お酒のアート感
↓ビールのタイトルに、お酒のアート(Art of Brewing)と書かれたビールの飲みながら考えた事です。
このビールの紹介文は、
ヴェルバーグ醸造所が造る、ベルギーのフランダース地方に古くから伝わるレッドビールの傑作。オーク樽熟成が醸し出す独特な酸味と上品な甘さの絶妙なハーモニーが特徴
興味津々で期待に胸を膨らませながら飲みました。
味は、、、好みでは無い。
酸味が効いている酸っぱいビール。強いコクとほのかな甘味を兼ね備えていて少しとんかつソースの味がする。
多分、ワインを飲む文化で作られたかのようなビール。
心の準備をせずに飲むと、腐ったビールと言い張る人が出てくることが容易に予想されるビールである
これがアートなのか?アートは不味いのか?と考えてしまいました。
これが一次的感想でした。
さあ、ここから美術館で絵を見た時によく自分が考える、この絵は何を意味しているのか?という自分との対話が始まります。
本日自分の思考をお手伝いしてくれる本は↓これです。
アートを生み出すアーティストこのように考えているそうです。
①「自分だけのものの見方で」世界を見つめ
②自分なりの考え方を生み出し
③それによって「新たな問い」を産み出す
「アート思考とは」こうしたプロセスであり、「自分だけの視点」で物事を見て自分なりの答えを答えを作り出す作法である。
という事が書かれています
これにならって考えてみます。
がその前に少し下調べ。
・ベルギーは ビール国家なので、ワインは飲むがワイン文化規模は小
・この醸造所はフランドル地方にある。
( 主にベルギーの西やフランス北部にかけての地域のこと)
・1300年代にはフランス王家(ヴァロア=ブルゴーニュ)ブルゴーニュ公とフランドル女伯が結婚し、フランドル地域はブルゴーニュ公国の一部になりました。その後ローマ系統、ネーデルランド(現 オランダ)の支配下に置かれたりという歴史でした。
さあ自分なりの思考です。
このビールがワインに使用されるようなオーク樽から作られているのか。
何故個性的で酸っぱい味なのか。ワインビネガー感を残しているのか?
このビールはこの地域に元々住んでいたベルギーのビール文化とフランスから移り住んできた人のワイン文化が混ざり合った証である。
文化が混じり合い交差する場所であったため新しい味のビールができた。
恐らく、この時代の人にっってイノベーティブな飲料だったのでは無いだろうか?
恐らく、この味はフランスのワイン通からもベルギーのビール通からも敬遠される独特のものであり、この地域に棲む人だけが美味しい!と言って飲むようなものだったのではなかろうか?
このビールに込められた意味、
それは、当時のこの地域の人々の個性やアイデンティティを認識するツールだったのではなかろうか。
そして今 Art of Brewingというラベルを貼るこのお酒は、数百年という年月を超えてタイムトラベルしその場所でこのお酒を飲む人が思いを馳せる体験を作っているのでは無いだろうか?
異文化同士が衝突し新しい豊かな物を産み出される多様性豊かな社会
それとも
一方の文化が駆逐され多様性が排除されるような弱肉強食社会の強者だけが生き延びるような社会
言うまでもなくフランスのワインも、ベルギーのビールもうまい。どちらが良いか?選べません。。。日替わりで気分が変わるかもしれません。
そして二項対立構造を作らず新しい何かを産み出すのも素晴らしい。
君の人生はどんな感じが良い?という問いを
投げかけているような気がしました。
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