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月見 まる
2020年3月14日 06:24
無事買い物も終わり墓守のドミノとドムは、小屋へ戻るため待ち合わせの場所で運び屋・アネモネと落ち合った。 「あれ? 何か可愛い子連れちゃって」 アネモネは、ドムの手のひらで踏ん反り返っている星の子・不機嫌顔のミィをつついて笑った。 「ミィって言うんだ」「この子、怒ってんの?」「いえ、生まれた時からこの様な顔らしくて」「そっちの子も連れてくの?」 アネモネがドミノのカバン
2020年3月9日 07:00
夢を解体するのは骨が折れる。そう言ったのは、第2の王レイのカル(後継者)「夢の壊人」の火影だった。夢の壊人は、ファミリー一族でその役目を務めていた。 夢を解体する時、夢内に溜まっていた風が外へと吹き出す。そして、火花を散らしながらバラバラになって消えてしまうのだ。 それは、まるで夜空に花火を打ち上げた様な派手さと、その後に残る儚さとがあった。 その解体の時に飛び散る火花を「
2020年3月8日 06:53
夢の壊し屋・ファミリーの火影は、墓守の兄弟・ドミノとドムに夢の壊し方について簡単に説明した。 「壊し屋は、位があってな、1番のトップが『リザード』って呼ばれる火炎滅(かえんめつ)だ」「リザード?」「こいつだよ」 火影は背中にくっついている第2の守護柱の「リズ」を指差した。リズはトカゲの姿をしているが、その大きさは猫ほどあった。爬虫類特有の固い鱗顔のリズは、長い尻尾を振って火影
2020年2月16日 08:17
墓守のドミノとドムの生活は毎日が新鮮だった。今まで村に住んでいたドムは、見たことのない植物や動物に。今まで山で1人っきりで暮らしていたドミノは、ドムの驚いた様子や反応1つ1つに。 小川の淵を覗き込むドムは、こちらを警戒する緑色の葉っぱを凝視した。ドミノは手頃な木の枝を拾い、ドムの隣に立った。 「食料は主に家の前の庭や、裏の畑で調達できます。もし、腕に自信があるのなら狩りをすればい
2020年2月15日 07:06
神の目の代わりとなる守り神の1匹、ロットから連絡が来てから2日たった。明日はいよいよ会議が開かれる場所に行かなくてはならない。ドムも小屋に来てから毎日が刺激的で休む暇が無かった。 お腹を下した時、熱が出た時、肌がかぶれた時……などなど、山に生えた野草は全て薬だと教えてもらった時は、ここは薬箱の中に立つ小屋だとドムは思った。 ドミノの後に着いて、改めて墓への道筋も覚えた。夜空の星の
2020年2月13日 07:04
薄暗い山道を歩く2人の兄弟、兄のドミノと弟のドム。ドムは墓守であるドミノの置いた足場を頼りに不安定な山道を進んで行く。 さらに一層暗闇が広がる山道へと差し掛かった。ゴツゴツとした大きな岩場には、何年もかけて木の根が張り付きそこに生い茂る木々や植物がトンネルの様に陽の光を遮っている。 「今、ランプを!」 ドムは荷物を下ろそうと肩に手をかけたが、ドミノは必要ないと首を横に振った。