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豪華なのに地味に見える不思議/『七人の秘書』

木曜夜はテレ朝だ。
警視庁捜査一課長の大岩課長が土門さんに、そして同じ警視庁捜査一課の小山田管理官が藤倉刑事部長に戻り、科捜研のマリコさんと一緒に帰って来た。

その『科捜研の女』に続き、午後9時から放送されているのが七人の秘書だ。


『七人の侍』『七人の女弁護士』『七人の刑事』、そして『七人の秘書』。昔から、物語はなぜ七人なのか……なんて事はさておき。このドラマは、現役秘書や元秘書たちが裏で集まり、のさばる上級国民やパワハラ上司を懲らしめる現代版必殺仕事人のような話。といっても、人を殺めることはない。

脚本は中園ミホさん、林誠人さん、香坂 隆史さん。そう、これは『Doctor-X 外科医・大門未知子』組だ。

主人公は、木村文乃さん演じる大手銀行の派遣秘書・望月。やさしくて芯の強い熙子さま(『麒麟がくる』より)が、現世でこんなところにいらっしゃる。

この秘書軍団には、他に室井滋さん、菜々緒さん、大島優子さん、映画『新聞記者』のシム・ウンギョンさん。そして望月と同じ銀行の頭取秘書を広瀬アリスさんが演じる。秘書軍団以外にも、岸部一徳さんや萬田久子さんなど超豪華メンバーがキャスティングされている。

なのに、なのに、画が地味に見える不思議さよ。なんでやろ!?

第1回を視聴後、これをずっと考えていた。

秘書軍団があまりに全員ソツなく普段の秘書仕事と裏仕事をこなすため(室井さん演じる鰐淵だけは、やけに昭和風味な探偵家政婦だけど……)、誰もギャーギャー言わないし、動きも機敏。唯一わめくのは、影の秘書軍団ではないアリスちゃんぐらい。だから地味に見えるのかもしれない。うー、わからん。

この軍団をまとめるのは、江口洋介さん演じる元秘書・現在ラーメン屋店主の萬。江口さん、先日まで放送されていたNHK土曜ドラマ『天使にリクエストを~人生最後の願い~』では、自堕落な生活をする元刑事だった(第4回は泣きました)。

今回は元刑事ではなく、元秘書。そして影の秘書軍団の元締め。必殺仕事人でいうところの中村主水だ。ラーメン屋でのヨレヨレTシャツと、副業・司法書士でのスーツ姿とのギャップが眩しい。眩しい! 二度言っちゃった。

でもラーメン屋で頭にタオルを巻いている姿を見ると、キャップを被ったあんちゃんを思い出しちゃう世代なんだよなあ(笑)。当時は「この人が歳を取ったらどんな役者さんになるのかな?」なんて考えもしなかった。

今もその演技を見られるのは、大げさでも何でもなく、奇跡なんだって思う。その人の努力と観客のときめきと、いろいろな偶然必然のパズルの組み合わせなんだろうなって思う。ひとりの俳優の役者人生を画面越しに感じ続けられるのは、当たり前じゃないんだ。


しかしまぁ何度も言っちゃうけど、豪華なキャスティング。


で、このドラマ一番の豪華キャストといえば、

ナレーションの岩下志麻さん!!

画面から聞こえてきた声に、「もしや、姐さん!?  姐さんですか!?」と心の叫びが飛び出してしまった。自分の気持ち的には極主夫道のカチコミ大好き舎弟の雅・志尊くん。いや、あちらの稲森いずみ姐さんも最高だけど。

確信が持てなかったため、エンドロールにて確認。やはり岩下志麻さんだった。

本気で豪華すぎるだろう、このドラマ……。

うーむ、悩んで、悩んで、咀嚼して、とりあえず今夜も視聴してみようか。

(余談)
豪華キャスティングといえば、ドラマ『共演NG』も。残念ながら、我がまちはテレ東さんが映らない(泣)。こういうときこその「TVer」よ、ありがとう。だけど何かと話題のスポンサーCMがないし、これはリアルタイムで楽しむべきドラマのような気がする。なんでうちはテレ東さんが映らないのか……。


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