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十六羅漢像を見ながら飲むコーヒー

2014年5月14日

秋田県の十六羅漢像前にて。
海岸に降りて「どこにあるんだろう?」と思っていると、海岸の自然の岩場に彫ってあった。

ところどころ風化しているが、それはそれで味がある。

十六羅漢像を拝みながら漆のマイカップでコーヒーを飲む。

この日は風が強く、波の荒い日だった。
岩場で砕ける波しぶきの迫力に思わず足がすくんでしまう。

「だが、これでは迫力は伝わらないのではないか?
そんな疑問が頭をよぎってしまった。

「もっと迫力のある写真を撮ろう。」

波が砕ける岩場へと近づいて、その時を待った。
大波がやってくる。

「まだだ、、、迫力が伝わらない、、、。」

ついに、もうこれ以上は踏み込めないという所まで来てしまった。

次の大波を待つ。
しばらくすると、前方から大きくうねる波が近づいて来た。

「これは、とんでもないのが来たんじゃないか、、、」

迫力の一枚が撮れるんじゃないかという期待と、大自然の圧倒的パワーがもたらす恐怖で胸が高鳴る。

そして岩場の真下まで波がおしよせた時、ものすごい勢いで海面が盛り上がったのを目の当たりにして、恐怖が一気に増した。

直後、突進してくる大波が岩場にぶつかり、大きな音をたてて豪快に砕ける。
同時にほとばしるような波しぶきが頭上高く舞い上がり、なす術もなく全身に潮をかぶった。

陽が落ちる頃にキャンプ場の受付を済ませた。
芝生に銀マットを敷いて日暮れを眺める。

夜がスーパーで買ってきたガサエビを剥いて刺身でたくさん食べて幸せだった。

つづく

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