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6月

皮肉な季節だ

成長には必要な雨だって、前向きな気持ちになれる気がしない。

自分を変えるための何かを考える以前に、自分を変えようという熱量が微塵もわいてこないのである。

この何とも言えない心の内は、客観的にはネガティブなのかもしれないが、死にたいとか、消えてなくなりたいとか、そういった負のモチベーションすらも湧き起らず、むしろ今の自分のままでいいという気持ちがないわけでははなく、これって実はポジティブなのでは?と開き直っている。というか、世間的にはこれがネガティブであったとしても、自分の中の"それ"との向き合い方には何の関係もない。

何をやっても、明るくないし暗くもない。無味無臭。

例えるなら、小雨の日没時に高速道路を運転している感じに近い。
景色の変わらない一直線が少しだけカーブしたり、
時々猛スピードで追越車線を走るスポーツカーを横目に自分もスピードを合わせてみたり。またすぐにスピードを落としては、眠気に襲われてサービスエリアに停車してみたり。

自分がどこへ向かっているのかすらわからないこと、それが最も大きな問題であった。

自分が大切にしたいものなんて、自分以外のなにものでもないと思う。

仕事も、お金も、学歴も、恋人だって、自分自身の"理想の自分像"を構築するためのいちツールに過ぎない。

自分の存在を他者に認めてもらうために仕事をしなければならない。
自分の価値を他者に示したいがために、高級なブランド品を身につけなければならない。
自分の無知さを隠したいがために、学歴を求め、
自分の肯定感を定常的に保つために、恋人と戯れる。

ああ卑屈。

そんな卑屈な考え方を素直に話せる友人がいて良かった。

そんな卑屈さを露呈しているのが24の夏で良かった。

そんな卑屈な自分を卑屈だとメタ認知できる自分に溺れながら、何の生産性もないこんな文章で自分を肯定出来て良かった。

ああ6月、好きなだけ雨を降らせて。







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