レイン

とりあえず読んでみて下さい🙇 コメント頂ければ励みになります🙇

レイン

とりあえず読んでみて下さい🙇 コメント頂ければ励みになります🙇

最近の記事

赤らんたん

    • 赤らんたんに灯を入れて特別編 後章

      小さな赤いランタンだけで出来る明るさとは とても思えないほど、光のカーテンに辺りが 包み込まれました。 数秒間の沈黙… そこに佇んでいたのは紛れもなく照英が 逢いたかった人、富貴時辰さんでした。 「照英君、いや、あの頃と同じ様に " ショウエイ君 " と呼ばせてもらうよ! 久しぶりだね、ショウエイ君!」 「時さん!時さんッ!」 照英ことショウエイ君は時さんに抱きついて 大粒の涙を流しています。 「おいおい、一端の男が何泣いてんだい!」 時辰こと時さんはニガ笑いをしながら

      • 赤らんたんに灯を入れて特別編 前章

        今、貴方には逢いたい人がいますか? ある時間に、ある事をすれば 今はもう逢いたくても逢えない貴方の大切な 人と話が出来るという不思議な不思議な " 赤ランタン " を持って 明神希衣ばあちゃんと孫の結衣、 二人と一つの旅も始まってからもう半年が 過ぎようとしていました。 その間、あちこちのキャンプ場の一区画を 借りて、懐かしく時には切なく哀しい対話の 場を提供してきたのです。 様々な人達との出会いがありました。 ルール違反ではありますが、臓器移植のため 提供した男の子と

        • 赤らんたんに灯を入れて    anothr story

          私は遠い遠い昔に生まれました。 場所は英国、ウェールズ地方。 この辺り一帯を統治している貴族、 ウィンチェスター侯爵のそれはそれは大きな お城の中でした。 私が生まれたきっかけは、侯爵に二人目の 女の子が誕生した事によるものでした。 その子は " セーラ " と名付けられました。 古くからウェールズでは子供が生まれると、 我が子にランタンをプレゼントする風習が ありました。 未来を明るく見通せるようにとの願いが 込められているそうです。 そこで侯爵は街一番の職人に赤いランタ

        赤らんたん

          赤らんたんに灯を入れて最終夜

          今、貴方には逢いたい人がいますか? ある時間にある事をすれば今はもう 逢いたくても逢えない貴方の大切だった 人と話す事が1時間だけ出来る不思議な キャンプ場がある。 " 赤らんたんキャンプ場 " 今宵、最終夜のお話は……… 「おばあちゃん、あの現象が起きている 事であちこちから連絡がくるけど、実際の ところ、あの不思議な現象はこの土地に 関係しているの?それとも私達、明神家の 巫女体質のせい?」 結衣は長い間疑問に思っていたある種の " 謎 " とも言えるこのキャンプ

          赤らんたんに灯を入れて最終夜

          赤らんたんに灯を入れて第六夜 後編

          「あのお話って本当なんでしょうか?」 気になっていた事を結衣に聞いてみた。 「大切に思っていた故人と逢える、って 事ですか?それは私共の方では何とも お答えする事ができないのです。 ただ、この場所でお客様が体験される 事象は全てお客様のものですので…… 一つ言えるとすれば、皆様お帰りの際は 幸せそうなお顔をされてますね」 「そうですか……」 「着きました。こちらのサイトになります。 テントや焚き火はセッティング済みです。 火が消えそうなら薪を足して下さい。 それから一番大事

          赤らんたんに灯を入れて第六夜 後編

          赤らんたんに灯を入れて第六夜 前編

          今、貴方には逢いたい人がいますか? ある時間にある事をすれば、今はもう 逢いたくても逢えない貴方の大切だった 人と話す事が出来る不思議なキャンプ場 " 赤らんたんキャンプ場 " 今宵の物語は…… 「結衣、今夜のお客様は年配の女性の方 だからセッティングの準備、よろしくね」 「それはOKだけど、希衣ばあちゃん、 何歳位の人なの?そんなにお歳の方?」 「う〜ん、でもご自分で運転されてお見えに なる様だから矍鑠とされた方なんじゃ ないかしらねぇ、とにかくお願いね!」 「うん

          赤らんたんに灯を入れて第六夜 前編

          赤らんたんに灯を入れて第五夜 後編

          私達の親友だった友恵が死んじゃった。 あの時私に電話してきたのには、友恵の 中で何かを感じたからなんだろう。 後で聞くと、おばさんも間に合わなかった そうで、1人で逝ってしまった友恵。 享年45歳。 早過ぎるよ友恵。由美子やアッコも私も 子供達に手がかからなくなって、もう少し 自由な時間がこれからは取れる様になると 思っていたから皆で色んな所に、もう歳 だから温泉かねぇ、行こうと思ってたんだ。 あれから20年経ったんだよ。早いよね。 今は携帯電話でネットが見られるんだよ

          赤らんたんに灯を入れて第五夜 後編

          赤らんたんに灯を入れて第五夜 前編

          今、貴方には逢いたい人がいますか? ある時間にある事をすれば、今はもう 逢いたくても逢えない貴方の大切だった 人と話す事が出来る不思議なキャンプ場。 " 赤らんたんキャンプ場 " 今宵の物語は……… 「希衣おばあちゃん、今日の予約は?」 孫娘の結衣が、慣れない手つきでパソコンと 格闘している祖母である希衣の背中越しから 画面を覗き込み聞いている。 「もちろん入っているよ。女性3人組だね。 この方達も初心者の様だから、セッティング お願いね!」 「うん、分かったわ!いつ

          赤らんたんに灯を入れて第五夜 前編

          赤らんたんに灯を入れて第四夜 後編     

          「山花様、説明は以上です。後の現象は お客様のもので、お電話でもご説明させて 頂きました通り、私共には関知する事は 出来ません。ではごゆっくりとお過ごし 下さいませ。但し、例の時刻だけはお守り 下さい。そしてその時間は1時間だけです」 そう言って結衣は帰って行った。 「本当にこゆきに逢えるのかしら? でもここへ来た人達のSNSを見ると 嘘をついてるとも思えないし… とにかく夜の8時25分になれば分かる 事だわ!ねぇ、まつり」 もしもこゆきと逢えるならまつりだって 逢いたいは

          赤らんたんに灯を入れて第四夜 後編     

          赤らんたんに灯を入れて 第四夜 前編

          今、貴方には逢いたい人がいますか? ある時間にある事をすれば、今はもう 逢いたくても逢えない貴方の大切だった 人と話す事が出来る不思議なキャンプ場 " 赤らんたんキャンプ場 " 今宵の物語は…… 「トゥルルル、トゥルルル、はい 赤らんたんキャンプ場です。ご予約ですね。 えぇ、はっきりとはお答えできませんが、 皆様、満足そうにお帰りになります…」 赤らんたんキャンプ場に電話が鳴った。 「ただこればかりは私共で保証出来かねる 事であり、お客様個人の感覚ですので…。 分か

          赤らんたんに灯を入れて 第四夜 前編

          赤らんたんに灯を入れて 第三夜 後編

          「え〜、ようこっちも従いてきてよォ」 「最初は私もお母さんの事知らない間柄じゃ ないから行こうかなと思ってたの。 でもね、デリケートな話になるでしょ? 私、貴方の泣いてるトコ見たくないわよ!」 それはある種の洋子の優しさでもあった。 手続きは全て洋子がやってくれた。 当日の朝、落ち着かなくなってやたらと コーヒーばかり飲んでいた。 " 本当に逢えるのかしら?でも、もしも 逢えたらお母さんになんて言おう? ようこっちには思いの丈をぶつけておいでと 言われたけど… " 8

          赤らんたんに灯を入れて 第三夜 後編

          赤らんたんに灯を入れて第三夜 前編  

          今、貴方には逢いたい人がいますか? ある時間にある事をすると、今はもう 逢いたくても逢えない貴方の大切だった 人と話す事が出来る不思議なキャンプ場 " 赤らんたんキャンプ場 " 今宵の物語は…… 「結衣、今日のお客様は女性の方なんだよ。 なにぶんキャンプは初めてやるらしいので、 結衣、セッティングと焚き火を熾してやって くれるかい?」 「もう終わってるよ。何歳ぐらいの人?」 「あんまりお客様の事を掘り下げるものじゃ ないんだよ。まぁ年齢くらいはいいかね。 電話の感じ

          赤らんたんに灯を入れて第三夜 前編  

          赤らんたんに灯を入れて第二夜 後篇

          ヒデオのお姉さんから報せを受けた杉本達は 急いで病院に駆けつけた。 白い布を掛けられた物言わぬヒデオが そこに横たわっていた。 杉本達は、まだ信じられない顔をしている。 松田は泣いているのか、笑っているのか、 複雑な表情である。 杉本は今までのヒデオとの思い出が血流と なって全身の細胞の中にある " 記憶 " の 欠片を伴い脳裡に流れ込んでくる気がした。 4月生まれの為に仲間内で1番最初に 免許を取り、嬉しそうにバイクを 見せに来たヒデオ。 皆で夜釣りに行った帰り、調子

          赤らんたんに灯を入れて第二夜 後篇

          赤らんたんに灯を入れて 第二夜 前編

          今、貴方には逢いたい人はいますか? ある時間にある事をすれば、今はもう 逢いたくても逢えない貴方の大切だった 人と話す事が出来る不思議なキャンプ場 " 赤らんたんキャンプ場 " 今宵の物語は……… 「結衣、今日の赤らんたんのお客様は 20歳の男性3人組だよ。今流行りの バイクでのツーリングキャンプだそう」 このキャンプ場を経営管理している 明神希衣が孫娘の明神結衣に話しかける。 「えっ〜ツーリングキャンプなんて言葉を 知ってるなんて、おばあちゃん、意外!」 事務所の

          赤らんたんに灯を入れて 第二夜 前編

          赤らんたんに灯を入れて 第一夜 後編

          恵美ノートには様々な事が書かれていた。 裕美の身支度や幼稚園から大学まで 年齢順にやるべき事だったり、それこそ 本間家の味噌汁の作り方まで書いてある。 あれからもうすぐ1年が経とうと言う頃、 会社の女性社員から不思議なキャンプ場の 話を聞いた。 逢いたい人に逢えるのだという。 裕一は検索をして半信半疑であったが、 予約を入れた。 「ゆーたん、今日は遅くなると思うから 今のうち少しだけ寝るか?」 「ううん、おきてる」 しばらくするとコックリと舟を漕ぎ始めた。 あれから何度

          赤らんたんに灯を入れて 第一夜 後編