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 天然のトイレットペーパー                   (上写真は今頃の あかめかしわ 新芽)  

あかめかしわ の目


           天然のトイレットペーパー
先日(4月9日)、福岡市東部のアイランドシティ~香椎海岸遊歩道(松本清張氏小説「点と線」の舞台)を歩いていると、「あかめかしわ」の新芽を見つけました。
 赤く、柔らかい布のような芽です。(表題写真参照)
これには私の幼少の頃の思い出が詰まっています。小学4年(昭和34年) 頃の話です。
 
 当時、私はよく祖父の山仕事、父母の畑仕事に付いて行ったりしていました。
 そこで、トイレに行きたくなります。小便だとその辺の草むらに立ちしょんべんでよいのですが、大便だと山の中とか草むらの人が居ないところを見つけ頑張ります。
 
 ですが、大抵ペーパーを持ち歩かないので、その辺の、ツワブキの葉、カボチャの葉、ヤツデ、キリの葉等の大きな葉っぱを見つけ、お尻を拭くのです。
 しかし、つるつるしてたり、とげとげしてたり、すぐ破けたりでなかなかうまく拭けませんでした。
 
 ある日、祖母に話したら、「かしわの葉が一番よか」(天草では「あかめかしわ」の事を単に「かしわ」と呼んでいました。)
付け加えて「かしわの葉には目が付いとるから見られたら、みたんなかで(恥ずかしいので)、目んところは取って拭かんば!」と教えてくれました。
 
 後日、かしわの葉をよく見ると、なるほど確かに葉の付け根付近にどの葉っぱにも目のような2つの点がありました。
 確かに、この葉は肌触りがよく、しなしなとしていて変形にもよく耐え、手頃なサイズで、どこにでもあり、「天然のトイレットペーパー」と言っても良いでしょう。
 ただし、重ねてやさしく拭かないと、破けて指に付いてしまいます。これを「運の尽き」(うんこの付き)と言います。
 

  以下は「あかめかしわ」の話です。

       (あかめかしわ の名誉回復)

遊歩道の あかめかしわ

「あかめかしわ」は一般に言う「かしわ」とは、全く違う種類です。しかしネットの情報には「柏手(かしわで)」とも言うように、何かを包む葉っぱであったのだろうとも記載してありました。
 
 今頃の季節に赤くて柔らかな新芽が出ます。普通、花に出来る蜜線が葉の付け根に出て、あたかも目のように見えます。ここによく蟻が蜜を求めて群がるそうです。
 
 また、繁殖力が強く新開地、道端にも根付き逞しい植物です。(写真参照)

道端の あかめかしわ

秋には黄葉して、秋の彩りの主役級にもなります。
 また、黄葉した葉っぱを噛んでいると、甘くなります。子供の頃はお腹をすかして、よく噛んでいました。
 ネットには薬効(薬草)もあると書いてありました。
 
 成長が早く、真っ直ぐな枝も多くて皮がむけやすいので、私の子供時代の遊び、「チャンバラ」に束のところだけ皮を残して上部を剥ぎ取ると、白い地肌が刀の様で人気でした。
                  終わり
 
追記、街路又は公園その他公衆の集合する場所で用を足すと、軽犯罪法違    反、あるいは公然わいせつになる可能性があるようですからご注意下   さい。




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