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羊 狼 通 信 ブックレビュー&ガイド

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記事一覧

虫の本 その1 『どくとるマンボウ昆虫記』

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2017年11月 008/120

虫の本 その1 『どくとるマンボウ昆虫記』世界中の虫嫌いと利尻島の虫好き
 「虫嫌いの人間が虫を毛嫌いするのと同様に、私は虫嫌いの人間を毛嫌いする」という警句がある。そして私は、虫嫌いの人間の言動よりかは、そんな警句を発する人間の言動に共感を抱く。
 そんな私が書くのだから、この小文は虫嫌いの人には唾棄すべき内容になるかも

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百五年のあゆみ 富貴堂小史補遺

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2017年03月 007/120

百五年のあゆみ 富貴堂小史補遺

 『七十年のあゆみ 富貴堂小史』という本は実在する。A5判・219p。奥付によれば「発行 昭和四十三年三月十二日(富貴堂創業七十周年記念日) 非売品/発行所 株式会社富貴堂 札幌市南一条西三丁目」。
 ところが、この札幌の書店「富貴堂」の名前は、「小史」刊行から35年7ヵ月余り後、2003

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5年かけて『ファインマン物理学』を読む:1年目「Ⅰ力学」

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2017年02月 006/120

「”星も地球にあるのと同じ原子からできている“.私はいつもこのような小さな話題をとりあげて話を進めることにしている.物理学は星の美を色あせさせ,気体原子の単なるかたまりにしてしまうだけだと詩人はいう.しかし”単なる“で片付けられるものはない.私といえども砂漠の夜,星を見,それに心を動かされる.しかし私のみるものは

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すべてのクレイジートラベラーの道はトゥバに通ず All roads for crazy travellers lead to Tuva.

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005/120 2017年01月

すべてのクレイジートラベラーの道はトゥバに通ず All roads for crazy travellers lead to Tuva.
 等々力政彦(とどりき・まさひこ 1965‐ )は1992年の夏、南シベリアに位置するトゥバ自治共和国を初めて訪れた。そこはよほど魅力的な場所なのだろう、それ以降2013年まで、等々力は

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柳家の人びと(一) 「宗悦と兼子」

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004/120 2016年12月

はじめに
 柳宗悦(やなぎ・むねよし 1889‐1961)の名前を知らない人でも、「民芸」という言葉はどこかで耳目に触れているのではないだろうか。「民衆的工芸」の意味を含むその言葉が現れた日は特定されていて、宗悦はその提唱者の一人だった。その日は1925(大正14)年12月28日、木喰佛調査のために紀州を旅していた宗悦の同

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読まず嫌い読者のための村上春樹長編小説案内

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003/120 2016年11月 「二人はもう一言も口をきかなかった。言葉はそこでは力を持たなかった。動くことをやめてしまった踊り手たちのように、彼らはただひっそりと抱き合い、時間の流れに身を委ねた。それは過去と現在と、そしておそらくは未来がいくらか混じり合った時間だった。二人の身体の間には隙間がなく、彼女の温かい息は規則正しい間隔をとって彼の首筋にか

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昭和7年秋、札幌の寺田寅彦

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002/120 2016年10月昭和7年秋、札幌の寺田寅彦

 寺田寅彦 (1878―1935)は1932(昭和7)年秋、その生涯において最初で最後の札幌滞在を終え、東京へ帰ってほどなく札幌に住む門下生中谷宇吉郎 (1900-1962)宛に書簡を送っている。

「十月十五日(土) 中谷宇吉郎 消印午後4時―8時
   本郷区駒込曙町二四より札幌市南一

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「日本世間噺大系」としての『徒然草』

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001/120 2016年9月 「日本世間噺大系」としての『徒然草』

 『徒然草』の作者とされる兼好(1283頃-没年不詳)を、彼が生きた鎌倉時代末期から南北朝時代初期にかけての京都を舞台にした大河ドラマに登場させるなら、「俳優」伊丹十三(1933‐1997)が適役ではないかと私は勝手に想像する。そんなドラマを見てみたいが、残念ながらそれはもう妄想でしかな

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