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あなたの指先に、フラミンゴを想う時。

指先に流れている薄く透き通る血の色を見て

それはわたしだけじゃなくて、あなたにも

流れていることへの驚きを感じた時に似て。

色づくものが目に留まり始める。

昔、鹿児島の平川動物公園で、はじめてみた

フラミンゴの群れ。

折れそうな足で立っている時は紅色だったのに

飛んでゆく時の黒色の風切り羽のコントラスト。

小さかったわたしはこの世のものと思えない色を

目の当たりにして。

なにもかもをあっち側へと注いでしまいたい想いに

駆られたことを思い出す。

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からだとこころ、なにもかもをも。

そのフラミンゴの群れの中に放ってしまいたいような。

色と形がひとを取り囲む。

心は動いているはずなのに、身体はままならないことが

あることをあの日、はじめて知ったのかもしれない。

あなたの指先に流れている血の色を見たとき。

デ・ジャヴュのように。

記憶の栞の中のフラミンゴが舞う。

桃色の群れの中に身を任せたかったあの想いを

袖摺れのあなたに重ねてる。



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