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誰かにではなくて。とりあえず、わたしに負けないでいようよ。そんな#私の勝負曲。

無造作に麻ひもでくくられたアケビのような花束のイラストのページにでくわして。
7本の束が淡紫色がグラデーションで描かれていて。
その下にはキャプションのように、詩が綴られている。詩は英語で、とても気持ちよく綴られている手書きの文字だ。

文字のレイアウトもきままに絵のまわりを彩られて、すこし気をよくしていたら。
 
『壊れたもの、壊れていないもの』というタイトルがみえる。

<あなたに言わなくちゃいけないことがあるわ>っていうことばからはじまる。
訳されたことばを読んですこしたじろぐ。



むかしも読んだはずなのに、うっかり忘れていて。

そんなことがここに書いてあったんだってあらためて、記憶を辿ろうとするけれど、ほとんど覚えていなかった。こうやって誰かになにかを言われる時って、それが詩のことばであっても、身構えてしまう。
 
あなたという宛先は、いつもわたしとは限らないはずなのに。

誰かに叱られていたちいさな頃のすこし影にふちどられた記憶が、よみがえるからかもしれない。

大人になったってそりゃ、いろいろな場面で叱られたりする。

そんなに世界は甘くないよ とか。

何考えてんの? とか

あれだけ、言っといただろう。

大人になれよ とか。

ただ、間髪入れずにとりあえずの言い分を答えられる人に、憧れる。

間髪、入りまくりなのだ、わたしは。

隙がありすぎるっていうの? 余白のみっていうのかな。

そういう時って、反省してるし解決策を焦りながらも練っているから、今は誰にもなにも言われたくない。

まくしたてないでほしいって。

愛のムチとかってわたしはほとんど信用していない。

そんなたしなめられるような、アングルを変えたやさしさも微塵もない言葉もいらない。

そうやって、叱られた時。

家に帰って夜、ひとりになるとしばらく、自分の中でひとり反省会を開催してしまい、そのまま悪い沼に入ったような気持ちになっていた時。

大好きなアメリカのドラマ、「レイ・ドノヴァン」を見ていた。

リーヴ・シュレイバー演じるレイは、ハリウッドセレブのあらゆるトラブルを、鮮やかに違法すれすれに、いやすれすれじゃないライン越えしているかもしれないけれど、そうやって手腕を生かして解決する、やり手のフィクサーで。

でも彼は奥さん思い子供愛してる!ではあるのだけれど、いつも誰かが危ない橋を渡っているような状態で。
ただただ家族を守りたい一心だけはあるのに、みんな崩れていく。そんなこわれてゆくよみんな!的なマックス状態を味わっていたレイは、ある日、ひとりで部屋に帰ってみると、息子ひとりしか部屋にいなくて。

家族は、もうばらばらでどこかに行ってしまった後だった。

やぶれかぶれになっていたその時、息子がキッチンのところに腰掛けてパーティーの残り物を齧っていた時、レイが、おもむろになんか曲をかける。

息子もなに? どした? ってパンかなんかを口にくわえたまま、ぽっかんってパパの姿をガン見していたら、レイが激しくそのリズムに合わせて、首を縦に振り始めて、背中をみせながら踊り出す。

なんていうの、あれはひとがこわれてゆくときの、とても甘美なダンス。

セクシーとかいいたいけれど。セクシーっていうのではない。

うまくあてはまる形容詞がみつからない。動物的? ちがう、似ているけれど違う。

家はどないなってんねん。こんなに俺は必死やのに、YO!みたいな、でも明日を生きんとな、

ってま、仮に関西弁でいうとこんな感じのダンス。

その時の曲がこれだった。


わたし、全然ふだんからYO!YO!とかいうひとではないけれど。

レイの踊りとこの曲を聞いたたら、じぶんの中でなにかが弾けたのがわかった。こわれたよ。

文句いわれたことにくよくよしてる自分にも腹が立ったし。

すぐに言い返せない、長きにわたるこの癖についても然り。

で、私の勝負曲ですが。

誰かと勝負するのでは決してなくて。

わたしのくよくよ、わたしに負けない曲としての私の勝負曲として、♫RUNDMCのWalk This Wayを推薦します!

だれかになんか言われて、なんなの今日一日のこのもやっと感は。

なんか理不尽すぎる。このままじゃ落ち着いて眠れないやん!

みたいな日にはぜひおすすめ!

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☝弾けっちゃってください、はっちゃけてください☝

きらわれる きらわれていた 花びら風に
舞ってみた 世界はつづく 幻想じゃなく


 
  

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