見出し画像

「POP作り」と「書店員の喜び」

「読書をすれば、心の中に引き出しをたくさん作ることができる。その引き出しが、将来みんなを助けてくれる」

本間さんの見解に心から賛同します。子どもたちにPOP作りに挑んでもらうのも素晴らしいアイデアです。

書店でも同じようなイベントをおこない、そのPOPを付けた本を実際に販売したら面白い気がします。大人が押し付けるのではなく、あくまでも子どもたちに好きな絵本や児童文学などを選んでもらう形で。あまり売れない本でも一定期間は専用のエリアに置き続ける。

もし一冊でも買ってもらえたら絶対に嬉しいはず。「将来は本屋さんになりたい」「こういう仕事がしたい」と考えてくれるかもしれない。

現実的には凝ったPOPを営業時間中に書く余裕はほぼありません(家で作っている人が多い)。商売上の観点に立つと、好きな本だけを棚に並べるのもなかなか難しい。それでも自分の絵や言葉でオススメした商品を手に取ってもらえる喜びを体験するのは有意義なことでしょう。

ちなみにPOPを付ける以上は面陳か平積みになるわけですが、私はむしろ棚差しの一冊を重視しています。大ヒットはしないけど、定期的に売れてくれる。その積み重ねで数字を作っている自負があります。最近だと↓辺りでしょうか。

「売れ筋」を積むのは大前提。どこもやっていること。だから「めったに売れない一冊」のチョイスで他店との違いを生み出す。いわゆる「ロングテール」に近い考え方です。意識していたわけではありませんが、結果的に自分のやり方と重なるものでした。

自作のPOPを付けた本が売れるのはもちろん嬉しい。でもPOPも何も付けず、棚にこっそり忍ばせたオススメを選んでもらえる喜びにはかないません。もし子どもたちやこのnoteを読んでいる皆さまが書店員になったら、ぜひ味わってほしいです。

この記事が参加している募集

最近の学び

仕事について話そう

作家として面白い本や文章を書くことでお返し致します。大切に使わせていただきます。感謝!!!