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映画「フェイフェイと月の冒険」※感想、考察

こんにちわ。ハイエナのねいねいです。
今日は日本ではマイナーかもしれない作品「フェイフェイと月の冒険」について、あれこれ語りたいと思います。

ストーリーちょっとぶっ飛びすぎて意味が分からなかったな…なんて方がいらしたら、最後に考察もしてますのでよかったら、目次から飛んでください。


🌈✨「フェイフェイと月の冒険」とは

ディズニーで『リトル・マーメイド』や『美女と野獣』など多くの作品で作画監督していたあの伝説的なアニメーター「グレン・キーン氏」が監督を務めた作品。

グレンキーン氏が監督!これだけでもう見る価値がある映画なのは間違いないのですが、ねいねいはディズニー大好きなので「グレンキーン氏」に迫った視点でこの映画の裏側まで、いろいろ語っていきます。

物心ついた頃から、今は亡き母が語る“月の女神の伝説”を信じ続けてきたフェイフェイ。科学が大好きな彼女は、家族を巡る様々な悩みを抱えつつも《月の女神の伝説》を証明するために自らの手で宇宙船を作り、ウサギのバンジーとともに月へと向かうことを決意します。 そしてたどり着いた月の世界。そこには不思議な王国や幻想的な生き物、そして思いがけない冒険が待ち受けていた―。

https://filmarks.com/movies/92657

🌈✨中国の神話に登場する女神「チャンウー(嫦娥)」の伝説

主人公フェイフェイが信じている「月の女神」の伝説は、予告や冒頭で語られていますが、映画では少しアレンジがされているようです。

調べてみるといろんな諸説はありそうですが、大まかなお話として、

元々仙女で不老不死だった女性が地上に降りて来た時に、不老不死ではなくなってしまったので、西王母から不老不死の薬を盗み、また不老不死になって月に逃げたらヒキガエルになった。みたいな中国の伝説。

私の解釈です。いろんな諸説があるので詳しく知りたい人調べてみてください。

なんでカエルになった????笑

中国では、月の先住者はヒキガエルのようで、どちらかというとウサギよりカエルの方が有名のようです。

中国では、「白ウサギが不老長寿の仙薬をつくっている」と考えられているようで、西王母が不老不死の術を持っており、ウサギは西王母の命令で「不老不死の仙薬」を作っている等いろいろ諸説あるようですね。

ここら辺知ってみたほうが、映画の中で語られている伝説がすんなり入ってくると思います。

🌈✨ネタバレなし感想

考察しないといろいろ不明点なところはあるものの、「母親を失った悲しみ」を「伝説の月の女神」という物語を通じて、主人公の少女が成長するというとても暖かく、私も大切な人を失っているのでより惹きつけられ感動共感しました。

チープなアニメーションではあるものの、流石はグレンキーン氏。ディズニーの良さ(表情の伝え方等)がしっかりと埋め込まれおり、世界観含め、どのシーンを切り取っても素晴らしかったです。

世界観がすごくいいですね。色鮮やかな不思議な世界「ルナリア」。
月の裏側に存在する設定なので、光が届かない場所で、ライティングと色彩にかなり苦労したそうなんですが、幻想的で行ってみたと思わせるようなとても綺麗な世界観で大好きになりました。

キャラクターデザインもとても良かったです。中国の衣装や、ルナリアでの生き物がとてもかわいくて、動きや表情が柔軟でここらへんがやっぱりグレンキーンさんの監督あってこそなんだろうなと確信できます。

月の女神の伝説を上手いこと取り入れてるのもすごくよかったです。

ディズニーのようにミュージカル映画でしたが、音楽もいいのも最高ですね。他にもディズニー感満載でオマージュがたくさんありました笑

中国x現代xディズニーとして非常に楽しめました。
※グレンキーンが監督しているだけでネトフリ配給なのでディズニー作品ではないので注意。ちなみにアニメーション制作会社としては元ドリームワークス系列の(パールスタジオ)ようですね。

🌈✨以降ネタバレ注意

これ以降はネタバレです、ご注意ください。

🌈✨グレンキーン監督がこの映画を監督した経緯

主人公のフェイフェイ何歳?科学で天才っぽい設定だけど、さすがに月に行くのは無理でしょ!ぐらいには物語が飛びぬけてます。笑

娯楽なんだからと思えば作品として楽しめるんですが、やっぱりちょっと現実味が無さ過ぎて、モヤモヤする方多いと思います。(ここら辺は後ほどスッキリするように考察で語ります)

このぶっ飛んだ設定についてグレンキーンは以下のように語っています。

本作の主人公は「月には女神がいる」という伝説を信じ続けてきた少女フェイフェイ。「アラジン」「塔の上のラプンツェル」などのディズニー作品に携わってきたキーンは「観客に物語を信じてもらい魅了するには、まず自分自身がその物語を信じなければなりません。このキャラクターの存在を心から信じるんです」と語る。

彼がキャラクターデザイナーとして参加した「リトル・マーメイド」の主人公アリエルを例に挙げ「アリエルは人魚です。しかし彼女は足を手に入れ歩くようになり、人間の男性と恋に落ちる。あり得ないことですが、そこが魅力です。

不可能なことも可能だと信じて描くことが大切なんです」と述べた。

https://natalie.mu/eiga/news/401969

この映画の脚本を渡されたグレンキーンさんは、主人公のフェイフェイがロケットを自作して月に行くシーンを見て「監督しなければならない!」と確信したそうです。

子供の頃、誕生日パーティーを開いて、友達全員が遊んでいた。父がやって来て、NASAと話しており、ロケット船を建造していると言いました。それは極秘であり、誰も見たことがありませんでした。

「見せることはできないけど、目隠しをして乗せてあげることはできるよ」と彼は言いました。それで、私はコックピットに座って、地上管制官が話しているのを想像し、ゴロゴロと音を立て、足を水中に入れて湖の上を飛んでいるときに顔に風を感じました。

目隠しを外したとき、自分が裏庭の芝生の椅子に座っていることに気づきました。しかし、私はそれを決して忘れませんでした。それがこの映画のようなものです。誰もが信じられるこの乗り物にあなたを連れて行きます。この映画に呼ばれたような気がしました。

https://glenkeaneproductions.com/over-the-moon

グレンキーンさんの公式ページにより詳しく当時の経緯や制作に関してのお話が載っているのでオススメ記事です。↓

🌈✨登場人物の整理

フェイフェイ:主人公
ジャンパー:フェイフェイのペットの白ウサギ
フェイフェイの父親
フェイフェイの母親
ゾン:フェイフェイの父親の新しい奥さん
チン:ゾンの息子(フェイフェイの弟)
チャンウー:月の女神
ホウイー:チャンウーの恋人

ジェイラビット:チャンウーと一緒に住んでるみどりのウサギ

※重要なキャラは太字にしてます。

🌈✨ストーリー解説

ストーリー理解してる方は飛ばしてOKです!
重要と思われるシーンのみ抜粋して解説していきます。

映画における「月の女神」の伝説

フェイフェイの母親いわく、チャンウーはホウイーと恋をした。魔法の薬を飲んでしまい不死になるが、月で死んでしまったホウイーをずっと待っている。

※冒頭のミュージカルシーンでペンダントが2つに分割されている。1つがチャンウーが持っていて、もう1つはホウイーが持っている。

※チャンウーが泣くと涙は星くずになるという台詞がありました。

ホウイーの子孫「ゾン」

母親が死んで4年、フェイフェイは12歳の設定ようのようです。食卓にはお客さんのゾンさん。この時点でフェイフェイの父親とゾンは既に婚約の話まで進んでいました。

食卓のシーンでゾンは「自分はホウイーの子孫」だとサラっと言い出します。※だからペンダントの欠片を持っていたんですね。

ここで親戚が話している「月の女神」の話と、フェイフェイが知っている母親から聞いた「月の女神」の話が一致してないことに、フェイフェイは疑問を持つような素振り(目線が左下を向き、顔をしかめる)をしていました。

親戚が話している「月の女神」は、薬を盗み不死になったチャンウーの悪い部分の話で、フェイフェイはそこの部分は母親から聞いてないのでしょう。

機嫌が悪くなったフェイフェイを心配したゾンはお母さんのレシピのムーンケーキを渡しました。

月の裏側の世界「ルナリア」

フェイフェイは無事にチャンウーと対面しましたが、チャンウーは宝物にしか興味を示さず、フェイフェイが持ってると言いますが、心当たりがありません。(伝説通り、薬を盗むぐらいだから、ちょっと悪モノな感じがあるね。)

どうやら、ホウイーに会うには、宝物と薬が必要のようです。
※薬とは、おそらく不死に関係があるものなのか、ホウイーを生き返らせようとしていたんだと思います。

結局宝物は、ゾンが渡してくれたムーンケーキの中に入ってたペンダントの欠片でした。チャンウーに渡しますが、ホウイーは生き返ることがなく消えてしまいます。

チャンウーが深い悲しみに暮れます。その「悲しみの間」は誰も入れないはずなのにフェイフェイは愛する人を失う悲しみを知っているためか、悲しみの間へ入ることが出来ました。そこで母親を思い出し、フェイフェイまでも悲しみに暮れてしまいます。

それを見たチャンウーは「自分のようにはならないで」と、フェイフェイに前を向くように説得する。

チャンウーは前を向かないといけない事、たぶん何千年も分かっていたんだと思う。だけど、結局忘れられなくて、ずっとホウイーのことを追いかけて、一人ぼっちになってしまって。

フェイフェイには新しい家族がいて一人ぼっちじゃない。チャンウーも伝説を愛する人がいるし、ルナリアの住民もいる。

写真は地球に帰るときに消滅してしまう(ルナリアの世界のものは地球に持ち込めないのかな)でも、もう写真は必要がないほどフェイフェイは成長していました。

地球に戻ったフェイフェイはゾンを受け入れて、家族との時間を大切にかみしめているように見えました。

🌈✨考察

「フェイフェイがロケットを作って月に行った話」とペンダントについて

「フェイフェイがロケットを作って月に行った話」このぶっ飛んだストーリーの部分は、おそらく主人公フェイフェイの"妄想"です。

子供の想像するイマジネーションはめちゃくちゃすごい。そして、この妄想の手助けをしているのが"ゾン"です。

フェイフェイが月へ行く前、ゾンは「宝物(ペンダントのかけら)」が入った月のお菓子渡してましたよね。(映画の中ではフェイフェイはチンのイタズラだろうだと言っていましたが、冒頭の食卓のシーンを見ると仕込んだのはゾンだと思います。)

ゾンには息子のチンがいるってことは、旦那さんがいるはずですが、破局か死別か明確には語られていませんが、愛する人を同じく失くしているであろう家族なのです。(つまり、チャンウーの気持ちやフェイフェイの気持ちも分かる)

なぜ、ゾンが妄想の手助けをしているのか?決定的なアイテムはチャンウーが持っていたあのペンダントです。

フェイフェイが月から帰ってきて、新しい家族と仲良くしているシーンで、ゾンの胸元を見るとあのペンダントをしています。

映画冒頭でゾンは、自分はホウイーの子孫だと言っています。なので片方の欠片を持っているのは理解できますが、修復されたペンダントを持っているのは何故でしょうか?

これは、チャンウーの物語を通じて、ゾンがチャンウーになったつもりで、愛する人を無くしたけど、私たちは新しい家族だよとフェイフェイと和解したのではないでしょうか?

その和解の過程が、フェイフェイの妄想で、フェイフェイの頭の中を私たちが見ていたものだと思います。

もし、ゾンがこの妄想に絡んでいないなら、あのペンダントを終盤にゾンが付ける意味がないのです。ディズニー映画では台詞や映画に出てくる"もの"にちゃんと意味を持たせる作りをしているので、ゾンがこのペンダントをしている部分は重要な意味があるはずです。

そして、これにはおそらくチンも絡んでいます。チンも超能力もっていたりとイマジネーションにおいて素晴らしい能力の持ち主でしたからね。妄想のお手伝いはめちゃくちゃ得意でしょう。

ウサギのジャンパーがいなくなってるのは、もしかしたら現実では死別かもしれませんが、フェイフェイの中では本当に月に住んでるのかも(天国的な)しれません。

ディズニーってイマジネーションが大事ですからね。笑

そして、グレンキーンさんがこの映画を監督した経緯で語った「裏庭ロケットの話」を知ると、子供の頃の妄想って子供にとっては現実ですからね。

あくまでねいねの考察ですが、ゾン含めて、めちゃくちゃいいストーリーすぎて泣ける!!!!!ねいねいこの映画大好き!!!!!

シロサギについて

白サギは「神の使い」とも言われ神聖な存在です。白サギをみかけたら幸運がやってくる前兆人間関係に幸運をもたらす良い縁を恵んでくれるとも言われています。

映画に出てきたシロサギ、月の女神チャンウーが「使い」として、地球に送り込んだものなのでしょう。宝物を月へ運ばせるために。

どうやって月にいく?というフェイフェイの問いかけに、シロサギが月へ向かって飛ぶことで、フェイフェイはロケットを作るアイデアが思い浮かびました。

人間関係に良い縁をもたらすという意味でもゾンが関係してそうです。

最後にシロサギが出てきて片目で見るのは、鳥が物をよく見ようとするときによくやる動きですが、もしシロサギがチャンウーの使いだとしたら「月から見守ってるよ」というチャンウーからのメッセージなのかもしれません( ;∀;)

🌈✨ネタバレあり感想

チャンウーの涙がルナリアの住民を産み出している設定、すごく好きでした。あの住民の量だけでどれだけ深い悲しみだったことが目で見えるようになっていて面白かった。

きっとあの悲しみたち、住民たちとずっと共に暮らしていくのは、永遠に消えない辛さでもあり、でもそんな悲しみも支え合うような存在たちなんだろうな…と思うと心が締め付けられちゃう。

赤いシーサーめっちゃ可愛かった壺。
でも1番かわいかったの緑のゴビ!!!表情可愛すぎるし、後ろハリネズミ?みたいになっていて、それが興奮した時に広がったりして全身で表情を表していてすごくよかった。ゴビめっちゃオラフみたい、アナ雪の。笑

ぶっ飛んだ話に見えるけど、大切な人や愛する人との別れを受け入れて前に進むっていうのは誰にでもあることで、結構身近に感じられる作品だなって思いました。

フェイフェイが地球に帰ってきてから、フェイフェイが見ているもをカメラが映すようになっているのですが、それがまためちゃくちゃいい。

台詞が一切なくて、フェイフェイがじっくりと見えてるもの、それは私たちがフェイフェイがと一緒に映画を通して経験した(妄想を見た)ことで、私たちまでフェイフェイがどう考えてそれを見ているのか感じ取れるようになっている。ここがディズニーあるあるの素晴らしさだなと思います。

伏線の仕込み方もディズニーやピクサーのようにしつこいほど入っていてよかったですね。笑

グレンキーンさんが関わってるから私が大好きなディズニーの壺がしっかり入っていて、本当によかった作品でした。めっちゃ好きです。

🌈✨最後に

最後まで読んでくれてありがとうございました!

⸜( •⌄• )⸝またね!

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