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詩 ≒ poetica

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#詩

めでた詩歌|詩

めでた詩歌|詩

なしてや不思議

紫雲英に坐しゃる

べざい天

ほのぼのる

かわゆし声を

聴かしてくれりょ

なじか知らねど地に生がりゃ

いたしかゆしのイラクサ原さ

通うてお宿

求めにゃならぬ

せめても歌は

愛でたけれ

あれ愉しや快し

くるくるくるりん

くるしゅうない

なじょかして

ひなた蒸されのイラクサ原さ

沓むも かろがろ 躍りでよ

くっちゃべり

四の五のつづけず

一節あそぼ

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夜ブランコ|詩

夜ブランコ|詩

目  眩  う  宙  に

振  ら  ぐ  足  よ

今  に  在  ら  ず

時  の  端  ぐ  れ

月  も  揺  さ  ぶ

風  を  漕  げ  ば

羽  や  ふ  わ  り

星  ま で  届  こ

空  も  触  れ  る

胸  の  素  さ  よ

photo & poetica by...十阿弥 阿世

空へ|詩

空へ|詩

透 く よ

透 く よ

陽 の す じ 浴 び て

貝 が ら 骨 か ら

は え だ し た

君 が 背 な 羽

は ば た け る

水 彩 の 空 は

あ ゝ 何 処 ま で も

果 て ど な さ げ に

お お ら か で

た た み こ め た

背 な 羽  を

ひ ろ び ろ げ て も

ゆ る さ れ る で しょ う

透 く よ

透 く よ

陽 の

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美籠|詩

美籠|詩

こゝろは

ゆりうごく

美籠のやう

この世の木の下

はらはらと

落ち葉する言

美籠に

降りたまれば

ところどころへ

ちらぢらし

とどけたきかな

えがきたきかな

葉の綾つづり

photo & poetica by...十阿弥 阿世

言問ふ|詩

言問ふ|詩

鋸岳に水源があるという

一級河川・・・

富士川。

万葉集にも登場した川なのだそうよ

日、出る国の風景。

日本抒情を湛えた川水の景に、

詠う心を 誘われまして 詩を添えて。

. ・ ° ・ 。. ・ ° ・ 。. ・ ° ・ 。

『 言 問 ふ 』



おのず

立つ瀬に

こゝろ

瀞むを

流るるを

あらかた観ては

小耳澄まして

聴きつづるか

水の

しらべて

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パント•マイム•シャボン|詩

パント•マイム•シャボン|詩

           シ    °      .
  ャ          .             の
                   .
ボ           中                 ア
                 ・
   ン                .     リ
              バ     .
                 

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° 水 、の 、中。|詩

° 水 、の 、中。|詩

°
o

O
.
°.

.

真  水  の  な  か  に

た  ぷ  り た  ぷ  ん

さ  ら  さ  れ  る

°
o

O
.
°.
  。

水  液  の  な  か  に

ぽ  か  り  ぽ  か  ん

う  か  ん  で  る

°
o

O
.
°.


ど  っ  ち  な  の
ど  っ  ち  で  も

°
o


O
.

°.

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お寝夢|詩

お寝夢|詩

う と う と

う と う と

眠 っ け

思 惑 も

消 え ぎ え て

きもち

と う と う

と う と う

無 音

ラ ム プ の

灯 り に

透 け て み え る

裏 ま ぶ た の 肉 色 は

淡 ひ 夕 暮 れ の



享 け た

六 感 で 呼 び

醒 ま さ れ る ま で

お 寝 夢 り

つ づ く



photo & poetica

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傷|詩

傷|詩

欠けたカケラは
わたくしの
薬指の白い爪

爪先の端は
甘く鈍い切れ味の
ちいさな刃に化けた

浅い睡りのはざまで
掻り 掻り 掻り 掻り
肌を掻き

容赦もなく心無く
いたずらに肌身
傷つくる

ベッドサイドの白色ランプは
然も人工の月よろしく
嫋やかに光って

仄か
照らしだされた手腕の
しらじら幽けく浮かびあがるわ

あゝ

滲んだ
血の玉が潤めく
傷から涌きいずルビーのやうに

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星衛り|詩

星衛り|詩

たとえるなら

宇宙空間に

.

漂流する



一個の衛星

*.

なんだよ

.
*

.
.*

ほぼ

.*

おんなし周期で



まわるよまわる

.

ほぼ

*.

おんなし衛星

.

なきかな

.
*

.
.*

あろかな

.

い  つ  ま  で


*

飛  ん  ぼ

.

星衛り

*.

飛  ん  ぼ

.
*

.
.*

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母味|詩・随想百感

母味|詩・随想百感

母味は

吾が子においしい

こころ味

下手に上手くて

おいしかろ

心身はぐくむ

根源よ

料理名人とて

およばぬさ

母味は

吾が子においしい

こころ味

photo & poetica by...十阿弥阿世

〜 随想百感 〜

思いだしたら
ほほ笑ましくて、
食べたら無性に懐かしい...

そんな

ぬくもる感じに包まれる、
自分のために作られた
手料理の記憶...

あるので

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逢 瀬 坂|詩

逢 瀬 坂|詩

振る袖からまり

逢ふたが仕舞ひの

百年目

をみな盛りを

君ヶ坂

のぼせて暮れる

婀娜えにし

閨の暗す間

甘き言なら

縄の罠

憂き身つひやし

七つ吐息に

美も死ぬる

撫ぜる手に

情けもなくて

男人こそ

思はぬ愛染

かえりみて

かなし君

断つ

衣々あした

切に惜しくや

さようであらば

photo & poetica by...十阿弥阿世

言、葉らり、、、。| 三聯詩

言、葉らり、、、。| 三聯詩




   、




  、













  、



  、

  、

       降
     り

       ふ
         る
         ふ
       り

      ふ
    る
    ふ
      り
       触
       れ
     

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ヱッセンス:詩

ヱッセンス:詩

豐かな水から一掬を

手皿に滿たしたなら

指の隙から泪のやうに

したたり落ちてゆくけれど

汲みとれた

その僅かさこそが

ヱッセンス

御惠みの

一滴

photo & poetica by...十阿弥阿世