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「クラシカル」という斬新

いまの新日本プロレスのフォーマットは全5試合。第3試合終了後に休憩が入ります。

やっと獲得した王座の初防衛戦を休憩前に組まれたデスぺ選手の憤りは理解できます。ただ期待感で「飯伏幸太 vs ジェフ・コブ」に劣ったのは事実。これはデスぺ選手というよりも挑戦者のYOH選手が原因かと。

「飯伏 vs コブ」に言葉は要りません。常識が通用しない超人アスリートふたりが織り成すド迫力の死闘はリング上が全て。そこで競ったら「デスぺ vs YOH」に勝ち目はゼロです。だからこそデスぺ選手はSNSやコメントで挑発し続けたのですが、YOH選手は「対戦相手をリスペクトしたい」と。

盛り上げようとしてムリに罵り合う構図は私も好きではありません。でもだったら注目を集める別の手段を講じないと。プロレスにおける言葉の使い道は「罵倒」だけではないはず。YOH選手はブログを持っていて文才もあるのに。。。

特にSHO選手のポッドキャストで話していた「この時代にあえてレコード回帰」論は面白かった。かつての西村修選手を思い出しました。

西村選手は危険な大技を乱発する現代プロレスを文明社会と重ね、「自然の中でバーベキューする楽しさを教えたい」と訴えました。ウエートトレーニングを否定し、玄米菜食に努め、古典的な技を大事に使いました。タイトル戦でミサイルキックを10回ぐらい出したり。

コメントも独特。電気や車を使わずに自給自足で暮らす「アーミッシュ」の存在を彼のおかげで知りました。

原点回帰のクラシカルなものは知らない人の目には斬新に映ります。それはプロレスでも同じ。西村選手はエルボーの打ち方からして他の人とは違いました。そしてラリアットやボム系の大技で攻め込まれても、一瞬の丸め込みで切り返して大逆転。「西村修のプロレス」じゃないと得られないカタルシスが間違いなく存在したのです。

YOH選手もタイトル戦の中で丸め込みを有効に使いました。あれですよ。昔ながらの技で流れを作り、オリジナル技で勝ちに行く姿勢も良かった。あとはリング外の発信をひと工夫。西村選手に弟子入りするのもアリでしょう。期待しています。

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