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「詩」愛が枯れた花

愛とは至福である。
ゆえに愛の欠損は苦痛を招く。

花弁舞う優美な花は愛に満ち足り。
その香りは他の如何なる者も魅了する。

愛とは花粉のようなもの。
風に乗って他者に幸福を分け与える。

愛なき花は萎れてしまう。
その花にはもうかつての優美さは存在しない。

萎れた花弁を容赦なく踏みつけ人々は私を侮辱する。

私は愛に欠けた花。
かつての美しさは遠い昔のよう。

私が好かれていたのは愛ゆえに。
その愛失くしたならば。
もはや希望の欠片もありはしない。

愛とは人々を魅了する香水のよう。

私の香りは地に落ちた。
もはや泥中の蓮のようにはなれますまい。

泥にまみれも美しく咲く一輪の花。
その美しさもまた愛ゆえに。

私の香りは知らずの内に消えてゆく。
ひとつ。またひとつと。
まるで宝石が欠けゆく程の哀しみよ。

私は自分が地に落ちゆく様を受け入れる。
何故なら私の愛は既に散ってしまったのだから。。。

世は無常ゆえ儚くも散りゆく。
去り際に残すは愛の花。
悠に悦を語らえず。
刻々に我が身は滅びゆく。。。

辞世の句は計らずとも誰かに届くだろう。

どうか最後に。

私の「愛」を受け取ってください。。。



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