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「再開業した書店」から学んだこと

嬉しいニュースです。

昨年7月に閉店した「啓文堂書店・狛江店」が市民の熱心な要望を受け、6月27日に再開業したそうです。今年閉店した阿佐ヶ谷の「書楽」と同じ場所に「八重洲ブックセンター」がオープンしたことを思い出しました。

職場がなくなることを何度か経験しています。ゆえに、閉店は必ずしも民意の反映とは限らないと頭ではわかっている。それでも、こうして思いが形になった事実を目の当たりにするのは励みになります。

すべてはお店が地域のお客さんに愛され、必要とされているからこそ。イチ同業者として「啓文堂書店・狛江店」に関わったスタッフの方々へ最大級の敬意を送らせていただきます。

なお、こちらのお店は街の人が薦める本を紹介するスペースを設けているとのこと。気になります。普通にありそうでなかなか見られぬ試み。

土地の名物やメインの客層、よく動くジャンルなどを考慮し、お店の方で地域に特化したコーナーを作ることは珍しくありません。上野の書店チェーンへ行けばパンダ関連の本を集めた棚を目にするし、表参道の「山陽堂書店」にはかつて同エリアに住んでいた安西水丸さんの著書が充実しています。

ただお客さんの選んだ本を置くのは、また少し趣きが異なります。従業員目線では辿り着けない、住民ならではの着眼点に触れられそう。

実際にすべてを棚に置くのは難しいかもしれない。でもご来店された方々に「当店の特色に合った本をご存知でしたら、ぜひ教えてください」みたいなアンケートを実施することはできるはず。

街の本屋が生き残るためのキーワードとしてよく挙げられるひとつが「コミュニケーション」。こういった企画があれば、本を介してお客さんとの繋がりを深めることができる。学ばせていただきました。

「啓文堂書店・狛江店」さん、ありがとうございます。

作家として面白い本や文章を書くことでお返し致します。大切に使わせていただきます。感謝!!!