記事一覧
セルジオ・レオーネ作品の長さと、帝都物語の短さ
セルジオ・レオーネの主要な監督作品は6作。クリント・イーストウッド主演のマカロニ・ウエスタン3部作に、"Once upon a time in..."という主題で統一されたアメリカ3部作である。これらは作を重ねるごとに上映時間が長くなっていくという点で悪名高い。
この長さの意味というか、長さの生んでいる味というのがアメリカ3部作の1作目、"Once upon a time in the west
キミカゲ 北を駆ける
それはそれは深い雪だった。
誰かが不用意に足を踏み入れてしまったら、自力では抜け出せないような。それほどに深く、雪が積もっていた。
その中を、一つの影が駆けていた。
その影は小さかった。それから、四つの脚にかんじきを履いていた。
猫である。名をキミカゲという。
かんじきは地面に対して水平でなければならない。であるから、その歩幅はとても狭かった。
キミカゲが狭い歩幅で、一直線に駆けてい
サクラ革命2序章 目次
キミカゲ 北を駆ける
乙女 猫と遭遇す
乙女 司令を発掘す
青ヶ島花組 飛ぶ
鷹 乙女達を捕らえる
まな 青ヶ島花組と邂逅す
続く
教場・オブ・マッドネス(3)
そこは、さながら、もう一つの教場、でした。
建築素材や装飾の隅々に、地上では見られない独自性がありましたが、その入口、階段、各教室、剣道場、体育館、音楽室、視聴覚室に至るまで、全ての施設配置が、私の頭の中の地図と一致していました。私と校長は主に視聴覚室で話をしました。ドアのノックが聞こえると、校長は「式典」の時間だと言って、私を伴って講堂に向かいました。
教場・アウト・オブ・スペース(1)
あんな、隕石騒ぎがあったやろ、何年か前。うん。テレビも来た。あれ、どんなんやったか憶えてるか。うん。そう。教場のグラウンドに隕石が落ちました。それはニュースになったな。でも、その後のことは知らんやろ。あんなんニュースにしてもわけわからんからな。ほんで取材やなんや言うて色んなとこから人が来ててんけど、怖い、厭や、言うて、みんな引き上げてしもたからな。だから俺みたいな、その後もずっと教場にいたやつし
もっとみる教場・オブ・マッドネス(2)
この都市はね、時間が止まってるんだと思う。
時間が止まっているのに、こうして会話という、時間を用いたコミュニケーションができるのは変な感じがするでしょ。よく分からないか。まあそうだよね。
君はここに来たばかりだけど、僕はそうではないから、この都市について理解する時間はたっぷりあった。いや、止まっているのに、あったというのはおかしいな。無限なんだ。無限というのは、あるとかないとかじゃない。ただ
教場・オブ・マッドネス(1)
銃が必要だったのです。
私は学生時代から、サバゲーに熱中していました。サバゲーには森林を走り抜けるスリルがあり、時には激しい銃撃戦があります。加えて、人員配置などの作戦を練ったり、武器や防具を集め、それらに改造を施すという、試合に付随する作業がまた魅力的でした。休日に限らず、私の頭の中はサバゲーでいっぱいでした。
教場で日々を過ごすことになってからも、折を見て休みをとっては、使えるだけの時間
「ダレ」への忌避感について(途中)
「ダレ」への忌避感について。途中ですが公開します。
個人配信が行われるとき、多くの場合、そこにいるのは演者一人であり、カメラもマイクも一台ずつだ。ゆえに「ダレ」の除去は、何のカモフラージュ無しに行われる。このことが既存メディアにおける「ダレ」の除去を照らし出す。
そもそも、ラジオの時代から無音は「放送事故」だった。
ゆえに一人、もしくは一組のパーソナリティは喋り続ける。間は作家の笑い声によって
『ロンバケ』を解体する
大滝詠一本人の発言であったり、はっぴいえんどを起点とする見方からは既に十二分な量のテキストが出回っている。
一方で、シティポップの中にあって『ロンバケ』はどう振る舞うのか。まずはこのアルバムを、作詞、作編曲、演奏、録音にバラす必要があるだろう。
ほとんどの曲の作詞を手掛けたのは松本隆。言葉遊びや替え歌の要素は極力除かれ、ストーリーテリングの要素を強調したものとなっている。内容についてもリゾート
荒野のコトブキ飛行隊 について
『荒野のコトブキ飛行隊』は1クールのTVアニメである。今年、『荒野のコトブキ飛行隊 完全版』と銘打った映画が公開された。
それを見て感じたのは、この映画の中で描かれている荒野は終わらない、という安堵だった。
それは荒野という、ある種の映像作家にとっては楽園とほとんど同義な舞台、世界に、残酷にも「おわり」の三文字を叩きつける映画を以前に見ていたからだ。
『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ!夕陽のカ
クレヨンしんちゃん 激突! ラクガキングダムとほぼ四人の勇者 を見た
高橋渉と橋本昌和が交互に監督する、という体制を崩しての一本目。今回の監督は京極尚彦。代表作は『ラブライブ!』、『プリティーリズム』シリーズ、『宝石の国』。とのことである。
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%AC%E6%A5%B5%E5%B0%9A%E5%BD%A6
東宝のロゴが消えるのを待たずに、現在のTVシリーズのオープニング曲『マスカット』が流れ
赤い公園の新譜を聴いている。
聴いている。出たから。
ギターが入ってる曲は飛ばされるっていうけどさ、それほんと? などと思う。だってギターってこんなにいい楽器じゃん、と。
でもそう思うのは多分、いま特別いいギターを聴いてるからだ。シンガーが一応みたいな感じで持ってて、音の壁を作るためだけにガーッて弾いてるようなギターだったら、別にいらない。1970前後と、あと1999年あたりから2000年代いっぱいのロックを聴いてる
わたしはマトモでありたいと思ってる
わたしはマトモでありたいと思ってる
そのために対話が必要だと気づき始めてる
でも そのことを教えてくれた人は すでに
対話に飽き飽きしているようだ
わたしはマトモでありたいと思ってる
そのために対話が必要だと気づき始めてる
でも 周りを見渡すと人々は すでに
ひとりひとりの家から出る気はないようだ
わたしは街に出た しかし 何も起こらない
わたしは わたし自身が 何も起こせない
わたしは怒り
卒業 四反八郎(よんがえしはちろう)の場合
卒業生 答辞
卒業生代表 四反八郎
僕たち私たちは本日、この弁田倉高校を卒業します。わたくし四反八郎は、卒業生代表としての言葉を述べるという機会をいただきました。つきましては、わたくしが3年間の高校生活で学んだ、もっとも重要なことを挙げ、説明していきたいと思います。そのことによって、この学び舎への感謝と、それから下級生たちへのアドヴァイスのようなものを表現できればと思います。
私が高校生活