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ブランドの価値は測れるのか? [売上編]

はたして「日々の売上からブランドエクイティ(ブランド価値)は測れるのか?」 今日はこの問いに対して考えていきたいと思います。

「ブランディングはうまく行ってますか?」

と言われて、「うまくいってます」「うまくいってません」と簡単に答えられるものじゃないのです。理由としては、ブランドは「発信者側」の問題じゃないというところにあります。ブランドはそれを愛用するファンの心情の中にだけ存在することもあり、ブランディング効果は定量化しにくいです。
では効果はどうしても測れないのか? と言われるとそうでもなかったりする。その測る基準の一つが「売上」です。今日はこの「売上」からブランドの浸透がどれだけ測れるかという内容で書き進めます。


某会社のブランド商品が市場シェアで「1番」をとった



ある特定の業種と市場でトップシェアをとったとします。業績としての1番は証明できても、ブランド価値が市場で1番かどうかは業績からは測れないんです。もちろん売れているので、ある一定のブランド力はあると見てもいいかもしれませんが、わかりません。


業績 ≠ ブランド力


ここでおさらいなのですが、ブランド力は何かというと以下のようにいうことができます。



ブランドアイデンティティの浸透度の深さ
× 絶対数(ファンの数)

ブランド力

ブランド力とは、言ってみれば完全に可視化できません。業績はそれを測る一つの指標ともなりますが、イコールで語れません。これにはファンの愛着度に関係してくるので、単純に業績の数字だけではわからない。つまり、業績からブランドは測りにくいと言うのが結論になります。


では、実際にある業績を事例にこの問題を考えていきます。
仮に「1番」を見極める基準が「たくさんの人に売る」ということであれば
以下はいかがでしょうか?


A  10人が1個買う商品から上がる業績
B  5人が2個買う商品から上がる業績 
C  1人が10個買う商品から上がる業績


「A」が1番です


次に1番を見極める基準が「客単価」ということであればいかがでしょうか?


A  10人が1個買う商品から上がる業績
B  5人が2個買う商品から上がる業績 
C  1人が10個買う商品から上がる業績


「C」が1番です


次に1番を見極める基準が、「リピート率」だといかがでしょうか?


A  10人が1回買う商品から上がる業績
B  5人が2回買う商品から上がる業績 
C  1人が10回買う商品から上がる業績


「C」が1番です


では次です。これは少し判断基準が曖昧になりますが「ブランド力」だといかがでしょうか?


A  10人が1回買う商品から上がる業績
B  5人が2回買う商品から上がる業績 
C  1人が10回買う商品から上がる業績


「B」か「C」が1番


1見さんが10人いるのと、5人がリピートするのとでは、同じ業績でも意味が変わってきます。1度買ってよかったから、2度買うと考えるのが自然です。この意味ではBの結果はAよりもファンの愛着度は感じられます。一方で、Cのような1人で10回も購入しているコアのファンもいる。ブランド力観点で言えば、このBの5人よりもCにはブランド力が浸透しているといえます。ただ、ブランド力とはファンの数が多ければ多いほど高いと言えるため、仮にBの5人が今後リピートを続けたらBのケースがCよりもブランド力ではトップになります。つまりBは潜在的ファンです。


売上の内訳から評価する


結論としては、これになります。
つまり以下の3つ考えてみてください。


リピート率

客単価

購入先


リピート率と客単価で推し量る意味は上記の例でご説明してます。これの把握において、ある程度の規模の事業ではカスターマーの会員登録ということが必要となってきます。どのカスタマーが「どれだけの頻度」で「何を」「どのくらい」買っていっているのかを把握する手段です。

では購入先とは何かというと、例えば何かの服を買うとします。これをECサイトで買うのと、直営店で買いに行くのでは、カスタマーの中のブランドエクイティは異なります。わざわざ時間と交通費をかけて、直接確かめて販売員に商品知識をもらって購入する10万円の服と、ECサイトでワンクリックで買う10万円の服。同じ売上ですがブランドロイヤリティ(愛着度)は異なるといえます。
またECサイトでの購入でさえも、SNSからのダイレクトリンクから買うのと、Googleのオーガニック検索から買うのでは、ブランドロイヤリティ(愛着度)は異なるといえます。
上記の理由で、カスタマーがどこをえてその商品購買に至ったかを確かめることも有益だといえます。





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