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「10000円のチケット」を売る方法

業界トップの座にあぐらをかかず、危機感を持つのはさすがです。コロナのせいにしないのもいい。でも観客動員が芳しくない原因は「試合数」ではないでしょう。

「G1クライマックス」後楽園大会のチケットを買おうと思ったのですが、「一律10500円」(当日券が出る場合はプラス500円)だったのでやめました。

9月21日にやはり後楽園ホールで三冠戦を開催する全日本プロレスのチケット代を調べました。「プレミアムシート12000円 特別席8000円 A指定席6000円 B指定席4000円 当日券も同額」良心的です。これなら「久し振りにプロレスでも見るか」という感じで気軽に足を運べるし「面白かった! 来月また行こう」となりやすい。

一方新日本のやり方は、言葉は悪いですが常連の忠誠心に甘えているというか、パイを広げる努力をしていないように映ります。このご時世でプロレスに10000円をポンと出せる人はそうそういません。年間最大級の熱いシリーズである「G1」こそ新規ファンを大量に引き込むチャンスなのに。

しかもリング上の戦いのレベルが金額とマッチしていない。「これさえやれば沸く」とばかりに誰もがエルボー合戦。さらにはレフェリー失神、乱入、金的。反則を使うのはいい。問題はやり方。もう少し頭を捻らないと、プロレスの曖昧な部分ばかりに目が行ってしまいます。

もし90年代全日本プロレスの黄金カード「三沢光晴 vs 小橋建太」だったら、後楽園で10000円でも即完売でしょう。誰も高いとは感じない。それだけのものを、いや期待以上の激闘を確実に見せてくれるから。

新日本にもそういうレスラーがいないわけじゃないんです。たとえば高橋ヒロム選手とエル・デスペラード選手のシングル戦だったら10000円もアリです。でも「5000円払って10000円の戦いを見られた」と「10000円払って10000円の戦いを見られた」ではどちらがファンにとってお得感が強いでしょうか? 

木谷オーナー、10000円のチケットを売りたいなら「15000円の戦いを見られる」という信用を取り戻しましょう。話はそれからです。

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