同様、その名前を見てもピンとこない方がほとんどではないだろうか。島田清次郎は、大正8年(1919年)に発表した小説『地上』で一躍文学界のカリスマになるも、その傲岸不遜な言動から文壇で疎まれ、数々のスキャンダルを起
2023年5月28日 07:42
この本をはじめて見たのはどこかの洋書サイトでだったか。目が引き寄せられたのはその表紙、豪華な螺旋階段にずらりと並ぶ正装した大家族の写真である。題名は"HIDDEN VALLEY ROAD Inside the Mind of an American Family”。なにやらアメリカの個性的な家族の話らしいこの本には、素通りできないものを感じた。ただ値が張るのでちょっと検討、とアマゾンのカート
2022年6月15日 22:41
威嚇するようなその厚さ、毒々しい黒・赤・黄の表紙。手に取るのを躊躇するような本だが、一度読み始めると抜け出せなくなる。ずっしりと重いこの一冊に詰まっているのは、核施設の恐ろしい爆発事故について取材調査した、緻密で克明な記述である。著者は本書で、チェルノブイリ原子力発電所建設までの背景と道のりから、未曾有の大事故に至った経過、事故後の技術的及び政治的な対処、放射線を浴びた人々の身に起きたこと、
2022年3月11日 15:04
現代人の社会は豊かである。豊かな社会では人々は好きなことをする余裕=暇がある。しかし、いざすべき「好きなこと」がわからず、人は文化産業によって用意、提供された楽しみを買って享受する。つまり、「労働者の暇が搾取されている」。なぜ搾取されるのかというと、人は暇の中で退屈し、そして、退屈することを恐れるからである。なぜ人は暇の中で退屈するのか。そもそも退屈とは一体何なのか。暇の中でどう生き