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「賭け」はただ己のために

コーナーから飛んで、立っている相手に決めた頭突きが原因でしょうか?

頭突きは本当に怖いです。4年前、新日本プロレス・柴田勝頼選手が急性硬膜下血腫で倒れたきっかけも同じ技でした。プロレス的な「ヘッドバット」と骨を骨に思い切りゴツンとぶつける「頭突き」は別物、とは言わないまでも似て非なるものに近いと考えています。

ただ清宮選手の真っ直ぐ過ぎる心根を代表するような動きに胸を打たれたのも事実です。

「明日のことなど考えない」「いまここに全力を尽くす」
言葉にするのは簡単。でも見事なまでに有言実行している姿を見てしまうと、今後のキャリアや命を大事にして欲しくなる。刹那的ゆえの美を称えつつ「そういうものを軽々しく他者に求めるべきではない」と己を戒めたくなる。矛盾してますよね。

次に武藤選手と戦うとき、清宮選手はこの技を使うのでしょうか? 個人的には使って欲しくない。でも普通に戦っても敵わない相手にどうしても勝ちたいと思ったら、以前noteに書いた「神さまのサイコロ」を振る必要があります。もし清宮選手にとってのそれが「頭突き」だとしたら。

人生では「ここでやらなきゃいつやるんだ!」という「賭け」の局面がしばしば訪れます。たとえば93年の西武ライオンズとの日本シリーズでヤクルトスワローズの古田選手が野村監督の指示を無視してギャンブルスタートを敢行し、日本一を引き寄せる追加点をもぎ取ったように。

成功したからこそ「賭け」なわけで、失敗すれば「無謀」か「わがままな個人プレー」です。キャリアを棒に振ってしまうかもしれない。実際「1%の勝ち」を信じて危険なルールに挑んで怪我をし、ピークに戻れぬまま引退した格闘家がいました。

「賭け」は外れる可能性が低くない。だからこそ「賭け」なのです。映画やドラマみたいにはいかない。それでも「どうしてもこのチャンスに賭けてみたい」というケースは。。。

清宮選手、私はずっと「賭け」に負けてきた人間です。でもあなたの戦いを見て、もう一度トライするかという微熱が芽生えてきました。他の誰でもない己自身のために。ありがとう。




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