DXとマーケティングその10:マーケティングにおける戦略的コンセプト

分析屋の下滝です。

DX(デジタルトランスフォーメーション)とマーケティングの関係を考えてくシリーズの第10回目です。今回は、『マーケティング大原則』の書籍をもとに、マーケティングにおける戦略的コンセプトと呼ばれるものとビジネスモデルの関係性を分析していきます。

第1回はこちら。経産省のDXの定義とマーケティングとの関係について考察しました。
第2回はこちら。『DX実行戦略』におけるDXの定義とマーケティングとの関係について考察しました。
第3回はこちら。「無料/超低価格」のビジネスモデルを分析しました。
第4回はこちら。「購入者集約」のビジネスモデルを分析しました。
第5回はこちら。「価格透明性」のビジネスモデルを分析しました。
第6回はこちら。「リバースオークション」のビジネスモデルを分析しました。
第7回はこちら。ここまでの記事をまとめました。
第8回はこちら。「従量課金制」のビジネスモデルを分析しました。
第9回はこちら。『マーケティング大原則』という書籍におけるマーケティング定義を確認しました。

これまでのおさらい

第2回の記事では、『DX実行戦略』の書籍におけるDXの定義において、DXを構成するいくつかの要素の一つとして、「ビジネスモデル」が存在することを紹介しました。また、この定義に基づけば、マーケティングとの直接的な繋がりは見つけられなさそうなことを示しました。

以下は、DXの定義となります。

私たちは、デジタルビジネス・トランスフォーメーションを「デジタル技術とデジタル・ビジネスモデルを用いて組織を変化させ、業績を改善するとと」と定義する。第1に、企業業績を改善することがその目的であり、第2にデジタルを土台にした変革であること。組織は絶えず変化しているが、ひとつ以上のデジタル技術が大きな影響をおよぼしているものでなければ、デジタルビジネス・トランスフォーメーションには分類されない。そして第3に、プロセスや人、戦略など、組織の変化を伴うものであること。デジタルビジネス・トランスフォーメーションには、テクノロジーよりもはるかに多くのものが関与している。
──『DX実行戦略』, マイケル・ウェイド, p.27

この定義と関連する概念を整理したのが以下の図となります。

DX_overview_汎用


DXとマーケティングの関係を分析するにあたり、各ビジネスモデルとマーケティングにおけるフレームワークである4Pとの関係を探っていく、というのが現状のアプローチになります。

DX自体をもう少し大きな視点で見てみましょう。『DX実行戦略』では、「組織のもつれ度」と「変革の程度」の軸で4つの変革を区別しています。DXは、このうちの右上に対応する話になります。DXではない例としてあげられているのは、広告部門が「新聞・テレビ広告」から「オンライン広告」に移行するような場合です。これは、古典的な変革にあたります。詳しい説明は第二回の記事を参照してください。

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『DX実行戦略』では、DXとしての変革で必要となる考えは「変革目標」であるとしています。「変革目標」無しで進める変革プログラムは失敗する、としています。各自が自分なりの変革の定義を行い、各自が好みの結果を求めるためです。「変革目標」は以下の3からなります。
1.カスタマーバリュー創出
2.ビジネスモデル
3.対応戦略
カスタマーバリュー、つなわり、顧客にもたらしている価値には、コストバリュー、エクスペリエンスバリュー、プラットフォームバリューの3つがあります。それぞれのバリューには、5つのビジネスモデルがあります。これらのビジネスモデルは、『DX実行戦略』の著者らが、デジタル・ディスラプションの仕組みを調査するために、B2CとB2Bを含む100社以上のデジタルディスラプター(破壊的な企業)のビジネスモデルを調べた結果判明したものです。
変革目標は、事業ごとに設定します。
3目の対応戦略には4つあります。
・収穫戦略:ビジネスモデルの大きな変化はない。従来の変革のアプローチで対応できる(右上に当てはまらない)。ディスラプターの脅威をブロックし、攻撃されている事業から得られる収益を最大化する。
・撤退戦略:ビジネスモデルの大きな変化はない。従来の変革のアプローチで対応できる(右上に当てはまらない)。収益が枯渇したら事業から撤退、もしくはニッチな市場に移動する。
・破壊戦略:ビジネスモデル用いて、カスタマーバリューの創出を行う。DXのためのアプローチが必要(右上)。自らのコアビジネスを破壊、もしくは新しい上を創出する。
・拠点戦略:ビジネスモデル用いて、カスタマーバリューの創出を行う。DXのためのアプローチが必要(右上)。ライバルを出し抜いて新しい市場で競争に勝利する。
このような戦略の話が必要なのは、既存企業がディスラプターとどのように戦っていくのかの話であるためです。『DX実行戦略』と『対デジタル・ディスラプター戦略』では2つのコンセプトが提案されています。
・バリューバンパイア(価値の吸血鬼):自らの競争優位によって市場全体の規模を縮小させるディスラプティブな企業。
・バリューベイカンシー(価値の空白地帯):デジタル・ディスラプションによって生じた、市場で利益を享受できるチャンス。
バリューバンパイアやバリューベイカンシーに対し、どう対応していくのかが対応戦略になります。

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話のロジックとしてはこんなイメージです。

1.デジタル化できるものはデジタル化される。
2.デジタルを使いこなす新興企業(デジタルディスラプター)は、顧客にとって価値あるものを提供するために、デジタルで可能になったビジネスモデルを使う。ディスラプターは、市場規模を縮小させる傾向がある。ただし、顧客にとっては価値があるので、既存企業にとっては市場シェアを奪われることになる。
3.既存企業は、新たなデジタルビジネルモデルを導入し、デジタルディスラプターと戦う必要がある。ただし、デジタルビジネルモデルは、組織全体に影響するような変更を要求する。既存企業はデジタルディスラプターと比べて、組織的な変革を行うことが難しい。組織の規模や依存性、ダイナミズムが、変革を難しくする。
4.したがって、既存の企業は、組織変革のための新しいアプローチが必要となる。

4以降の話については『DX実行戦略』で詳しく述べられています。

今回の話

前回の記事では、『マーケティング大原則』という書籍をもとに、この書籍でのマーケティングの定義を確認しました。そこでは3つが挙げられていました。
①人の心に何かしらの影響を及ぼして結果的に行動を変えること
②目的達成のためにすべきすべてのことを行うこと
③成功が継続するような仕組みを作ること
本連載は、DXとマーケティングの関係性を分析するものですから、この定義とDXの定義の関係性を明らかにできるのが望ましいこととなります。『マーケティング大原則』では、このマーケティング定義からマーケティングにおける活動の原則が紹介されています。これは、1つ目の原則として紹介されているものであり「コンセプトこそ、マーケティング活動のすべての中心」というものです。

今回の記事では、このコンセプトというものを確認しながら、DXとの関係性を分析したいと思います。特に、DXにおける重要な要素である「ビジネスモデル」との関係性を見つけることを一つの焦点としていきます。

ビジネスモデルとしてはもう少し具体的には『DX実行戦略』『対デジタル・ディスラプター戦略』で紹介されているビジネスモデルをイメージしていきます。これは、ビジネスモデルは、顧客に提供する価値の違いから「コストバリュー」、「エクスペリエンスバリュー」、「プラットフォームバリュー」の3つに分類されます。
<コストバリュー>
価格を下げたり、その他の経済的利益を提供することで競争力を高める。
・無料/超低価格:対価を求めず、製品やサービスを無料提供。キャッシュバックやリワード。利益はわずか、もしくはゼロ。フリーミアム。
・購入者集約:人や時間に対して、コストを分散させる。
・価格透明性:価格を比較することで有利な条件で取引できる。
・リバースオークション:逆オークション形式の販売。競争入札。投げ銭方式。
・従量課金制:使用または消費した分だけ対価を支払う。

<エクスペリエンスバリュー>
顧客に優れた体験を提供することで競争力を高める。
・カスタマーエンパワメント:セルフサービスを可能にする、中間業者の排除、DIY。
・カスタマイズ:製品やサービス、体験をパーソナライズする。
・即時的な満足感:製品やサービス、付加価値体験をリアルタイムで、もしくはモバイル機器など新しいデバイスを通じて届ける、非物質化。
・摩擦軽減:さらなる単純化、効率の向上、情報の集約。
・自動化:解析や低コストの労働力を使ったプロセスの自動化

<プラットフォームバリュー>
顧客にポジティブなネットワーク効果を提供することで競争力を高める。
・エコシステム:
標準化された道具や基盤、環境、サンドボックスを提供して、他社が独自に価値を創出できるようにする。
・クラウドソーシング:参画者たちのエコシステムから何らかの提供を受ける。
・コミュニティ:受信者のネットワークやコミュニティを通じた情報の流布。クチコミのコンテンツ。
・デジタル・マーケットプレイス:個人と集団を結びつける。マーケットプレイス機能の創出。共有型経済とP2Pの力学。
・データオーケストレーター:センサーや機械のデータを組み合わせて、新しい洞察を引き出すために解析する。

戦略的コンセプト

『マーケティング大原則』では、「コンセプト」とは、「誰に何を提供するか」として説明されるものであるとし、5つの要素からなる「戦略的コンセプト」が解説されています。
・A(Audience):ターゲット
・B(Benefit):消費者便益
・C(Category):カテゴリー
・D(Point of Difference):差別点
・E(Emotional Character):トンマナ(トーン&マナー)
これら5つの要素を定義することにより、ブランドや製品・サービス、コミュニケーション、イベントなど、すべてのマーケティングを一貫性を持ちながら、効率的に考えることができる、としています。

その1:ターゲット

まずは、1つ目ターゲットについて。

①ターゲットは、その製品やサービスを使ってもらいたい消費者のことです。性別や年代、ライフステージなどの他、アウトドア志向の人や猫好きの人といった嗜好性に応じたターゲットもあるでしょう。ここで重要なのは、最終的にどのようなメディアでコミュニケーションをするかを想定しながらターゲットを決めることです。どんなに精緻にターゲットを設定しても、そのターゲットに効率的にリーチできるメディアがなければ、机上の空論です。
──『世界的優良企業の実例に学ぶ 「あなたの知らない」マーケティング大原則』, 足立 光, 土合朋宏, p.17

「ターゲットを決めること」と「ビジネスモデルを決めること」との間には、どのような関係性があるのでしょうか。『DX実行戦略』でのDXにおいて、ビジネスモデルを決めるのは、カスタマーバリューを提供するためです。企業がどのようなカスタマーバリューを追い求めるのかは、どの対応戦略(収穫戦略・撤退戦略・破壊戦略・拠点戦略)をとるのかで決まります。どの対応戦略を優先するのかは、『DX実行戦略』では以下のような20の質問からなるシートを使うことが参考になるとしています。各戦略での質問に「はい」か「いいえ」答えた結果、「はい」最もが多いものが有力な戦略です。なお、この作業は事業ごとに行います。現実的には、有力な戦略一つだけというよりも防衛的戦略(収穫と撤退)と攻撃的戦略(破壊と拠点)をバランスよく混ぜた「ポートフォリオ型アプローチ」がとられます。

<収穫戦略>
・この事業はディスラプターからの異常な市場圧力にさらされているか?
・「バリューバンパイア」が市場に存在しているか?
・デジタル化による効率向上やコスト削減で競争力を保ち、利益を維持もしくは増大できるか?
・ディスラプターをブロックできるか?(訴訟や積極的な対抗マーケティングなどで)
・収益が減っても少なくともあと2年間は、この市場はあなたの会社にとって旨みがあるか?
<撤退戦略>
・この事業は「変曲点」を通過しており、もはや資本利益率は魅力的ではないか?
・小規模だが利益をあげられるニッチな(ディスラプターが興味を持たない)市場で、特殊な顧客を対象にして今後二年間は事業を維持できるか?
・損失を出したとしても、他部門との相乗効果でこの事業を継続する旨みを出せるか?(目玉商品として売ることで顧客を囲い込むなど)
・他部門に移せば、利益に貢献できそうな資産や知的財産、プロセス、人材を持っている事業か?
・あまり大きな費用をかけずにこの事業から離脱、もしくは売却できるか?
<破壊戦略>
・デジタル技術やデジタル・ビジネスモデルを使って、この事業のカスタマーバリューを劇的に改善できるか?
・従来のバリューチェーンを使わずに、バリューを一からつくり直すことはできるか?
・「バリューベイカンシー」があることに気づいているか?
・この業界のマージンは大きか?(ジョブ・べゾフ風に言えば「あなたのマージンは私のチャンス」)
・新市場を形成する、あるいは隣接市場に参入することで、既存の製品やサービスもしくは能力を利用できるか?
<拠点戦略>
・あなたの会社にとって魅力的な市場は、すでにライバルによって破壊されてしまったか?
・あなたがターゲットにできる堅実な「バリューベイカンシー」はあるか?
・長期にわたり市場リーダーの地位を獲得できる道筋はあるか?
・(他社ではなく)あなたの会社がディスラプションを起こしたら、製品やサービスを変更する、もしくは激化した競争に対応するために経営にてこ入れする必要があるか?
・「バリューベイカンシー」を破壊して競争勢力図を一変させてしまうような「次の」ディスラプションはあるか?

戦略ごとに、追い求めるカスタマーバリューが決まります。
コストバリュー      収穫:○ 撤退:○ 破壊:△ 拠点:○
エクスペリエンスバリュー 収穫:○ 撤退:○ 破壊:○ 拠点:○
プラットフォームバリュー 収穫:  撤退:  破壊:○ 拠点:○

カスタマーバリューが決まったのなら、ビジネスモデルを考える必要があります。

戦略的コンセプトにおける「ターゲット」の決定を上記の文脈でどのように解釈できるでしょうか。一つは、「ターゲット」の決定は、対応戦略を決める20の質問の中では、関係するかも知れないとしても、具体的すぎると思われることです。「ターゲット」を決めることが、DXとしての戦略を直接決めることにはならないと思われます。また、「ターゲット」を決めることは、どのようなビジネスモデルにするのか、という決定との関わりも遠そうです。

その2:消費者便益

続いて、消費者便益です。

②消費者便益は、ターゲットに対して、訴求すべき製品・サービスの便益です。たとえば、「名探偵コナン」なら「夏休み、親子で楽しめるサスペンス・ミステリー」。「007」なら「夏の夜、恋人と見に行けるサスペンス・アクション」といった具合になります。IT系のサービスなどでは、ついつい新機能などを訴求したくなりますが、あくまでそれらの機能で消費者にどのような便益があるかが大切です。(省略)
──『世界的優良企業の実例に学ぶ 「あなたの知らない」マーケティング大原則』, 足立 光, 土合朋宏, p.18

ここで分かるのは「ターゲット」が決まった後の話だということです。したがって、DXとの関係性に関しては「ターゲット」のときと同じ議論が当てはまります。「消費者便益」を決めることが、DXとしての戦略を直接決めることにはならないと思われます。

その3:カテゴリー

続いて「カテゴリー」です。

③カテゴリーは、ドメインやジャンルとも言い、ライバル(競合)は何かという、ポジショニングに関わる要素です。たとえばコカ・コーラは、カテゴリーを「コーラ飲料」と定義したら競合は「ペプシ」になります。けれども「飲料」としたら、ビールもコーヒーも水も、人が口にする飲み物は全部ライバルになるわけです。それを「ソフトドリンク」という定義にすると、お酒以外の飲み物が競合になります。製品・サービスのカテゴリをどう定義するかによって、想定する競合が変わってくるため、広告や施策がまるで違ってくるわけです。
コカ・コーラのカテゴリーがコーラ飲料なら、ペプシに対抗できる便益(ベネフィット)を提供しないといけません。ソフトドリンクなら、「お~いお茶」を飲まずにコカ・コーラを飲んでください、といった便益を提供しないといけないことになります。
(中略)
正しい戦略を作るためには、その製品・サービスが顧客視点から何と競合しているのかというドメインを的確に見極めることが重要なのです。
──『世界的優良企業の実例に学ぶ 「あなたの知らない」マーケティング大原則』, 足立 光, 土合朋宏, pp.19-20

ここで分かるのは、恐らく、製品やサービスが決まった後の話だということです。したがって、DXとの関係性に関しては「ターゲット」のときと同じ議論が当てはまります。「カテゴリー」を決めることが、DXとしての戦略を直接決めることにはならないと思われます。

その4:差別点

次に「差別点」です。

④差別点は、ターゲットに対して訴求する製品・サービスの便益が他より優れていると、消費者に信じてもらえる要素です。たとえば、「名探偵コナン」を「おもしろい」と推薦するのには、「子どもの気持ちを代弁する子どもが主役であること」がいいでしょうし、「007」なら世界を飛びまわって活躍するアクションシーンかもしれません。(省略)
──『世界的優良企業の実例に学ぶ 「あなたの知らない」マーケティング大原則』, 足立 光, 土合朋宏, p.20

ここで分かるのは「ターゲット」が決まった後の話だということです。したがって、DXとの関係性に関しては「ターゲット」のときと同じ議論が当てはまります。「差別点」を決めることが、DXとしての戦略を直接決めることにはならないと思われます。

その5:トンマナ(トーン&マナー)

最後に「トンマナ(トーン&マナー)」です。

⑤トンマナ(トーン&マナー)は、商品や広告のデザインのクリエイティブでよく使われる言葉です。たとえば「名探偵コナン」のテレビCMと「007」のテレビCMのトンマナは、同じサスペンスであっても、画面の色調は前者が明るい鮮やかな色調、後者が渋い落ち着いた色調などと、まったく違うわけです。
(中略)
たとえば、新製品の洗剤のマーケティングで、科学的な優位性を消費者に伝えようと思ったら、広告はもちろん、製品パッケージのビジュアルでも、科学的に信頼性があるようなトンマナにする必要があります。しかも、ターゲットである主婦にも響く、かつそのブランドらしい(差別化された)トンマナが求められるわけです。
それらを統一するのがトンマナです。デザインの方向性だけにとどまらず、音楽や雰囲気なども含む全体的な要素を定義して、共通認識にしておくことが大切です。(省略)
──『世界的優良企業の実例に学ぶ 「あなたの知らない」マーケティング大原則』, 足立 光, 土合朋宏, pp.21-11

ここで分かるのは、デザインやクリエイティブに関わる決定や定義とのことで、DXとの関係性に関しては「ターゲット」のときと同じ議論が当てはまります。「トンマナ」を決めることが、DXとしての戦略を直接決めることにはならないと思われます。

まとめ:戦略的コンセプトとDX

「戦略的コンセプト」の5つの要素をみてきました。最初に述べたように『マーケティング大原則』では「コンセプトこそ、マーケティング活動のすべての中心」という原則を一番最初の原則として掲げています。
・したがって、この「戦略的コンセプト」における決定が、マーケティング活動における主要な範囲を決めているといっても良いでしょう。
・そして、この範囲は、『DX実行戦略』における決定の範囲から見ると狭いことが分かりました。「戦略的コンセプト」を決めることは、DXにおける組織的な戦略(対応戦略)とビジネルモデルを決めるわけではなさそうです。
・また、マーケティング定義における要素の一つである「②目的達成のためにすべきすべてのことを行うこと」の「すべて」には、DXに関わる活動は含まれてないと考えられます。

次回は、『DX実行戦略』における変革プログラムの実行方法に関して読み解き、その中にマーケティングに関わる要素があるかを見ていきます。次の記事はこちら

過去の記事

第1回はこちら。経産省のDXの定義とマーケティングとの関係について考察しました。
第2回はこちら。『DX実行戦略』におけるDXの定義とマーケティングとの関係について考察しました。
第3回はこちら。「無料/超低価格」のビジネスモデルを分析しました。
第4回はこちら。「購入者集約」のビジネスモデルを分析しました。
第5回はこちら。「価格透明性」のビジネスモデルを分析しました。
第6回はこちら。「リバースオークション」のビジネスモデルを分析しました。
第7回はこちら。ここまでの記事をまとめました。
第8回はこちら。「従量課金制」のビジネスモデルを分析しました。
第9回はこちら。『マーケティング大原則』という書籍におけるマーケティング定義を確認しました。

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