尾崎豊を普及させたあの子のこと。
中学1年生の秋、当時私の通っていた田舎の学校に大阪から転校生がやって来た。その子はみっちゃん。
詳細は聞かなかったが、祖母の家でしばらく暮らすことになったのだと本人は話していた。初めての転校生。みっちゃんはチャキチャキとして明るかったけれど、誰とでも仲良くなれるタイプではなさそうだった。
最初は好奇な目で見ていた。だって、猪が出るようなところに大阪の街から転校生が来るなんて。しかも「こんな田舎なんか好かん」と、はっきり言う子だったし。嫌なものは嫌、好きなものは好き。だから