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男と歩くと瞬く間に村中の噂になる

いつの時代やねん!って思うけど、私の娘時代はそうでした。そんな村ってわかってるから、私も気をつけていたのに・・・

案の定、祖母が残念そうでテンションが下がっている。

彼が一緒だから、村の人に会わなさそうなところを歩いていたのに、思いがけないところで裏の田んぼのひろっさんに遭遇。

ひろっさん⬇

ひろっさんは田んぼだけでなく、山にも現れるのか・・・

祖母は噂話が好きだけど、自分の家族のことを言われるのは嫌なのです(誇らしい学歴以外)。

例えば、父と弟が大喧嘩するとします。すると祖母は決まって

大きな声出しない!なりゃ悪い!


と言います。「なりが悪い」…祖母は、世間体をすごく気にするのです。

「〔ゆきわ〕ちゃんが男と歩いてた」ってのが、どうやら祖母的にはまずいようで。

そういえば祖母に、男を家に連れてくるなと言われたことがあった気がします。

男がいたら、いい結婚相手を紹介してもらえないとか、そんなことを心配していたのでしょうか。

ちなみに、ひろっさんは悪い人ではありません。ひろっさんの存在感が増したので、マガジンを作ってしまう私⬇

ひろっさんは多分、喉の病気で手術をしていて、それがきっかけで声がかすれていた。何を言ってるかはわかるけど、普通の声ではなかった。

ある日、いたずら盛りの子どもだった私たちは、あぜ道の横の側溝に身をかがめ、カズノコグサの先端でカエルを釣っていました。

そこに、いつもの長靴姿のひろっさんが通りかかり、かすれているけどハリのある声で

フライにしてもらえ


と。懐かしい田園風景。お茶目なひろっさん。

ひろっさんも、もうこの世の人ではありません。お葬式で、みんな泣いていたそうです。

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