人生迷子中の人におすすめしたい/小説『オオルリ流星群』(伊与原新 著)
少し前に、ある雑誌の感想を送ったら3,000円分のクオカードが送られてきた。懸賞に当たったことなどない人間なので、オドオドしながらカードを持って書店に行き、手にしたのがこの本だ。「流星群」と「天文台」ということば、そして登場人物たちが私と同じ、バブルがはじけた後の就職難世代であることになんとなく魅かれて購入した。
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人生諦めモードの久志、情熱があるわけでもなく、日々淡々と教鞭を取る千佳。番組制作会社を辞めて弁護士を目指す修、現在ひきこもり生活中の和也。天文台づくりを