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月見 まる
2020年3月18日 06:53
墓守のドムはギュッと目を閉じ暗闇の中にいた。体の周りに集まる音の切れ端を掴んでいく。その音は少しづつ繋がり、そしてメロディーになっていく。ドムはその音階に自分の声を重ね歌を作っていった。それは、墓から吹く風とドムとの声を結ぶ「結びの歌」だった。 ______ ルンクク ルンララ 歩き出せ風と踊れ 夢の足ルンクク ルンララ 飛び出せ風と回れ 夢の指ルンクク ルンララ 追いこせ
2020年2月10日 07:22
母のデュサに手を引かれ家の外に出ると、すっかり夜は開けていた。墓守のドミノは村に人の姿が少ない事に気がつき眉をひそめた。 「皆んな、もう待ってるわよ。たくさん食べて行きなさいね」 そう言ってデュサは、村の中心にある大広間へとドミノを案内した。そこには赤ん坊から老人まで、村一同が集まり行儀よく座っていた。並べられた机には暖かな朝食が並び、父のドウカはすでに村長の席に腰を下ろしている
2020年2月3日 07:00
片目で見た夢 甘い虹眠った夢を食べたなら歌う花に声を縫う 行きなさい 生きなさい2つで1つ 可愛い星の子1つで2つ 眠る星の子 私の見た夢 7つの空はぐれた夢を追いかけて彩の風に冷めた息 帰りなさい 忘れなさい2つで1つ 光る星の子1つで2つ 先の星の子 ______ これは、代々受け継がれてきた子守唄。この「墓守」の村の子供達は、こ