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「可能性」=「固定概念に囚われない」

43歳の来季も現役続行。

和田投手のピッチングを見たら誰もが納得するはず。コントロールが素晴らしく、緩急も自在。なにより驚かされるのは、真っ直ぐの速さとキレが若い頃よりも増していること。

年齢を重ねるうちに球速が衰え、コントロールとインサイドワークで勝負する変化球主体のスタイルへ変わるのが従来のパターン。しかし彼は元々の武器である制球力にメジャーリーグで培った精神力と駆け引きを加え、さらに40代になってからストレートの威力が増すという「いいとこ取り」状態です。

改めて固定概念に囚われるのはもったいないと学びました。「誰もやっていない=誰もできない」とは限らない。可能性はあると感じたらトライし、自分が最初の人間になればいい。

和田投手は2009年に開催された第2回WBCの代表候補合宿に呼ばれ、最終的に外されています。しかしペナントレース開幕戦では同大会で世界一を成し遂げたオリックスの小松投手と投げ合い、完封勝利を挙げました。

当時読んだNumberに「ここで小松に負けたら僕には何もない」みたいなコメントが載っていました。「早大出のクールなエリート」というイメージとの落差が印象に残っています。反骨心に支えられたストイックな努力と探究心。それらが彼をいまも現役の一流アスリートたらしめているのかもしれません。

多くの職業がそうであるように、書店の正社員も年齢を重ねるにつれて管理職になり、店以外で働くケースが増えます。私は非正規雇用ゆえ、昔は「店では無能でも社員はクビにならないからいいよな」と妬んでいました。

しかしいまは何歳になっても最前線で動ける体力と精神力を持ち続けたい。非正規だからこそわかる現場の感覚を大事にし、末端から業界を変えたい。そう考えるようになりました。他人は関係ない、己がどうするかだと。

和田投手、励みになりました。ありがとうございます。

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