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「パワーホール」と「Oro De Ley」

名言出ましたね。

「またぐなよ、またぐな」「俺の人生にも、一度くらい幸せな日があってもいいだろう」「天下を獲り損ねた男」など、この方の発する言葉には不思議な力が宿っています。言いたくなるし絶対に忘れない。

誰かが「リング上のコピーライター」なんて言っていました。最近もツイッターにおける「ハッシュドタグ」「飛ぶぞ」などが、長州さんの現役時代を知らないであろう若者の間でバズっていました。北斗晶さんもそうですけど「レスラーとしての全盛期を知らない人たちの間で大人気」という状況を作ったのはすごいこと。そういえば北斗さんも頭の回転が速く、コメント力が天才的でしたね。「心のプロレスしろ!」とか。

長州さんといえば、入場曲の「パワーホール」も有名。作曲者は「異母犯抄」となっていますが、正体はあの平沢進氏です。ある意味、スタン・ハンセンの「サンライズ」と並んで、最もプロレスらしさを感じさせるテーマ曲かと。

逆に「最もプロレスらしさを感じさせないテーマ曲」は何かと訊かれたら、真っ先に浮かぶのが北斗晶さんの「Oro De Ley」です。最初聞いたときは「え?」と戸惑いました。皆さんもぜひ聞いてみてください。「これをプロレスで使うの?」ってなるはずだから。

どうですか? でもこの曲で北斗さんが一歩ずつリングに向かうとじわじわ来るんですよ。背筋が伸びていい緊張感が生まれます。ひとりでリングに向かう戦士の悲哀や恐怖、そして静かな覚悟が伝わってくるから。

結局おふたりとも、目をつけるポイントがひとりだけ違うんですよね。しかもそういう自分を恥じずに貫ける。それが言葉やテーマ曲のチョイスに表れています。だからこそ未知のブルーオーシャンを開拓し、誰も想像しないようなアプローチで頂上まで一気に駆け上れたのです。

他人と同じだとか違うだとかを意識せず、ただ己の感性を信じて貫く。たとえアホだと笑われても。そんなシンプルなメッセージをおふたりのテーマ曲と生き様から学びました。






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