「普通なら負ける」という勝ち目
高校時代、ある卓球の大会でベスト8へ進出しました。
相手は他校のエース。私が一度しか勝ったことのない先輩を3回戦で破った優勝候補です。↑の棚橋選手と同じことを考えました。「こりゃムリだ」「全てのパラメーターで負けてる」と。
当時は21点先取の3セットマッチ。案の定1セット目をあっさり失いました。すると見ていた先輩が「アイツはおまえの上横をレシーブしにくいみたいだ」「浮いた球をどんどん打て」とアドバイスをくれました。そっかと思い、フォアとバックに上横回転のサーブを連発。同じフォームで違うものを繰り出すのが定石なのに、文字通り「馬鹿のひとつ覚え」を続けたのです。
流れが変わりました。相手のレシーブは実際不安定でしたが、それ以上に戸惑っていました。おそらく1セット目の感触で「普通に勝てる」と踏んでいたはず。ところがこちらの戦術が大きく変わり、アグレッシブに強打していったことで歯車が狂ったのでしょう。
2セット目をモノにしました。
通常こういうケースでは、セット間の休憩を挟むことで冷静になります。味方陣営から助言ももらえます。でも私が「失うものは何もない」状態なのに対し、向こうは勝って当たり前。あんな格下に負けられないという焦りが抜けなかったのかもしれない。結局ミスを連発し、自滅してくれました。
「勝負は下駄を履くまでわからない」を実感しました。確実に勝てるはずが、些細なミスや想定外の連続で「おかしい。こんなはずじゃない」と戸惑い、立て直せないまま終わってしまう。こういうことが起こり得るから面白いし怖いのです。
棚橋選手はブログに興味深いことを書いています。
” I will either find a way or make one"(方法は見つける。なければ作る)
普通なら99%負ける相手。だからこそ勝ち目がある。きっと見つかります。頑張ってください!!
作家として面白い本や文章を書くことでお返し致します。大切に使わせていただきます。感謝!!!