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セルフブランディング(自)問(自)答 ⑥

昨日ブランディングのワークショップを行ったのですが、ご参加いただいた方からの質問があり、もしかしたら他の方でも同様の疑問を抱かれているのではないかと思い、それをトピックに今日は話します。前回までは自問自答によるブランド解説でしたが、今日は(他)問自答ですね。
ちなみにこのマガジンは「セルフブランディング」をテーマにしたシリーズの続編です。自身、自社のブランド価値をあげたい。サービスを高く売りたい。認知度を上げていきたい。そんな方に向けて「ブランド」関連の知識ノウハウをまとめたFAQマガジンです。


(自)問 ⑥

ブランド立ち上げの前に
ロゴを作った方がいいですか?



ブランドって、家畜の焼印が発端になった歴史があり、そもそもブランドには何かのマークが必要だという認識はどんな方にもあると思います。
そこで今の時勢でブランドを語るとき、焼印するだけで済んでいた時代とは別の見方が必要になります。ロゴは謂わば時代を得ても焼印は焼印です。焼印としての機能が必要ですが、でも今の時代はそれだけだとダメだよということです。説明します。

まず焼印ってそもそも、「この牛とあの牛は、ワシの牛だから」ってことだったと思うんです。隣りの牧場の「やつの牛との区別をするんじゃ」ってことだったかもしれませんし、牛を屠畜する際の肉の品質を識別するための理由もあったのかもしれません。いずれにしても焼印は以下の機能でした。

何かと何かを区別するため


判別性」ですね。では今はどうかというと、焼印としてのロゴ機能は本質的には変わりませんが、いわば100平方メートルないし1平方キロメートル範囲内にある牧場があまりにも多すぎる!
だからもう焼印を押したくらいでは識別がしにくいんですね。そこで、その焼印であるロゴに、ブランドのアイデンティティや理念を反映させた、形ないし色、象徴を込める必要が出てきました。つまり同業他社の多さ、マーケット規模の拡大に応じて焼印機能としてのシンボルロゴマークの扱われ方が進化してきたということになります。では、そこでこの質問への回答です。


マークを作る前に
ブランド理念を作ってください。


ってことになります。逆はあり得ません。

ロゴやシンボルマークというものは、それは「あなたの企業のものですよ」と判別できるものであり、理念が反映されたミニマルな色と形を纏った象徴です


ついでにロゴ制作市場のお話を少し。
ロゴやシンボルはスキルマーケットなどでは破格で作る業者が存在します。Aiサイトもお手軽に生成します。それも数秒で数十パターンものロゴを提案するサイトも存在します。それをありがたく使うのはブランドを大切に立ち上げる起業家のやることではないです。ご自身の大切なブランドのロゴ開発において、速さと安さは決してブランドの象徴イメージ向上に役立つことはありません。ではなぜか。

無形の理念を形にすることは、時間がかかるからです。デザイン制作において多くの試行錯誤が必ず必要となるからです。そして長年の経験も必要です。これが本来のロゴデザイン費が今では一般化しつつある?市場価格より高い理由です。

「安くてもいいものはある」
確かにそれもあると思います。否定しません。

私は「イラストレーターが使えるから」と言って素人にロゴは作らせません。自分のブランド理念をしっかり反映してもらいたいからです。
ミシンが動かせるからといって、第一線の人間との交流イベントに着る服を作らせませんし(経験)、ユニクロの服もきていきません(価格)。

そこ手軽におさめるところですか? と。

ロゴやシンボルはブランドの顔です。みなさんが広告を打つ、自己紹介する以外の時ですら、みなさんが見えないところでそのロゴを目にする人々の視覚に訴求します。記憶されます。判断されます。そして怖いのが一度判断されたら、その後のイメージ刷新は容易ではないですよ?ということです。
ロゴを含めたリブランディングの難しさはこれにあります。

では仮にみなさんがブランド開発においてロゴ制作に予算を確保できなかったとします。その場合は、別に無理して作らなくていいんじゃないかというのが自論です。中途半端なものを作って発信させるのであれば、むしろない方がいい。予算が確保できたらしっかりブランド理念から相談して、それを形にできる専門家に依頼する。それでいいのではないかと。現在のAiのロゴ生成レベルにおいて複雑な思想を形にするほどのクリエイティブ思考はありません。

ロゴってブランド開発の当事者だけの問題でなく、受け止める顧客側の認知の問題が大きいと考えると自ずと制作の依頼先は迷わないのではないのかなと思います。



(自)答 ⑥

ブランド理念を作った後に、
ブランドロゴを作ること



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